2022年F1第4戦エミリヤ・ロマーニャGPはイタリアのイモラで開催され、F1チームの地元と言うべきEU圏内に戻ってきました。
ファクトリーからの近さ、運搬の手軽さや費用が少なくて済み、多くのアップデートに期待できる状況となります。
レッドブルとアルファタウリは、ここでかなり大きなアップデートを施しました。
どんなものだったのか確認しておきましょう。
レッドブルRB18:ビィブ&フロア
極太丸型だったレッドブルのビィブ(bib)は、フェラーリやアストンマーチンに習い、ボルテックスジェネレーターが付いて少し細くなっています。
小型のウィングであり、その後方には渦流を発生させてトンネルフロアの流れを安定化させます。
これ自体でも正圧をつくりダウンフォースを発生、フロント寄りのダウンフォースが作られます。
フロアは2本のバーで吊り下げるタイプへ変更、負圧で曲がりやすいフロアサイドの軽量化が出来ます。
これらを含めて約5kgの軽量化を達成、何よりも重要な事はリア寄りの重量が減った事にあります。
リアの軽量化、フロントダウンフォースの増加、2つが組み合わさり全体的なバランスが前へ移動します。
アンダー傾向が少し緩和された事で、ターンインスピードの増加やタイヤへの均一な荷重が達成されているはずです。
デグラデーションの良さで勝ったイモラの結果がそれを証明しています。
アルファタウリAT03:フロントブレーキダクト&フロアフェンス&フロアサイド
アルファタウリは大掛かりなアップデートを投入しています。
フロントブレーキダクトは容量をアップ、中団で戦うには乱流の影響を考え冷却系を少し増やさなければならない。
今まではブレーキでも苦労していたって事ですね。
フロアフェンスは大型化(画像加工でアームを除去)、真ん中のトンネルフロア行きを1番とするなら、2,3番が大きくなりフロアサイドへ導く空気量をアップさせています。
これによりフロント寄りダウンフォースが増加すると共に、トンネル方向への負圧量も増えます。
フロアサイドは、下面のトンネルを広げています。
そして、ディフューザーへ導く2次エアーチャンネルを作っています。
ディフューザー機能を高める共に、ボルテックスの発生を促し安定化を図っています。
まとめ
雨模様の金曜日では、見えなかったアップデートの効果。
スプリントやレースでは、これらが機能している事が良くわかった内容でした。
レッドブルの1,2フィニッシュ、角田の快走、ハミルトンを完璧に抑え込んだガスリー。
アルファタウリはやっと標準的な装備を手に入れた、そんな感じのアップデート内容です。
これらを生かしたセッティングや小型アップデートの積み重ねで、中団のトップ争いに期待したい。
レッドブルは、後5kgの軽量化が必要となっています。
フェラーリのパッケージには、まだあと一歩足りないと思う。
ドラッグを増やさずに、あとどれだけのダウンフォースをアップ出来るかがポイントです。
軽量化でバランスとるのに1戦くらいかかるかと思ってましたが、いきなり上手く行くんですね~
キッチリと計算しつくしてる?それとも半分くらいはたまたま?
レッドブルはシミュレートできています。
アルファタウリはたまたまでしょう。
…む、無慈悲なお言葉w(同意します)
F1マシンの軽量化ダイエットは大変な事ですね。
さらに5kg減のハードルは高いものなのでしょうか?
F1マシンに限らず軽量化する手法は、肉抜きや板厚みを薄くすると言った事しか思いつきません。
重箱の隅っこを突く?乾いた雑巾を絞る?と言った感じでしょうか?
メルセデスも5kg軽量化できたらしい、これ以上は本当に重い強度が必要なところの為、難しいと言っています。
今はバジェットキャップが厳しいので、素材の置換などはできないですね。
昔はやりたい放題でしたけど…
今シーズンから使っている18インチホイールは、BBS製マグネシウム材の鍛造ホイールで統一されていますが、カーボンファイバー材質のホイールに置き換えられるとバネ下重量軽減化になるので良いかと思うのですがレギュレーションで使えないのが残念です。
未来の電動カーF1になれば採用されるかも知れない?
2輪のモーターサイクルでは使われた事があると思うのですが?
“おめでとう Congratulations Red Bull’s Max Verstappen and Checo Perez.”
まず、YUKI 選手のレースは良い感じの経緯と結果であったと思います。
さて、Imola-GP の経緯と結果からも、RB18 の軽量化を主とするアップデートは 効果的であった印象でした。ただし、考察ではなく感覚的ですが、現段階、Ferrari F1-75 に比較して、RB18の元々の空力デザインorシェイプは、特に高速系トラック特性 (コーナーのアールが比較的緩やか) にて速さに優位性があるような印象もあります。また、レースカーの総合的な速さは、チームのセットアップ力含めたオールパッケージング力ですが、RB18 Max & Checo選手 や AT03のYUKI選手のパス・シーンではターン2の手前迄にパスを終えていた印象のため (他チームはターン2内まで要していた)、現在、4マニファクチュアラー の I.C.Engine パワーのギャップは僅差といわれますが、+E10フューエル対応においても Honda-RC as RBPT のI.C.Eパワーにはいくらか優位性を持つような印象も私的にはあります。このため、他のトラック特性でも、今シーズン・ライバル F1-75 & Leclerc 選手 に対する RB18 & Verstappen 選手の競争性に引き続き注目です。
“がんばれ! Go for it! Red Bull, Alpha Tauri and Honda-RC as RBPT.”
パワー差や総エネルギー差は、ほとんど無いです。
ドラッグがレッドブルより多いフェラーリは、トラクションゾーンで一気に開放してストレートエンドカット。
対してレッドブルはストレートエンドまで息の長いエネルギーマネージメントです。
ドラッグとダウンフォース差によって、使うポイントが違うだけといった感じです。