https://www.auto-motor-und-sport.de/

フランスで導入されたホンダのスペック3はまだまだ試験運用段階と言えるものだった。オーストリアでは最大限のパワーをレースで使い見事な優勝、イギリスではドラッグの少ない空力と相まって最高速度でメルセデスと同等な力を見せている。

この2戦はどちらも全開率や平均速度が高いサーキットでありながら、トータルパッケージで戦う姿を見ることが出来ている。

Sponsored link

R10イギリスGP後パワーユニット使用状況

No Car Driver ICE TC MGU-H MGU-K ES CE
44 Mercedes L.Hamilton 2 2 2 2 1 1
77 Mercedes V.Bottas 2 2 2 2 1 1
05 Ferrari S.Vettel 2 2 2 2 1 2
16 Ferrari C.Leclerc 2 2 2 1 1 2
33 RBR Honda M.Verstappen 3 3 3 2 2 2
10 RBR Honda P.Gasly 3 3 3 2 2 2
03 Renault D.Ricciardo 3 3 3 2 2 2
27 Renault N.Hulkenberg 5 4 4 3 2 3
08 Haas Ferrari R.Grosjean 2 2 2 1 2 2
20 Haas Ferrari K.Magnussen 2 2 2 1 2 3
55 McLaren Renault C.Sainz 4 4 4 3 3 3
04 McLaren Renault L.Norris 3 3 2 2 2 2
11 Racing Point Mercedes S.Perez 2 2 2 2 1 1
18 Racing Point Mercedes L.Stroll 3 3 3 2 1 1
07 Alfa Romeo Ferrari K.Raikkonen 2 2 2 1 2 2
99 Alfa Romeo Ferrari A.Giovinazzi 2 2 2 1 2 3
26 Toro Rosso Honda D.Kvyat 4 4 4 3 3 3
23 Toro Rosso Honda A.Albon 5 4 4 4 2 2
63 Williams Mercedes G.Russel 2 2 2 2 3 3
88 Williams Mercedes R.Kubica 2 2 2 2 1 1

※基数規定ICE(3),TC(3),MGU-H(3),MGU-K(2),ES(2),CE(2)

9戦目での各車交換理由

  • アルボン:P1開始時にICE,TC,MGU-H,MGU-K(スペック3)
  • サインツ:P1開始時にICE,TC,MGU-H,MGU-K,ES,CE(新スペック)
  • ボッタス:P1開始時にMGU-K(2基目)
  • アルボン:P3開始時にICE,TC,MGU-H,MGU-K(TC,MGU-Hをストック)
  • ヒュルケンベルグ:P3開始時にICE(5基目)

10戦目での各車交換理由

  • ハミルトン:P1開始時にMGU-K(2基目)
  • ベッテル:P1開始時にMGU-K(2基目)
  • ぺレス:P1開始時にMGU-K(2基目)
  • ラッセル:P1開始時にMGU-K(2基目)
  • クビサ:P1開始時にMGU-K(2基目)
  • ノリス:P3開始時にICE,TC(新スペック)

まとめ

ホンダとルノーがやはりと言うべきか一番基数を使っている。ホンダの場合は多少のパワーアップや効率アップのために進化させていっている。ICEトラブルは原因不明が確か2回ほどで、各セッションのインターバル中に発見している、それもトロロッソだけに起こっている事から、トロロッソがテスト的役割を担っている事を意味するかもしれない。

ルノーも同様に進化させているが、エンジンの根本的な部分コンロッドのデザイン欠陥によるトラブルが目立った序盤。ようやく全ドライバーにそれを克服したICEが行きわたったところだろう。出力制限もしていたようなので、今後に期待したいが毎年大きなスペックアップを1回しか出来ていないので・・。

ホンダPUのラグについて私的考察

ホンダのスペック3はセッティング面の煮詰めが進んでおり、オーストリアでの優勝を手繰り寄せた。ただイギリスの予選において低速コーナー立ち上がりでラグが発生している。レッドブルのトラクション性能が増した事に対するマッピングが不十分だったのである。

アクセル操作に対するトルク要求マップと路面に伝えたいトルクのズレと言えばわかりやすいかな、なぜこのような事が起こるのか?

アクセル操作が99%以下の時にエンジントルクを使いMGU-Kで発電している事(エクストラハーベスト)と、ギアや回転数に合わせMGU-Hで強制的にブースト圧を発生させるEブーストのタイミングのズレがあったと思われる。

 

例えば、[アクセル開度50%⇒エンジントルク60%-Kの回生トルク10%=トルク要求50%]となるような感じ。

KからESへはラップあたり2MJ言う規則があり、それ以上のデプロイはHへ直接送る、Hは一瞬回転するがその回転力を一瞬で回生してESへ送る、これを断続的に繰り返している。この時Eブーストは発生するがかなり少ない。おそらくこれがラグの正体だと私的に思っている事です。

 

エンジンやERSの制御はすべてマッピングされていなければならない、可変的なものになればそれはトラクションコントロールに該当して規定違反となるからです。予選モードと決勝モードのマッピングが違う事から、決勝では問題にならないと発言している。

何にしてもフェルスタッペンは常にクリッピング(デプロイ切れ)を訴えている事が多い、それだけアクセルのトルク要求が多いという事は、車を速く前に進める事ができるドライバーだからです。

このドライバーの要求に応える事ができるPUを完成させれば、おのずと一番が見えてくる。デプロイ不足をどう解決させるのかが焦点、ホンダは今最高の環境を手にしていると言える。