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2020年ベルギーGPでホンダPU勢は、フェルスタッペンが予選3位で決勝3位、アルボンは予選5位で決勝6位、ガスリーは予選12位で決勝8位となった。

レッドブルはルノー2台に分断されたが、ガスリーはタイヤ戦略とトップスピードの高さでオーバーテイクを連発し、8位入賞までポジションをアップさせドライバーオブザデイにも選ばれた。

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予選タイム差+0.526秒

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POS ドライバー F S1 T5 S2 T17 S3 タイム Gap Tyre
1 HAM 237 30.421 327 42.466 316 28.365 1:41.252 3 C4
325 220 228
3 VER 234 30.446 329 43.046 319 28.286 1:41.778 0.526 3 C4
324 217 222
4 RIC 233 30.309 336 43.594 323 28.158 1:42.061 0.610 3 C4
333 217 228
5 ALB 233 30.560 331 43.243 318 28.461 1:42.264 0.941 3 C4
327 217 228
11 KVY 233 30.141 338 44.150 322 28.439 1:42.730 1.478 2 C4
336 216 228

※T5,T17は全開区間の最高速度です。

 

予選では、メルセデスとレッドブルが昨年の自身タイムを約2秒短縮、ルノーは2.2秒、アルファタウリは3.7秒も短縮している。

タイヤはC3→C4になっているため1段階柔らかくなり約1秒のタイム短縮に貢献しているが、メルセデスとレッドブルとルノーはマシンの純粋な速さで1秒も短縮していることになる。

スパは全開率70%以上、そして長い距離、パワーエフェクトは10馬力で約0.2秒と言われるF1の方程式をも超える。パワーアップとロスのないコーナーワーク、ドラッグの少ないダウンフォース、それらの相乗効果により大幅なタイム更新となった。

決勝タイム差+15.455秒

ミディアムタイヤスタートのトップ3台、フェルスタッペンは10周でトップから6.3秒離され勝負ありと思われたが、クラッシュが発生しSCが宣言される。

ガスリーは唯一のハードタイヤスタート、序盤苦戦すると思われたがマネージメントしなければならないソフト勢の中で、タイヤを気にせず攻めの走りでポジションアップ、SC時点で8位。

ガスリーはステイアウトして4位となりLap15よりレース再開、Lap21でリカルドにパスされるまで4位を守っている。この時フェルスタッペンはボッタスに急接近1.5秒以内迫っている。

C2ハードタイヤになったとたんメルセデスとレッドブルのペース差は縮まっていた。

ガスリーはアルボンとオコンにパスされた後、Lap27にミディアムへ16位までポジションダウン。フェルスタッペンはハードタイヤで15周走ったところからペースダウン徐々にボッタスに離されていく。

 

そして決定的だったのがLap36でボッタス、フェルスタッペンが無線でバイブレーションを訴えはじめた事、タイヤはまだ24周目レーシングラップではまだ21周というところだった。

トップ3台はダウンフォースが多め、決勝での雨に備えてのセッティング、山岳区間セクター2でタイムを稼ぐ、それが逆にタイヤ摩耗を早めた。ここでフェルスタッペンの戦いは終了、チェッカーまでタイヤを保たせるだけになった。

 

ガスリーはタイヤ交換で落ちた16位から8位までオーバーテイクで這い上がり、ドライバーオブザデイにも選ばれる活躍。レスダウンフォースでトップスピードが高く、ライバルたちより新しいタイヤであり、1段階柔らかく適正温度が合ったC3だったことが、ペースアップに貢献している。

本当にガスリーは良いドライバーになっていると思う。やれる時にしっかり結果を出せる事は、スタードライバーとしての必須条件です。

2019年レッドブルで苦い思いをした、そして悲しい友人の死、それが彼を更に強くしたようだ、最近の自信に満ちた表情は信じていいと思う。

 

こんなに走れるガスリーをレッドブルに昇格させるべきだと思う方も多いだろう、しかしまたレッドブルに乗ることで自信を失う可能性も否定できない。

レッドブルのマシンは今や完全にフェルスタッペン仕様であり、独自のリアライドライト挙動はフェルスタッペンのスロットルワークに完全にマッチしたものになっているのだから。

フロントウィングのアップデートである程度の安定性は得られているようだが、アルボンはまだ自信をもってドライブできず、メルセデスに対する差は縮まっていない。

 

高速サーキットではタイム差が大きくならない事が多い、速度域が高く安定した空力性能が得られるからだ。あらゆるコーナーが配分されたコースでならメルセデスの優位性は覆らないだろう。

イタリアGPからは予選決勝の最高出力を得られるエンジンマッピングが固定される。この状況でパワーを出せばICEの寿命を大きく縮める事になるのは解りきっているが、一矢報いならそんな勝負に出る事は面白い選択だと思う。

 

今回は消極的になったレッドブルの戦略がトップ集団の隊列レースに繋がったが、あと10戦もあるのだから、勝利のためにもっと積極的な戦略に期待したいです。