今シーズンのF1は7戦が終わりましたが、残り15戦もあります。
世界的な市況環境の変化によって、あらゆるものが値上がりし、F1チーム予算に打撃を与えています。
強烈なインフレ率上昇の為、6チームがFIAに対して予算上限の引き上げを要求している事態となっています。
フェラーリ対レッドブルと言う新しい図式で盛り上がっているF1ですが、予算との戦いがチームにとって一番の難敵かもしれません。
フェラーリ対レッドブルとサーキットデータ
R | GP | サーキット | 1周(km) | Laps | 全開率(距離) | Q平均速度 | 予選 | 決勝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | BNR | バーレーン | 5.412 | 57 | 78 | 215.1 | ルクレール | ルクレール |
2 | SAU | ジェッダ市街地 | 6.174 | 50 | 80 | 252.0 | ペレス | フェルスタッペン |
3 | AUS | アルバート・パーク | 5.303 | 58 | 81 | 244.0 | ルクレール | ルクレール |
4 | ITA | イモラ | 4.909 | 63 | 71 | 224.2 | フェルスタッペン | フェルスタッペン |
5 | USA | マイアミ | 5.410 | 57 | 72 | 219.4 | ルクレール | フェルスタッペン |
6 | ESP | バルセロナ | 4.655 | 66 | 73 | 212.8 | ルクレール | フェルスタッペン |
7 | MCO | モンテカルロ市街地 | 3.337 | 78 | 50 | 168.3 | ルクレール | ペレス |
フェラーリとレッドブルの予選と決勝結果が真逆の事態に!
予選は7戦中5戦でポールポジションを取っているルクレール、フェラーリF1-75の力を最大限引き出して走る事が出来ている。
せっかく速さがあるのに、トラブルとピット戦略ミスでスペインとモナコを落としてしまった。
レッドブルは予選で前を取れない、フェラーリよりも低中速コーナーのターンイン速度が遅い事が最大の泣き所。
高速コーナーやストレートは空力効率の良さで上回る。
2強のアップデートは、スペインあたりで第2段階まで到達した感がある。
ここからはチーム力の戦いが焦点になってきます。
フェラーリに求められるのは、臨機応変なチームの戦略なのだけど簡単に出来る事では無い。
前を走るドライバーに集中していれば問題無いはず、モナコではルクレールを勝たせる事だけに集中していれば絶対に勝てたと思う。
レッドブルはとにかく仕掛けが上手い、それを実行できるドライバーが二人もいる事が強み。
チームとして迷い無く作戦を実行してくる。
この2強は、マシンコンセプトの違い、チームカラーの違いがはっきりしていて本当に面白い取り合わせ。
チャンピオンシップはまだまだわからない・・・と言いたいところです。
予算制限との戦い
2022年の予算制限は1億4,000万ドルです。
AMuSによれば、通常のシーズンであれば前年の開発からの移行や見直しで3,000万ドル節約できる。
今年は全てが完全新規の為、これができていません。
インフレ率はコロナ禍で2.9%だったものが、戦争などによって6.1%まで上がっています。
6つのチームがインフレ・サーチャージを要求しています。これに反対しているチームは、アルピーヌ、アルファロメオ、ウィリアムズです。
トップチームは、800~900万ドルの予算増加を期待しているらしい。
予算制限=人件費+製造費だと思っていたのですが、貨物や電気も入る事がわかりました。
- 予算制限=人件費+貨物+開発製造費(電気・資材・風洞など)+?
競技会の内部計算によると、多くのチームはすでに限界に近づいています。
したがって、予算の上限を十分に活用している人にとって、カナダGP以降の新しいパーツはもうないはずです。
モンツァ専用ウィングとかが用意出来ない!?
