中国GPはハミルトンの優勝、2位ベッテルで開幕から2人のライバル関係が完全に構築されつつあります。他のドライバーは今のところ全くと言っていいほど2人に絡めません。タイヤの状況が段々と見えてきましたので前回に引き続きラップタイム分析していきます。
ハミルトンとベッテル差は単純に序盤のピット戦略の違いだけでしたので、今回は3、4、5位になったフェルスタッペン、リカルド、ライコネンに焦点を当てていいきます。
中国GP3、4、5位ラップタイム
M. VERSTAPPEN | D. RICCIARDO | K. RAIKKONEN | |||||||||
LAP | TIME | LAP | TIME | LAP | TIME | LAP | TIME | LAP | TIME | LAP | TIME |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14:05:24 | 29 P | 1:44.416 | 1 | 14:05:21 | 29 | 1:38.925 | 1 | 14:05:21 | 29 | 1:38.798 |
2 | 2:21.156 | 30 | 1:56.184 | 2 | 2:19.944 | 30 | 1:38.568 | 2 | 2:20.443 | 30 | 1:38.471 |
3 | 2:24.301 | 31 | 1:36.722 | 3 | 2:23.495 | 31 | 1:39.118 | 3 | 2:23.521 | 31 | 1:38.928 |
4 P | 2:16.147 | 32 | 1:37.431 | 4 P | 2:17.708 | 32 | 1:38.441 | 4 P | 2:17.618 | 32 | 1:39.138 |
5 | 2:55.563 | 33 | 1:37.226 | 5 | 2:49.381 | 33 P | 1:43.845 | 5 | 2:57.431 | 33 | 1:38.591 |
6 | 2:45.806 | 34 | 1:37.592 | 6 | 2:50.155 | 34 | 1:56.212 | 6 | 2:44.490 | 34 | 1:38.528 |
7 | 2:43.310 | 35 | 1:37.448 | 7 | 2:46.761 | 35 | 1:36.813 | 7 | 2:44.668 | 35 | 1:38.493 |
8 | 1:49.316 | 36 | 1:37.214 | 8 | 1:49.127 | 36 | 1:36.791 | 8 | 1:50.529 | 36 | 1:38.527 |
9 | 1:43.070 | 37 | 1:37.913 | 9 | 1:44.463 | 37 | 1:37.052 | 9 | 1:43.077 | 37 | 1:39.143 |
10 | 1:41.540 | 38 | 1:37.598 | 10 | 1:41.735 | 38 | 1:37.572 | 10 | 1:41.492 | 38 | 1:39.215 |
11 | 1:40.405 | 39 | 1:37.334 | 11 | 1:41.882 | 39 | 1:36.847 | 11 | 1:41.210 | 39 P | 1:44.265 |
12 | 1:39.375 | 40 | 1:37.569 | 12 | 1:40.774 | 40 | 1:36.819 | 12 | 1:40.764 | 40 | 1:57.644 |
13 | 1:39.238 | 41 | 1:36.865 | 13 | 1:40.272 | 41 | 1:37.018 | 13 | 1:40.390 | 41 | 1:37.439 |
14 | 1:39.381 | 42 | 1:37.388 | 14 | 1:39.959 | 42 | 1:37.154 | 14 | 1:40.024 | 42 | 1:36.003 |
15 | 1:39.150 | 43 | 1:37.742 | 15 | 1:39.648 | 43 | 1:36.954 | 15 | 1:39.551 | 43 | 1:36.122 |
16 | 1:39.196 | 44 | 1:37.800 | 16 | 1:39.278 | 44 | 1:37.123 | 16 | 1:39.321 | 44 | 1:36.685 |
17 | 1:39.287 | 45 | 1:37.244 | 17 | 1:39.055 | 45 | 1:37.231 | 17 | 1:38.923 | 45 | 1:36.454 |
18 | 1:38.794 | 46 | 1:37.496 | 18 | 1:39.204 | 46 | 1:37.107 | 18 | 1:39.420 | 46 | 1:36.555 |
19 | 1:38.747 | 47 | 1:37.492 | 19 | 1:39.100 | 47 | 1:37.328 | 19 | 1:38.955 | 47 | 1:36.996 |
20 | 1:38.673 | 48 | 1:37.701 | 20 | 1:38.821 | 48 | 1:37.467 | 20 | 1:39.670 | 48 | 1:36.734 |
