2021年第6戦アゼルバイジャンGPが行われたバクー市街地サーキット、2.2kmに及ぶ全開区間がある。

しかし、モンツァのように、本気のロードラッグウィングには出来ない。曲がりくねったセクター2区間があり、ある程度のダウンフォースが必要になる。

レッドブルは、2020年から使っているスプーン型リアウィングの進化版を持ち込んだ。

本戦では使われなかったが、今迄に見たことの無いデザインだった。

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レッドブル新型ロードラッグリアウィング

エンドプレート側のメインプレートを持ち上げる形は変わっていないが、フラップも低くなっている。

モンツァ用のテストだったのか?はたまた、期待した効果が無かったのかわからないが、凄く面白いデザインだと思う。

 

上のウィングが、予選と決勝で使われたもの、エンドプレートのスリットや細かいストレーキが無いロードラッグ仕様。

スプーン型リアウィングとは?

実際はスプーン型とは言えない形状となっているが、中心部が厚く、エンドプレート側が薄くなるこのウィングの形は、2015年にメルセデスが使い始めたソリューションです。

中心部が厚いのに何処がロードラックなのかというと。

真正面から見ると、ウィング中心部分はインダクションポッドに遮られ、フレッシュエアーが当たりにくくなっている。

レッドブルのインダクションポッドは、高い位置にラジエーターがあり、太さを保ったままリアウィング近くまで伸びる、ホイールベースも短いため、空気が当たるという面においては、ウィング効率が悪いのです。

加えてヘイローによって空気が乱されているため、中心部はある程度厚くしても、ドラッグはあまり増加しない。

 

真っ直ぐストレートを走っている時は、青矢印のような空気の当たり方多くなり、コーナリング中の進行方向は常に斜めで、角度がついている状態のため、緑矢印のように空気が当たる事が多くなる。

リアウィング中心部はコーナリング中において、フレッシュエアーが当たりやすくなり、ダウンフォースが得られると言う仕組みです。

 

ニューウェイ氏は、常にリアウィングはシンプルでドラッグの少ないものを使用していました。ホンダと組んだ2019年より変則的な形状が多くなり、2020年からは標準化されています。

他のチームが導入しない理由は、開発費用に対して得られる効果が僅かだと言う事、ホイールベースやインダクションポッドの違いなど、多々理由があるでしょう。