今年の注目ポイントであるルノーエンジン搭載3チーム、レッドブル、マクラーレン、ルノーの対決が早くも実現したオーストラリアGPは見どころ満載でした。
特にVSCを利用して5位に上がったアロンソはSC明けの32周目から58周目まで、後続フェルスタッペン、ヒュルケンベルグを延々抑えきる事に成功し5位フィニッシュしている。
抜きにくいコースの特性もあった事は事実だけど、マクラーレンはとりあえず中団グループで戦えるマシンをこの開幕戦に用意できている。
アロンソはゴール後無線で
「みんな、よくやった。誇りだよ。長い冬だったね。これまで長いシーズンだった。でもようやく戦える。僕らは戦えるんだよ」
とチームクルーにメッセージを送った。
予選における3チームのタイムと各速度
Q1 | ドライバー | SPD T | S1 | S2 | S3 | タイム | ギャップ | T |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1-1 | M.フェルスタッペン | 306 | 27.823 | 22.702 | 32.958 | 1:23.483 | US | |
278 | 288 | 295 | ||||||
1-2 | C.サインツ | 305 | 27.587 | 22.782 | 33.159 | 1:23.529 | 0.046 | US |
277 | 291 | 296 | ||||||
1-2 | F.アロンソ | 308 | 27.581 | 22.700 | 33.316 | 1:23.597 | 0.114 | US |
277 | 291 | 294 | ||||||
Q2 | ドライバー | SPD T | S1 | S2 | S3 | タイム | ギャップ | T |
2-1 | M.フェルスタッペン | 312 | 27.375 | 22.351 | 32.690 | 1:22.416 | SS | |
281 | 290 | 298 | ||||||
2-2 | C.サインツ | 310 | 27.395 | 22.694 | 32.972 | 1:23.061 | 0.645 | US |
280 | 290 | 297 | ||||||
2-2 | F.アロンソ | 309 | 28.021 | 22.749 | 33.206 | 1:23.692 | 1.276 | US |
277 | 286 | 298 |
レッドブルはQ1,2共に1アタックで終わらせている。Q2ではSSでこのタイムだから、比較するまでもなく速い。
ルノーはサインツがQ2でしっかりタイムアップ出来ているのに対し、アロンソはQ2のラストアタックのセクター1で何らかのミスをしているのか、Q1タイムを更新できずにいる。
SSとUSでのタイム差はバルセロナ基準で約0.6秒あるので、少なくともレッドブルはルノーに1秒、マクラーレンには1.5秒の差をつけている。
レースでの状況
レッドブルは2台とも、実力以下のマシンに抑えられタイムが参考にならない。VSC後もアロンソに抑えられたフェルスタッペン、ヒュルケンベルグも本来のスピードではなかった。
スタートからピットストップまで
フェルスタッペンはスタートでマグヌッセンに抜かれて5位、ペースの遅いハースに苛立ったのかlap10のターン2でスピン、ヒュルケンベルグの後ろ8位まで下がっている。
リカルドはグロージャンを抜けずに6位、レッドブルは共にハースに頭を抑えられる前半戦だった。
この時ルノー勢がずらりと並んでいたのですがLap20終了時点でのタイム差は以下です。
リカルドに離されているヒュルケンベルグ、スピンしたフェルスタッペンはタイヤへのダメージなのかヒュルケンベルグに迫れない。
フェルスタッペンに離されているサインツ、サインツに肉薄するアロンソ。サインツはこの時すでにドリンクポンプが故障してお腹タプタプ状態だったのかな?
この時点のベストラップはアロンソです。
SC明けからレース終了まで
32周目から再開されたレースでは、リカルドに離され続けるアロンソ、アロンソに抑えられるフェルスタッペン以下で順位の変動はなかった。
しかしアロンソとフェルスタッペンのバトルは終始見ごたえあるものだった。恐いもの知らずのフェルスタッペンだけどアロンソの巧みなドライビングの前では成すすべ無し。
TOP10に6台入ったルノー勢
リカルドはライコネンに終始抑えられているが、一旦離れてクリーンエアで最速ラップを叩き出している。
アロンソは結局リカルドに26周で20秒差つけられている。
まとめ
このアロンソの結果はハースが2台とも不運なリタイアでいなくなってしまい得られたもの。
もし2台ともに生き残っていたなら、ヒュルケンベルグの後ろで9位ぐらいだったのだろう。
ただマクラーレンはルノーエンジンになった事と攻めたマシン開発により、お世辞にも速いとは言えないけれど中団チームで戦えるマシンになった事は確かです。
でも今後もレッドブルには追いつく事は不可能だと思う。
現状予測では予選結果などからも、[レッドブル]-1秒-[ルノー]-0.5秒-[マクラーレン]ぐらいの差はある。
あと20戦の中でルノー対マクラーレンがどのように変化していくか注目していこうと思う。
できればトロロッソホンダもここに加わってほしいけど、まだまだ先だなぁ・・。
MCLの好成績は管理人さんの意見に同感です。F1界隈では、その原因を作ったハースの疑惑で盛り上がっています。MCLのコメントが次々に記事になっていますが、今シーズンのMCLのターゲットはハースになるのでしょうか?サーキット外でも、レースをしてますね。昔のマクラーレンは何処にいったのか、寂しいですね。
ハースに関しては、色々言われていますけど1年捨ててフェラーリから購入できるパーツを理解し
一つのマシンとして仕上げた実情は避難されるものではないでしょう。
過去何十年にもわたり前年活躍したマシンをコピーする事は、ごく当たり前な行為。
ハースはそれを自前では無く、70%ものパーツをフェラーリから購入している事が問題であって、パーツの供給はFIAが合法だと言ったら合法ですからね。
マクラーレンもルノーもハースを捉えるには相当な努力が必要ですね。
前半戦はハースを中心に4番手争いが激化しそうで面白い。
残念だけどマクラーレンはもうレーシングチームでは無くなっていた。上の顔色伺っている会社みたいだ。
本当にこのルノーPU勢の3チームに絡んでいけるようなパフォーマンスを、トロ・ロッソ&ホンダには(徐々にでいいので、今年度中に)発揮して欲しいですね。
今のF1は出来れば車体を(昔の様に)もう少し軽くして、その上でスーパーGTの様に上位チームにウェイトハンデを与える事で、下位チームにもチャンスが巡って来る様にすると面白いと思うのですが…。
GTのウェイトハンデ良いですよね。あの発想は好きですが国際格式レースでは難しい。
来年からドライバー体重を80kg固定にして、満たないドライバーのシート下にバラストを積む事になっています。
PU交換ペナはそこに更にバラストを+する事にしたらグリッドペナよりいいかもしれませんね。
マクラーレンはPU変更した事とルノーが力を入れてきた事により、ルノーより少し前の5番手ポジションから、はっきりルノーに差をつけられた6番手に落ちた。というのが客観的な見方に私は思います。
とは言え、ブーリエは序盤のうちにルノーに近づく事に自信を持っているような発言をしてますし、マクラーレンの昨季の開発実績を考えれば規模の小さいハースとの差も縮められるでしょうから、また後半には4番手を目指せるポジションに返り咲く事も可能ではないかと。
問題はやはり信頼性の部分で、ルノーと同等のマイレージが達成できるのかという懸念と、PUアップデートのタイミングで去年のトロ・ロッソのように信頼性が下がる事が起きないかどうか。PUへの適応(とアロンソの忍耐)はシーズンを通して課題になってくると思います。