21 | 1:38.598 | 49 | 1:38.396 | 21 | 1:38.358 | 49 | 1:37.835 | 21 | 1:38.384 | 49 | 1:37.150 |
22 | 1:38.781 | 50 | 1:37.381 | 22 | 1:39.597 | 50 | 1:37.390 | 22 | 1:38.860 | 50 | 1:36.716 |
23 | 1:38.525 | 51 | 1:37.535 | 23 | 1:38.888 | 51 | 1:37.489 | 23 | 1:38.780 | 51 | 1:36.742 |
24 | 1:38.711 | 52 | 1:37.832 | 24 | 1:38.797 | 52 | 1:37.691 | 24 | 1:39.311 | 52 | 1:36.527 |
25 | 1:38.624 | 53 | 1:37.970 | 25 | 1:38.888 | 53 | 1:37.965 | 25 | 1:38.581 | 53 | 1:36.859 |
26 | 1:38.789 | 54 | 1:38.000 | 26 | 1:38.554 | 54 | 1:38.024 | 26 | 1:39.290 | 54 | 1:36.787 |
27 | 1:38.801 | 55 | 1:38.305 | 27 | 1:38.505 | 55 | 1:38.227 | 27 | 1:38.722 | 55 | 1:36.957 |
28 | 1:43.621 | 56 | 1:38.387 | 28 | 1:38.746 | 56 | 1:38.795 | 28 | 1:38.575 | 56 | 1:37.841 |
ラップタイム分析
セーフティーカーが入りレース再開された8周目から、リカルドのペースが上がらかったのは、左フロントタイヤのグレイニングのせいだと思われる。フェルスタッペンが11周目の6コーナーでリカルドをパスした直後の両者のペースは3周にわたり約1秒も違う。その後も0.5秒程度遅く20周目ぐらいにフェルスタッペンと同じペースになっています。
ライコネンは単独で走ればレッドブル勢より約1秒速いペースで走れるはずが、アンダーステアに苦しんでいてリカルドを抜けずに33周目までリカルドの遅いペースに付き合ってしまっている。30周もリカルドの後ろを走ったライコネンのソフトタイヤは乱流の影響で空力が乱れているためかなり傷んでいた模様。リカルドがタイヤ交換でいなくなった頃にはタイヤが完全に終わっていた。
先にタイヤ交換したベッテルは36周目に36秒台で走行しており、ライコネンとのペース差は約2秒弱だった。フェラーリの思惑はハミルトンがピットアウトした時にライコネンが前にいて頭を押さえ、ベッテルにアンダーカットさせるのが理想だけどメルセデスは開幕戦遅いペースのフェルスタッペンに抑えられレースを失っている。わざわざライコネンの後ろに戻るタイミングでのピットインはない。
フェラーリはリカルドに抜かれて抑えられた時点で、ライコネンをどうやって前に戻すかに作戦を替えなければならないはずです。ピットストップロスタイムは約23秒で新しいタイヤとのラップタイム差は2秒以上となるので、たったの10周で取り返せる。こんな単純な算数もできないライコネンの作戦担当は反省するべきでしょう。
少なくともタイヤ交換したベッテルが36周目に2秒ペースアップできているのを確認した時点で37周目には入れるべきところ、2周多い39周目まで引っ張っている点がげせないですね。2周で4秒失っている計算になりますし、最終結果でフェルスタッペンとの差は3秒ですからね、抜けたかどうかはわからないけど。少なくともリカルドだけはピット戦略で楽々前に行けたはずです。
タイヤのデグラデーション
上海でのタイヤのデグラデーションですが、私の予想ではSS20周、S30周、M40周でしたが、結構ドンピシャで正直驚きました。
F1-2017第2戦中国GPのポイントはタイヤ戦略と空力セッティング
スーパーソフト
雨のせいでラバーが失われたコースではデグラデーションが大きく、ハミルトンを追っていたフェルスタッペンのSSタイヤは23周を境にラップタイムが落ち込んでいます。SC中4周での消耗があまりないと考えるとSSは前半17周ぐらいしかもたなかったと考えられます。
SSタイヤでの後半戦のフェルスタッペンとリカルドのタイムを見ると、交換後おおよそ19周目ぐらいからラップタイムが落ち始めています。フェルスタッペンはタイヤを消耗しているラスト6周はリカルドに対して防戦一方になり、乱流の影響もありますが前を走る周回遅れのグロージャンにも追いつけない状況でした。
ソフトタイヤ
Sタイヤの方は、ベッテル・ハミルトンが共に28周ぐらいで交換している。二人のラップタイムを見ると交換直後に約2秒短縮しているし、一番おいしいポイントは25周ぐらいだった模様です。
まとめ
中国GPの行われた上海はピレリの指標でタイヤへの負担度が5段階の4となっており、タイヤにかなり厳しいサーキットでした。その厳しさ通り決勝でのデグラデーションが反映されていました。
とりあえず現時点ではSSタイヤが約20周、Sタイヤが約30周が目安になっていくのかなと思います。
まだ2戦ですが今年のタイヤの鍵を握るのはこのソフトタイヤになっていくと感じています。ペースも速く持続性もかなり高いようです。ハードタイヤは設定があっても使う事は多分ないでしょう。