https://twitter.com/HaasF1Team

2022規定F1マシンは、ハースが初期モデルと思われるCGレンダリング画像を発表してくれた。

これにより、各チームが対応しなければならないデザインがある程度わかってきています。

 

現時点で重要となるポイントを押さえておきましょう。

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サイドポッドのデザイン

ハースVF-22を見るとサイドポッドが、横に大きく膨らんでいるのがわかります。

 

VF-21との比較画像を見てみましょう。

 

膨らんでいるポイントがかなり前の方に移動しています。

 

これは、サイドインパクトプロクテクションストラクチャー(SIPS)のレギュレーションが大きく変わった事が原因です。

サイドインパクトプロクテクションストラクチャー(SIPS)の位置

衝撃吸収構造体(インパクトプロクテクションストラクチャー)は、前方(ノーズ)・後方・側方に設置しなければならない安全装置の一部です。

https://motorsport.tech/

サイドインパクトストラクチャーは、マシンを縦に見た時の前後の位置は決まっていましたが、高さについてはZ=525mmより下としか決まっていませんでした。

 

2021年までは上の図のように、下部構造は一番下に配置、上部構造はサイドポッドの中間ぐらいで、サイドポッド吸気口の下側になるように配置するのが主流でした。

 

 

2022年からは、以下の位置に配置しなくてはなりません。(XC=コクピット背面)

  • 上部構造は、縦方向:XC = -525~ -475の間、垂直方向:Z = 460~ 550の間
  • 下部構造は、縦方向:XC = -525とXC = -375の間、垂直方向:Z = 100~ 240の間
  • 上部構造と下部構造は、縦方向のC面において15mm以内になくてはならない(取り付け部分の楕円状も含む)

 

 

下の側面衝撃構造は、最低でも高さが100mmの位置になくてはなりません。

https://twitter.com/AeroGandalf

位置の基本となる先端〇部分の中心点が、規定の枠内に収まっていなければならない。

 

 

SIPSは車体側が楕円のように広く、先端へ丸くなっていく形状をしています。

この取り付け面の角度は自由に調整出来ます。

 

もう一つ重要なポイントしては、以下の記述です。

  • 2つの側面衝撃構造は、ボディワークで完全に囲まれている必要があるため、それらの一部が外部の空気流にさらされてはなりません。
https://www.motorsport.com/

レッドブルRB16Bなら、上画像の矢印の位置にサイドインパクトストラクチャー上部構造がありますが、このようにウィング状にカバーをしてはならない事になります。

 

ボディーワークで覆わなくてはならない為、ハースVF-22のようなコクピット横でサイドポッドが膨らんだデザインとなるのです。

 

サイドポッドが膨らんでしまうなら、その部分にラジエーターを置くデザインが最も理想的な解決方法になります。

 

フロントウィングのデザイン

フロントウィングは、高さが100mmまで上げられ路面との間で発生するグランドエフェクト効果が減少します。

一番の前のウィングセクションは100mmの高さを維持したい、でもノーズ下の部分は空気を多く通過させてフロアに導きたい。

 

ハースVF-22ではその解決方法が提示されています。

ハースVF22の一番前の黒いウィングをよ~く見ると、先端が上がっている事に気づきます。

下手くそな図ですが、こんな感じです。

路面側に空気を多く導く為の解決方法だと思われます。

 

その曲率はノーズ付近、車体中心線に近いほど強くなっています。

これにより、ノーズ付近を流れる空気をフロアへ多く導く事が出来そうです。

まとめ

ハースVF-22の初期デザインと思われる画像は、レギュレーションを解釈する上で重要な解決方法がちりばめられています。

このレンダリング画像は、本番仕様に限りなく近いものである事が、今回の考察でわかると思います。

 

ポイントを押さえておけば、他のチームのマシンが何故そういうデザインなのかが今後わかってきます。

 

※追記2022.3.11:素晴らしい多様性を生み出したデザイナー達でありました。