近年のF1マシンは空力学分野が大きく発達し、ダウンフォースを多く発生して、尚且つ空気抵抗を少なくすることを目標に各チームは年間何十億もの資金を投入して研究開発している。
特に見た目上の変化の多いフロントウィングは、複雑になっておりウィングエレメント数は増える一方。
そんなフロントウィングのデザインの変化を追ってみようと思います。
1990年代のフロントウィング
シンプルisベストって感じな1993年のフロントウィング。2017年と同じ全幅2,000mm規定ですが、フロントウィングの幅は1,400mmです。
1998年全幅1,800mm規定が導入されても、デザイン的な変わりはありません。
2000年代のフロントウィング
2005年に大幅な変更があり、フロントウィングの基準面が上昇されました。両端は上がった状態、中央部分は規定が変らなかったため、なんともいびつな形状へ。
車体のあらゆる場所にあったウィング状のパーツが取り除かれた2009年の車体規則。リアウィングの幅は狭められ、逆にフロントウィングは1,800mmへ拡大。
とにかくアンバランスでカッコ悪いとF1ファンからは不評になる。
2010年代のフロントウィング
2012年のメルセデスW03のフロントウィングは多段化が進んできている。メインプレートが平坦ではなく丸い形状の空気の通り道ができている。
2014年にはフロントウィング幅は減少し1,650mmへ変更された。形状は現在の物にかなり近くなってきている。
2017年より全幅2,000mmになりフロントウィングは1,800mmへ拡大。あらゆるエレメントが多段化され乱流抑制が図られている。
フロントウィング分析
フロントウィングは幅が広がった2009年から積極的に開発されている。
空気の流れをフロントウィングで方向付けし、マシン全体の性能が飛躍的に向上する事が、エンジニアの努力により解明されていた。
弊害としてテールtoノーズ状態になると、後続車はダウンフォースを失い速く走れなくなってしまう。無理をすればタイヤを早く痛めてペースダウン。
乱流の影響を受けない1.5~2.0秒間隔で隊列を組むことが非常に多くなっている。
メルセデスが積極的に開発してきた、フロントタイヤ前のウィングの形状(赤〇部分)はディフューザー化している。
このソリューションは形状は多少違うが全チーム導入している。
まとめ
今回はF1の空力開発のもっとも核になる部分であるフロントウィングに注目してみました。
2017年からはバージボード周辺とノーズ下の処理がなにやら熱くなっています。
毎戦のようにアップデートをできるチームとそうではないチームがあり、予算やチーム力の差がもっとも見て取れる部分でもあります。
2018年F1を見ていくにあたってこういった部分に注目していくと、より一層F1の世界が面白くなると思います。
たとえメルセデスが一人旅してしまっても。
いやまて・・。
2009年のデザインって不評だったんですね、個人的には2008より良くなったなと思ってました。
しっかし、フロントウィングのあの丸く上がってるとこディフューザー化してたんですねー。
そこ空気通してどう効果があるもんなんだろうと思ってました。
そりゃー前のマシンが空気乱したら影響あるわなー、ディフューザーって効果なくなるとだいぶ安定感かわるんでしょ?
開発は止まらないでほしいですが、テールトゥノーズ出来るようにレギュレーション考慮してみてほしいですねぇ。
フロントウィングは2021年の規定変更で、変わるはずです。
これを変えないとしたら、ロス・ブラウンは居る意味が問われますね。