F1マシンで最大のダウンフォースを発生するウィング。
空気の流れを上方に変化させる事で、上面に高圧ゾーン、下面の低圧ゾーンを作り出し、力の向きを上から下へ発生させて、マイナスリフト(ダウンフォース)を作り出す。
300km/hの風圧で発生するダウンフォースは3000~4000N mなどと言われる大きな数字、たわまなければ簡単に破損してしまう。レギュレーションでは固定されていなければならない、となっているがたわみ許容範囲が存在するのです。
リアウィング
シュタイアーマルクGP(レッドブルリンク)、レッドブルRB16のリアカメラ動画では明らかにたわんでます。
イタリアGP(モンツァ)、アルファタウリAT01のリアウィング、負荷が少ないセッティングですが、こちらもたわんでいます。
どちらも固定カメラであり、シャークフィンの頂点とリアウィングフラップの上下位置関係が変化しています。
リアウィング荷重テスト
水平方向に500N・mの荷重を加えた時に 7mm 以下のたわみ、垂直方向に200N・mの荷重を加えた時に 2mm 以下のたわみとなっている、この2つのテストは一つ一つ行われる。
フロントウィング
サクヒールGP(バーレーン・アウタートラック)、フェラーリSF1000のフロントウィングフラップは、上部フラップ1枚分ぐらい低くなっている。
フロントウィング荷重テスト
フロントウィングエンドプレートに、1000N・mの垂直荷重を加えた時に 15mm 以下のたわみ、これはウィングが大きく後退角がついた2017年よりの規定。
主にメインプレートが地面に近づくのを禁止するためであり、フラップについて詳細な荷重規則は無いようです。
まとめ
ウィングのたわみ具合がわかる動画は、あまり公開されない。FIAとしては、自分たちが決めた規則が実情にそぐわない事を騒がれたくないのだろう。
2017年よりウィングは肥大化へと舵を切り、2019年に更に大きくなった。それに伴い、たわみ量が増加しているとも言える。
これで荷重テストを厳しくすれば、強度と重量の問題が大きくなり、最低重量の達成など、チームから新たな研究費用がかさむと文句を言われる事態を避けているとも言える訳でして・・。
リアウィングにかかる力は、300km/hで3,000N・m以上などと言われているのに、明らかにおかしな数値だし、ほとんどのチームが高速度域で、たわませてドラッグを軽減しています。
サーキット毎にウィングを用意できるチームとそうではないチームで差が出るのは当たり前、規則さえ守ればそこを突き詰めるのがF1の開発競争(資金力)なんですから。
この辺りが改善されるのは、ウィングプロファイル規定が雁字搦めになる2022年の新規定からとなるのかな?
そうそうこれこれ。
リヤウイングはたわむというよりはウイング全体が倒れるんですよね。
ある程度倒れるように設計するのか、しっかり強度を出して高速域でもダウンフォースを稼ぐのか。PUのパワーと合わせてコンセプトを決めるんでしょうね。
あ!レッドブルがルノーPUに合わせてたコンセプトからホンダPUに変わってなんたらかんらとかフェラーリはVANTAブラックぐらい真っ黒なPUに合わせた車体だからドラッグが大きくて遅いとかもしかそういう事か笑
昔はネック自体を倒していて、壊れて危なかった。
今は翼端板とメインプレートが変形するんですよね。
https://twitter.com/AlphaTauriF1/status/1304472700900069376
あまり関係ないかもしれませんが、公式Twitterでそういえばこんなのあったなぁと思い出したので。
これは良い動画ですね。クラッシュ構造体が横揺れすると、ステーとディフィーザーも一緒に揺れる。
こんなに簡単に横揺れするほど柔軟性があるという事は・・・
わかりますね・・・そういう事ですw
それにしてもアームの角度が・・・
鳥人間コンテストを観ていて
滑空途中、両サイドのウイングが綺麗に見事に反り返っていますが、中にはある瞬間ボキッと「くの字」に折れ曲がって墜落したチームもありましたが(強度が足りなかったかと思われる)
F1でも、ウイングがある程度たわむ事で、プレート(エレメント)全体で荷重を受け止めているからフレキシブルは必要なのでは?と思った事があります。
例えが違うかも知れないですが、
日本刀は硬くて折れないと言われていますが、
硬いのと折れないと言う相反する事を
両立させるために、内側の芯部分は柔らかい軟鉄にして、外側の表面部分には硬い鋼鉄を巻き付ける二重構造になっています。
日本刀とは使用環境、目的違いますが、
材料力学的に
F1のウイングは硬いカーボン系素材よりも柔軟なケブラーかノーメックス素材を使っているのか?分かりませんが、たわみや反りよりも途中で折れる方が恐い感じがしますね。
あまり細かいところにツッコミたくはないですが、日本刀は刃の部分に玉鋼、をサンドイッチするカタチで軟鉄です
いえいえ。突っ込んで下さい。にわか知識なので違っているかも知れないです。刃先部分は「たまはがね」ですね。
その代わり大きな衝撃、打撃を受けると刃先が欠けてボロボロになる。
現在の技術だったら硬質メッキでコーティングするとか、溶射技術で表面を硬くして(セラミックコーティング)耐磨耗性で部品の寿命が長くなるかと。
カムシャフトクランクシャフトを軽く細くしても折れる事が無い様な構造に出来る(中空構造も可能)
空力パーツもカーボン系+ケブラー、ノーメックスの複合素材とか?
単一素材で硬さと柔軟性が両立すれば言う事無いですが(^.^)
スレ違いですが、ハミルトンのアブダビでの復帰が決まったようです。
これは…
これはもう可変ウイングですねw
いや知りませんでした
楽しい記事ありがとうございます!
本文で荷重の単位としてN・mになってますが、N(ニュートン)が適切ではないでしょうか?というか単位はしっかりお願いいたします。
力のモーメント(トルク)の単位で「ニュートンメートル」と読みます。
1kgf·m=9.806652N·mです。
https://www.forcegauge.net/faq/56760.html
すいません一応、日本に法律に合わせたまで、荷重測定におけるモーメント単位にしてるだけです。
単位について個人的意見で失礼します。
ヨーロッパは、基本メートル法を採用していて長さはメートル(cm、mm)重さはkgですが、アメリカ合衆国は長さ単位インチ、イギリスは重さ単位ポンドと言う風に世界統一規格になっていませんですね。
メートル原器はイギリスに保管管理しているのに何故?
イギリスは、EU加盟していた時代でもユーロ通貨を採用せず自国通貨ポンド(重さと同じ単位)を押し通していた。
お金マネーも各国で通貨単位がバラバラなので両替が大変。
でも電子マネーによって自動変換してくれるから手間要らずかなぁ?
世界基軸通貨のUSAドルは時代遅れ。
言語も、母国語もちろん大切で第2言語も話せるに越した事無い。
F1以外の話題ですいません。