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2022年のアルファタウリの新車AT03は開幕から大きく足踏みしてしまっている。

同じパワーユニット、同じギアボックスでありながら、レッドブルとは違うトラブルが続出してしまった。

 

昨年は常に中団グループのトップを争っていただけに見劣りする2022シーズンスタートになっています。

総合力がわかると言われるバルセロナのデータで、アルファタウリAT03の実力を解析します。

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アルファタウリのスペインGP予選タイム比較

Q2でのタイムギャップ、トップのフェルスタッペンとレースで中団最上位だったボッタス、実質的なライバルであるオコンとの比較です。

https://www.formula1.com/
Q2 ドライバー S1 S2 S3 タイム Gap(TSU)
1 VER 22.068 29.662 27.489 1:19.219 1.420
290 306 283
GAP 0.194 0.731 0.495
9 BOT 22.198 30.082 27.773 1:20.053 0.586
286 303 287
GAP 0.064 0.311 0.211
12 OCO 22.353 30.389 27.896 1:20.638 0.001
282 302 282
GAP -0.091 0.004 0.088
13 TSU 22.262 30.393 27.984 1:20.639
290 304 283

 

今年のバルセロナは、気温が高く空気が膨張した為、空気密度が低下、空力効果が減少しました。

この為、各チームは限界まで車高を下げる事が出来ており、ある意味CFDや風洞による実験結果に近いフロアの機能を引き出せたと思います。

それでいてQ2敗退は、アルファタウリAT03が他の中団トップマシンから大きく劣っている事がわかります。

アルファタウリのスペインGP決勝タイム比較

予選では不甲斐ない結果だったのですが、決勝では良い感じでレースペースを維持できていました。

今年のマシンは、予選が速いと決勝のレースペースが悪いという図式があります。

ドライバー Gap(TSU)
6 V.ボッタス 39.848
7 E.オコン 24.427
8 Lノリス 16.589
9 F.アロンソ 3.798
10 Y.角田

66周のこの結果は、アルファタウリがその傾向が強い事を表しています。

実質的なライバルであるアルピーヌはもっとその傾向が強いでしょう。

アルファタウリAT03の問題点

https://twitter.com/AlphaTauriF1

アルファタウリの良くない点は、この正面に見える部分に集約されます。

 

フロントウィングは出来るだけ低い位置にしなければなりません、路面と離れすぎている為に負圧量が少なくフロントウィングのグラウンドエフェクト効果が低くなってしまいます。

そして、ダウンフォース不足を補うためにフラップに迎え角を多く付ける事になってしまっています。

 

ドラッグ自体が大きく増えると言う事では無く、フラップによって空気が上がる事とフラップトップの丸い形状によって捻じれが多く発生する為に、サイドポッド付近への空気の流れが乱れます。

ノーズへのウィング取付場所も高い位置にあり、上げたくない空気を更に上昇させてしまっています。

 

このエラーデザインは、トップチームのメルセデスも同様で、フラップトップの曲線部分を強引に削って対処しています。

https://www.formula1.com/

フラップトップを平坦にする事が、今年の空力を攻略する最初のポイントです。

各グループで好成績を収めているマシンは、全てそのようなデザインとなっています。

 

空力はフロントから始まる!

 

フロントウィングのデザインによって、その後ろの空力デザインが決まる。

最良ではない空力がフロントから始まっては、その後ろもまた最良にはならないと言う事です。

 

今年はこの間違いが解ったとしても、もう修正できない現実(新規開発の為予算不足)があります。

まとめ

今年のアルファタウリは、レッドブルから最新のギアボックスを手に入れるため、かなり期待していました。

しかし、太いノーズが発表された時から違和感を感じ、その後の走行で露呈するアンダーステアが強い傾向、トップチームのメルセデスが同様のコンセプトを強引に修正している事などから間違いだと確信しました。

 

折角、角田が2年目なのにこのマシンでは今後も中団トップは夢のまた夢でしょう。

モナコではラップタイムが速いからと言う理由だけでインターに替えさせてポジションダウンする、こういったチームの戦略ミスも多く、足を引っ張ります。

もう今年のアルファタウリがダメな事はわかりきっています。

 

そういった状況ですので、角田が10位入賞などのレースは殊勲賞ものです。

放送ではあまり映る事はないだろうけど、入賞ギリギリを争っているところを応援するのが、今年のアルファタウリとの付き合い方になってしまいます。

物足りないけど、仕方がない現実です。