中国上海インターナショナルサーキットのテレメトリー解析第2弾です。
トップ4チームのマシンは現在どのような状況なのかを確認します。
マクラーレン絶対優位で始まった今シーズンですが、早くも悲観的な差が出ていると感じてます。
対抗馬と有力視していたフェラーリの失速、レッドブルの変わらなさ、意外な速さのメルセデスだけど何かが足りないと感じています。
中国GP予選テレメトリー解析

ターン7から13までを分けて解析します。
このインフィールドセクションはあらゆる要素が詰まっており、マシン解析にはうってつけなセクションです。
上海サーキット:ターン7~10
ターン8のアプローチは、ピアストリが一番早くに減速、次にフェルスタッペンとなっています。
- T8ボトムスピード:PIA 194 – RUS 190 – VER 182 – HAM 182
- T9ボトムスピード:PIA 122 – VER 121 – RUS 115 – HAM 115
- ピアストリに対し、HAM +0.055s RUS +0.112s VER +0.148s
マクラーレンが圧倒的なスピードで左右に切り返して曲がっています。
フェラーリはリアが不安定なターンインマシン、T8ではスロットルを残してトラクションを確保、大変なドライビングを強いられている。
レッドブルはターン8だけで0.1秒失っており、以前から言われている回り込むターンに弱いは改善されていません。
上海サーキット:ターン11~13
ここでもピアストリが一番早く減速開始、それでいてボトムスピードが高いです。
- T11ボトムスピード:PIA 99 – VER 94 – HAM 91 – RUS 90
- T12ボトムスピード:RUS 121 – PIA 117 – VER 117 – HAM 112
- ピアストリに対し、RUS +0.005s HAM +0.100s VER +0.158s
レッドブルはT12.13と回り込むターンで大きく失っている。
フェラーリはT12前にブレーキが必要なようで失速しスロットルが遅い。
メルセデスはT12を高い速度を維持して曲がりフルスロットルは遅いがストレートの速さで挽回している。
まとめ
トップ4チームの全体像はこちらで、ストレート最速はメルセデス、マクラーレンの強さはターンアウト後に速い区間が集中している事にあります。
ERSエネルギーの使い方にもよりますが、このポイントにフルパワーを使う。逆に300km/h超えのストレートエンドは完全にカットしている。
ピアストリはターン7までは抑えて走ってタイムでは負けているが、ターン8から挽回し始めているタイヤの使い方が非常に上手だった。
レッドブルは依然としてストレートエンドまでERSパワーを持続平準化する使い方をしており、一発タイムを出す時のERSマネージメントを見直す必要があるかもしれません。
長いターンに非常に弱く、鋭角的なラインでターンをなるべく短くして走る必要がある。(角田君頼むよ~)
フェラーリは依然としてリアの不安定感があり自由にトラクションを与えられない、ハミルトンとルクレールが天才的なドライブでねじ伏せているようです。
メルセデスはレスダウンフォースセッティングに硬い足回りで空力を安定させており、ここ2戦は無難な結果を収めている。ラッセルの頑張りは称賛に値するだろう。
2日連続テレメトリー解析をしてみましたがどうでしょう?皆さんもできますよ。
是非ともこちらのサイトで https://www.f1-tempo.com/ で確認してみて下さい。
なぜ速いなぜ遅いには必ず理由があるんです。
レッドブルが回り込むターンに弱いって2021年以前も言われていたような…やっぱり骨董品の風洞のせい?
そうかもしれませんね、ターン状態(角度3~5°)の空力が思わしくないのでしょう。
中継でも後半のタイヤ管理がマクラーレンはちょっと別次元でって解説あって、
どうやらタイヤのクーリングに秘密ありみたいな記事も見かけました。
このままで他のチームはかなりつらい戦いが続きそうです。
2戦終わりマクラーレン2連勝と共に
メルセデスPU勢が好調を示していますが
カスタマーのマクラーレンにワークスのメルセデスが追従する展開が今シーズンも続きそうです。
マクラーレンはノリスとビアストリの2トップと言うラインナップに対しメルセデスはハミルトンが抜けてラッセルがチームを引っ張りますがチームメイトで新人ルーキーのアントネッリどれくらいパフォーマンス発揮出来るか?
マクラーレンの2人以外に3人目の優勝者がレッドブル、フェラーリ、メルセデスの
何処から出るか?
中団グループではウィリアムズがトップに立ちそうに思います。
サインツが加入した事でアルボン好走する良い影響与える?
現行レギュレーションが始まった22年以降のフェラーリいつも回頭性の良いマシンでいつも舵角が少なくコーナーを走りに抜けるイメージがありますが、もしフェルスタッペンがフェラーリに乗ったら早そうだなと思ってましたが、たらればの話で恐縮なのですが、もしフェルスタッペンがフェラーリに乗っていたら22年以降のチャンピオンシップは変わっていたと思いますか?
曲がっても踏めなきゃ意味がないんですよね。
フェラーリは踏むと、その名通り跳ね馬なのでマックスはクソだって言うんじゃないですかね。
いままさに暴れ牛ですね。
同じメルセデスPUを使うマクラーレンとメルセデスワークスではPUの運用方法も違うでしょうか?
出来ればウィリアムズやアストンマーチンも含めて解説して頂けると幸いです。
マクラーレンは独自のギアボックスとギアレシオのため、PU+ギアボックスがメルセデス依存なウィリアムズとアストンとはかなり違います。
マクラーレンはギア比が長く、エンジン回転数を抑える傾向にあります。(年間4基で納める、なんなら3基のパーツまである)
よって300までの加速区間にエネルギーを集中させてトップエンドはKカットします。
もう少しデータが揃ったら解説したいと思います。