アルファタウリは終盤戦に息を吹き返し、アメリカGPから角田が14p、リカルドが6p獲得している。
アブダビの最終戦は角田がQ3進出したがリカルドはQ2敗退だった。
レースではスタートしてすぐに不運に見舞われたリカルド、予選のポジションが全てだったと言ってもいいでしょう。
二人のドライビングの違いを知っておきましょう。
条件を揃える為、Q2ベストタイムの比較です。
※F1 Tempoのテレメトリー表示を使います。
ヤス・マリーナのセクター1比較
セクター1は中速・高速ターンの組み合わせになります。
ターン1は立ち上がりでスロットルオンが遅いリカルドが0.11秒遅れます。
メキシコの特殊なコンディションで光ったリカルドのスムーズドライビングは、ここでは鳴りを潜める。
ヤス・マリーナのセクター2比較
ヘアピンとストレートとシケインとストレートの組み合わせ。
リカルドの方が若干ダウンフォースが少ないセッティング、ヘアピンで遅れるがシケインまでの第1ストレートで少し差を詰める。
シケインではターンインで差が0まで詰めるが、立ち上がりでは遅れ差が0.14秒まで広がる。
第2ストレートは差が変わらない。
ヤス・マリーナのセクター3比較
低速ターン主体のセクター3です。
第2ストレートエンドのターン9では、ターンイン速度が速いリカルドが一旦差を詰めた後に、立ち上がりでスロットルオンが遅れ、ターン12までの全開区間で0.22秒まで差が広がっている。
ターン12でも同じ現象、ターンインで差を0まで詰めるがターン12,13.14でスロットルがワンテンポ遅れている。
ターン15を全開で抜けたところで0.23秒差になっている。
まとめ
今回この二人を比較した理由は、今のマシンに必要なドライビングが明確にわかるからです。
基本的に今のマシンを速く走らせるにはV字ラインが必要不可欠、角田は出来ているがリカルドは出来ていない。
この事はフェルスタッペンとペレスにも言える差です。
なぜV字ラインが必要なのか?
タイヤへかかる力を縦なのか?横なのか?をはっきりさせる事が必要です。
これによりタイヤの負担を軽減し、熱管理を容易にします。
特に全開区間前は立ち上がり重視でスロットルオンを早めなければなりません。
なぜターン平均速度重視がダメになったのか?
一つは18インチホイールタイヤでショルダー変形が減少し設置面積が増加しないため横グリップ力が低下した。
もう一つはマシン重量の増加によって慣性モーメントが増加、立ち上がりのスロットルオンがその分遅れる。
タイヤに優しいドライバー、リカルドとペレス、彼らはマシンへ負担をかけずに走るのが上手です。
スロットル、ブレーキ、ステアリング、どれをとってもスムーズに操作します。
しかしそれが今のマシンには合わず向きを変えるのが遅くなって、スロットルオンが遅れています。
2024年は彼らにとっては正念場になるでしょう。
コースによっては差が出にくこともあるんでしょうが、結局のところ、様々な走らせ方が出来る、引き出しの多いドライバーでないとダメなんですね。
こういったデータは当然RBも把握しているでしょうから、今後、これをどう判断していくか興味深いです。
こういった情報はチームはもっと詳細に把握しているはずなのにドライバー選定の時には使わないのでしょうか?
同じドライビングが出来るドライバーが揃えば楽にセッティング出来ると思うのですが
彼等もやろうとはしている。
だけど実際はできていない微妙な差だと思います。
26年からの新マシンですが、16インチタイヤに変更されホイールベースは短くなり車重も軽くされる予定ですよね。
そうなればリカルドやペレスのドライビングスタイル上の不利は多少は軽減されるんですかね?
それにしても管理人氏が以前に分析したvsノリスとの比較分析記事の時からリカルドは全然変わってませんね。
マクラーレンで身に付いた変なクセは治ったとかいうRBの発言はなんだったのか…
逆の事をいえば、RBのハイレーキによるターンインの素直さによってついた癖でもある。
まさにそれですね。
ホーナーはマクラーレンでついた変な癖と言ってましたが、違いますよね。
何れにしても、自分で気付いて治さなければ先は無いでしょう。
ほーお
Vの字ラインと聞くと、どうしてもタイヤこじって痛めるイメージですが
そうでもないんですねぇ びっくり勉強になりました!
リカ、ペレ両氏も わかっちゃいるけど 本能的に優しくしてしまう~
と言った感じなのでしょうか。
昔のV時ラインは限界までブレーキを遅らせて、一気にハンドルを切って曲がる、という走らせ方でしたが、現在は違います
あくまでも縦と横のグリップの使い方にメリハリをつける、という点が味噌で、斜めにグリップを使わないのでタイヤのグリップを最大限引き出せます
加速は加速、曲がる時は曲がることだけにタイヤを専念させるイメージで、結果的にV時っぽく見えているだけです
この点は現行マシンとの空力特性とも相性がよく、曲がる瞬間にペダル操作がなく姿勢が安定するので、ダウンフォースも最大限使えます
GSRの谷口選手のつべにも解説動画があります
ライン自体はほとんど変わりなく、G的なV字といえばわかるのかな。
13インチ時代にいろんなチームがタイヤの空気圧を下げたがってたのはそういう理由だったんですね。
個人的には空気圧の低いタイヤだと滑り出しが滑らかなのでサーキット走りやすいけどタイム見ると微妙な感じなのでF1ドライバーがそんなことする?って思ってました。
スリックタイヤはショルダーが潰れて設置面積が増えるので空気圧は限界まで低くします。
普通のタイヤなら潰れすぎると噛み合わせが悪くなりグリップは低下します。
ペレス、ポストシーズンテストのコメントで実車のテストがないとドライビングが理解できてないみたいなコメントしてたんで、来年もアップデートが入ったあとは迷走しそうです。
角田君ってアップデート後の適応能力ってどうなんでしょうか?
後半はともかく、中盤戦あたりまでは割とアップデート入れた時に限ってよくアップデートパーツを壊してるイメージがあるので….。
良い方だと思います。
中盤までのマシンはどっちに転ぶかわからない物でしたし、、
若さはやはり武器です。