2020年F1第10戦ロシアGPは、フェルスタッペンが予選2位から決勝2位、クビアト8位、ガスリー9位、アルボン10位となり、ホンダPU勢が全台入賞を成し遂げた。
ハミルトンのペナルティ10秒が無ければ、フェルスタッペンは3位になっていただろう。決勝ではボッタスについていけず、後半はペースコントロールされてしまった。
レース後、ホーナー氏が珍しく回生エネルギー不足を口にしており、風通しのいい関係だがホンダに対して檄を飛ばしている。
予選タイム差+0.563秒
POS | ドライバー | F | T1SPD | S1 | T12SPD | S2 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | HAM | 169 | 333 | 33.361 | 326 | 31.399 | 26.544 | 1:31.304 | 3 | C5 | |
281 | 324 | 167 | |||||||||
2 | VER | 176 | 327 | 33.513 | 320 | 31.613 | 26.741 | 1:31.867 | 0.563 | 3 | C5 |
277 | 317 | 171 | |||||||||
9 | GAS | 171 | 330 | 34.029 | 323 | 31.984 | 26.987 | 1:33.000 | 1.696 | 3 | C5 |
275 | 320 | 168 | |||||||||
10 | ALB | 175 | 322 | 33.940 | 316 | 32.102 | 26.966 | 1:33.308 | 1.704 | 3 | C5 |
273 | 314 | 168 |
メルセデスのストレートスピードが異様に高い、フェルスタッペンはアタックラップに入るときボッタスのトウを少し利用したが微々たるもの、根本的にドラッグレベルが高かった。
レッドブルの方がメインプレートが大きく、エレメントも角度が立ってるなぁ。
ハイレーキの利点って、他車よりリアウィングのダウンフォースレベル下げて、ストレートではリア車高が下がる事でドラッグを減らす事にあるはずなんだけど、これでは意味が無い。
ドラッグによるエネルギーロスも大きくなってしまう。
昨年からの改善度はハミルトンで0.726秒、フェルスタッペンは0.443秒、タイヤはC4⇒C5なので単純にタイヤによるタイムアップ以外に0.3秒も離されている事になる。
開幕当初から言われているように、ディフューザーやフロアのダウンフォースが安定しないための苦肉の策が、ドラッグonダウンフォースになってしまっている。
ソチの路面μの低さと低速コーナー、そして長い全開区間でそれが露呈したと言えるだろう。
決勝タイム差+7.729秒
スタートではホイールスピンにより、簡単にボッタスを先に行かせてしまったフェルスタッペン。リカルドに一旦抜かれ、ターン5でインをつき3番手ポジションを取り返すが、その時にはメルセデス2台は次のターンを回っていた。
C4ミディアムでの第1スティントでは10秒差、C3ハードに交換してからは最大で13秒差となっていたが、トップのボッタスはフェルスタッペンのペースに合わせるようにラップタイムをコントロールしてタイヤを労わっていた。
チェッカー時の7秒差は、ファーステストを獲ったボッタスがチャージのためにラップタイムペースを落としたからであった。後ろから追いかけてきたハミルトンには、一時10秒以内に詰め寄られていたが、後半戦のペースは良かったと言えるだろう。
アルファタウリは、ガスリーがちょっと勿体なかったかな、ソフトを少し引っ張りすぎてタイムロス、アルボンの後ろに入ってしまった。極めつけはクビアトの後ろに迫った終盤、短いVSCでピットストップしてポジションダウン。
フレッシュなミディアムでオーバーテイクしてポジション回復したのは良かったけどね。見事に釣られたって感じで面白かったけど、勝負師的なストラテジーは好きです。
アルボンは15番手スタートからやれることをやったと思う。彼の場合は、フェルスタッペンとの差を気にするあまり、自分の走りを見失っているように感じる。
まとめ
問題はレッドブルRB16にあるのは間違いない。
ドラッグが多いウィングでマシンを抑え込まなければまともに走らない、スライドセンサーが超敏感で、スロットルワークの達人フェルスタッペンにしか扱えない。
ホンダはメルセデスより劣っている、これは当たり前な事です。
エンジンシングルモードになった事で、逆にホンダの臨機応変な対応が封じ込まれている。
ERSによる差は、開幕当初から指摘されており、バッテリーやモーターの効率、大きくは排気ガスのエネルギー効率にあると思う。
メルセデスはエンジンの作動温度領域を上げている、冷却に厳しいマシンから見えてくる差は何か?(排気温度が高いとか?)
そこに答えはあるはずなのです。
>メルセデスはエンジンの作動温度領域を上げている、冷却に厳しいマシンから見えてくる差は何か?(排気温度が高いとか?)