アルファロメオのバスール氏は、「風洞をオフにするだけ、コスト制限を10%下回っています。」と語り。
レッドブルのホーナー氏は、救済が無ければ最後の4レース、7チームが出場出来ないと警告している。
引用元:https://www.auto-motor-und-sport.de/formel-1/streit-budget-deckel-zuschlag-inflation-2022/
まとめ
予算上限を使いきれるのはトップ3チームだけって話が、6チームにも及ぶなんて完全新車の開発費って尋常じゃないですね。
特にF1では、私たちが知らない希少性の高い資材が多い訳で、想像も出来ないコストアップが今起きています。
マシンを壊せばチーム予算に打撃を与える事になり、ドライバーはミスによるクラッシュを避けたり、接触しないバトルが必要になってくる。
ここぞって時に、あと一歩攻められない事態が今後多くなってくると思います。
元々予算が無いチームは、ここぞとばかりに反対姿勢で上位チームの力を削ごうと必死です。
アルファロメオのバスール氏は、風洞止めればいいよとかなり強気。
ハースのシュタイナー氏は、予算上限は関係ない!うちは予算が無いんだ!と得意のブラックジョーク。
さぁさぁどうなるのか、F1界は今年も色々な事が起こりますよ。
シューマッハによる定期的なクラッシュが続けばハースもそのうち賛成側になるような気がします
貨物を制限外にするみたいな解決策はないのでしょうかね?
あとはマシン開発に関係ないスタッフの賃金も制限外にしてあげてほしい…
メルセデスはゼロポッドをやめようにもやめられないって話ですかね。
なので来年もトップに返り咲くのは厳しいと。
そうです。
可能性は数%ありますけど、今の2強が更に強くなる事を考慮すると、メルセデスは来年も3位です。
チョットひと休みひと休み
昨年マックスが、レッドブル新加入のペレスから援護アシストを受けながらメルセデスのハミルトンを破ってドライバータイトルを獲得した様に、
ルクレールも、サインツからのサポート無くしてドライバータイトルは取れないのは言うまでも有りません。
レッドブルは、嬉しい悩みでも有りますがチームオーダーを行使する場面が更に増えてくると思います。
フェラーリは、ルクレール重視でサインツにサポート役割徹する体制の必要性が?
メルセデスは、マシンの問題点以上にハミルトンからラッセルに体制移行も重要課題?
予算においては、ドライバーの報酬額ギャラにも影響して来ますね。
予算制限にドライバーや家族にかかる費用は含まれません。
チームの高給上位3名も含まれません。
元々予算が足りないチームには関係ありますけど・・。
チームの従業員+輸送コスト+開発製造に関わるコスト、などになります。
予算制限で充分なマシン開発が出来ない!
となるとレッドブルからホンダへ不明瞭なお金の流れが…!なんて事はないかなぁw
(MGU−K等は9月までアップデート出来ると聞いた気がしたので)
PUの予算除外部分
・パワーユニット供給境界内の商品およびサービスのすべてのコスト。
・通年の報告期間において、スポーツ規則に定められた該当する最高価格(1,500万ユーロ)に等しい金額まで。
金属だとリチウム系アルミ合金とかインコネルとかでしょうかねぇ。
あとは3Dプリンタで使う公開されていない素材とか?
インコネルは切削が難しい素材なのですが、3Dプリンタでも使えます。
毎回気になるのが、その予算を何処から調達してるの?です。
1.4億ドルもの巨費をスポンサーだけで賄えるのかも知れませんが、大々的に物販をしてるのも、フェラーリ、マクラーレン位でしょうし、市場から調達するにも、長期だと限界ですよね。
毎回不思議に思っています。
予算制限は、チーム総予算の一部にすぎません。
トップチームの総予算は400億円を超えます。
F1チームにスポンサードする事は、メディア露出はもちろんですが一種のステータスにもなります。
VIPルームに入れば全世界で有数の投資家、資産家、著名人と知り合う事も出来ます。
単純な投資だけで無く、更なる商売に繋がっていく場でもある。
物販なんて一番儲からない商売です。単純な売買だけが商売ではありません。
世界を動かしているのは、各国政府ではなく投資家や資産家です。
とりあえずこの記事をブラウザ翻訳で読んでみては?
https://f1chronicle.com/do-f1-teams-make-money/
Jinさん。
ありがとうございます。
研究開発+広告だったら、安いかもしれませんね。
ペトロナス(単体?)で42Mユーロ、60億円(合ってるかな?)
でも、日常の感覚がついてこない…