今年の新マシン規定においてチームごとに最適なマシン設計思想が異なっていて面白いですが、その中でも話題性が高い「ホイールベース」についての記事がF1,comのサイトで5月22日に公表されていました。

Wheelbase: the design characteristic that might hurt Mercedes in Monaco

私自身気づいていなく、読者様から情報をいただきました。

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ホイールベース一覧

https://www.formula1.com/

メルセデスが最長の3,760mm

メルセデスが最も長いホイールベース3,760mmで最も短いウィリアムズとの差は実に215mmもあるという事です。

ホイールベースが走りに与える影響

私自身詳しいわけではありませんが、物理的に最小回転半径が短い方が回りやすい事になります。

コーナーを速く曲がれる訳では無く、車の向きを変えるのが早くなる。

向きが速く変わればその分アクセルを踏む時間が早くなるはずですが、F1マシンはそう単純ではありません。

 

ステアリングを切った状態でアクセルを踏めば短い方がスピン状態に陥りやすくなってしまいます。逆に長い方がその度合いは小さくなり安定性が増します。

近年ではこの安定性を重要視し、また空力学において細いマシンの方が後方に流れる空気を安定して増加できるため、ホイールベースは長くなってきました。

ロングホイールベース化は1998年から

1998年からF1マシンの全幅は1,800mmになり、マクラーレンメルセデスがロングホイールベース車両(約2,850⇒約3,000mm)でチャンピオンを獲得しています。

https://www.formula1.com/

溝付きタイヤ(グループドタイヤ)も導入されメカニカルグリップが大幅に削減されたため、横滑りが多くなりスタビリティが低下、改善策の特効薬がロングホイールベースだった訳です。

2010年に給油ができなくなりタンクが大きくなった時も長くなっています。

ロングホイールベースは重い

メルセデスは2016年約3,500mmから2017年3,760mmまで大幅に伸ばした事で、車体重量が重くなりドライバーを含む最低重量制限728kgをこえていると言われています。

軽い方が速く走れる事はもちろんタイヤへの負担軽減やバラストを移動させる事でマシンの重量配分を最適なものにすることが可能です。

空力面においてはロングホイールベースはフロアの面積が増えて、フロアで発生するダウンフォースを増加させる事ができるとも言われています。

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2017年の最適解はまだわからない

https://www.formula1.com/

この「ホイールベース」論争は数年続くかと思います。最適解は今年の結果からとりあえず導き出されるでしょうが、各チームのマシンに対する概念的要素が関わる部分でもあるため足並みが揃う事は無いと思われます。

私的には、ホイールベースが短く回りやすい車(オーバーステア傾向)を操れるドライバーが、セナやシューマッハに代表される「レジェンドドライバー」と言われる方が多い気がしてます。