これ、私も思いました。
MGU-Hに大きな差があるように感じます。
それとアクセルオンが早く、ブレーキングが遅いフェルスタッペンに合ったエネマネが出来てない。
と言うかブレーキングが遅いからKでの充電が足りてない。
それを補うには、Hかな?と。
F1のEV面の詳細は知りませんが、MGU-Hについてはそうなのかもしれません。MGU-Kinetic(運動エネルギー)はブレーキペダルONだけでなく、ホイールのシャフト軸が回転していればエネルギー回生可能かもしれません?。市販ハイブリッド車の回生などは、完全なEV走行時除けば(駆動用と回生用の2モーター除き)、ブレーキペダルONしていなくても、要はガスペダルOff時やクイックにONしなければ概ね回生(充電)中とメーターパネル内で表示されている印象です。また、レース・ペースでの特にストレートエンド域でどの様にEV系の配置(Deploy)がされているかにもよるかもしれません。(ストレートエンド域ではEVサイドはパワーアシストor既に回生なのか?)
MGU-KはアクセルON時も回生しますよ、ブレーキングだけで2MJに達しない場合は、フルスロットルになるまでの僅かな時間の中に組み込んだりします。
その場合はドライバーの トルク要求=(エンジンパワー▲K回生)になるように設定します。
これはエンジンパワーを犠牲にする(燃料を消費する)のでレースでは多用できない。
ホンダの場合はKの2MJ規制を超えるために、K回生⇒H出力⇒H回生⇒ESを連続的に行うハーベスティングと言われる回生も使っています。
※これを書いていてきづいたのですが、シングルエンジンモードによって、ハーフスロットルK回生とハーベスティング回生は失われた可能性が高いです。
ドライバーのスロットルマップと燃料使用量をリンクさせなければならないようです。
突然失礼します。
シングルモード規定は、ICEにのみ適用ではないのでしょうか?モードは変えられないが、ポジションは変えられる(モンツァのガスリーとサインツのラスト数周に色々変えていた気がしました。)認識なのですが、間違いなのでしょうか。不躾ですが教えていただきたく、お願いします。
ICEのみですが、燃焼モードを下げる事は許されています。下げた後に上げたら違反になります。
ERSモードは自由です。モードとポジションはホンダ特有の設定なので、どんな機能なのかはわかりません。(Yo氏が2019年得意気に解説していたと思います。)
ラスト数周という事は、ポジション変動できない状態になり、すこしでもエンジン負荷を減らすために下げたと思われます。
アルボンの方がブレーキングの時間が長いですねえ。
“タイヤとその適切な作動領域”について
マシン・セッティングが上手く出来ていることが前提なのでしょうが、
今戦でMax選手がハードへタイヤ交換後に、Merce への相対的な速さでギャップの短縮がみられた様に、タイヤがアクティブ・ウインドウ(領域)であることは、顕著に速さ(競争性)を左右するという重要性を、今戦で少しはわかった様な気がしました。また、Q2終盤からQ3にかけ気温が下がったことによりタイヤのグリップが著しく増したとのことで、気温含めたタイヤ温度の影響による前後タイヤ各々のより適切な作動領域へ繋げることへの重要性、各車各ドライバーのタイヤの磨耗度の違いにより(タイヤ)物理的にペース・アップ可能または不可など著しく影響がありますね。
~部分抜粋~
It was clear already towards the end of Q2 that the track grip was increasing – for in the high temperatures it was low-grip all weekend.
Q2終盤,路面グリップが増加していることはすでに明らかでした. 高温では,週末を通してグリップが低かったからです.
Verstappen though was not happy with the balance of the Red Bull on the low-grip surface. On a track surface of around 37 degrees Celsius, the rears were tending to run too hot, especially in the 90-degree turns of the final sector.
Max選手は, グリップの低い路面でのRB16のバランスに満足していませんでした. 約37℃の路面では, 特に最終セクター90度のターンで, リアが熱くなりすぎる傾向がありました.
But into Q3 there was some cloud cover, the track temperature reduced seemingly by just enough, and suddenly everyone had a lot more grip.
Getting the fronts up to temperature for the start of the lap but not allowing the rears to be too hot by the end is a key part of the puzzle to a Sochi qualifying lap,
しかし, Q3に入りいくらか雲が覆い, 路面温度は十分に低下したようで, 突然誰もがより多くのグリップを得ました. ラップ開始時にフロントの温度を上げ, 最後までリアが熱くなりすぎないようにすることは, ソチQFラップのPuzzle(手掛かり)の重要な部分です。
参照:公式@F1“Did Bottas really compromise his qualifying in Sochi to ensure Russian GP victory?” M.Hughes 09/28