2021年2月11日、F1ワーキンググループは2022年開幕時点でのエンジン(パワーユニット)の開発を凍結すると発表した。
新しいエンジンレギュレーションを1年前倒し、2025年開幕時点にする事にもなる。2つのエンジン開発が重なる事によるメーカーの負担を減らす意味合いもある開発凍結になります。
FIAとF1は、性能調整であるBoP(balance of performance)を避けたいと考えているとの事です。ただ、パフォーマンス差が2%以内になっている事が目標とされ、今後の話し合いによっては劣っているメーカーに対して、燃料流量の緩和などを考えているようです。
エンジン開発制限(New)
コンポーネント | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
---|---|---|---|---|---|---|
ICE | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | NEW |
TC | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | |
MGU-H | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | |
MGU-K | 1 | 1 | 0 | 0 | ||
CE | 1 | 1 | 0 | 0 | ||
ES | 1 | 1 | 0 | 0 | ||
Fuel/oil | 0 | 1 | 1(E10) | 0 | 0 |
年度内のスペックアップは認められていない、開幕戦に投入したスペックを使い続ける必要がある現在のレギュレーション。2022年からはE10燃料(バイオ成分10%、現行は5.75%)となるため、2022年開幕スペックの開発は必要になる。
過去のV8凍結時代から推測しても信頼性に伴う各パーツの変更は許されるはず、また冷却パーツ・エキゾースト・パイピングなどの補器類に分類される部分は凍結の対象外、パワーユニットの組み立てやベンチテストは必衰となり、完全な個体としての凍結とはならない。
各コースに対するエンジン制御マッピング・ERSマッピングの開発も必要になる。
レッドブルパワートレインの設立
レッドブルは存続の施設を改造して、新たにレッドブルパワートレインを設立する方向のようだ。
ホンダは今年度中の2022年用開発を約束し、レッドブルに引き継ぐ事がほぼ合意に達している。レッドブルは新たにテストベンチなどを備えた施設を用意し、パワーユニットの組み立てやベンチテストを行う。
これにはオーストリアのAVLが全面的に協力する事が決まっています。
ミルトンケインズのホンダの拠点は、主にバッテリー開発とERSシステム制御の開発が行われている。この施設がレッドブルへ引き継がれるかは不明です。
マルコ氏はこれにかかる費用ついて、他メーカーから購入する場合とほぼ一緒か少し超えるぐらいだと発言している。過去に年間5,000万$までなら許容範囲だと語っている事からも、2チーム分の費用がこの額になるのだろう。
2021年から施行されるパワーユニット供給額1,500万ユーロ(約1,800万$)には、追加の基数は含まれておらず、専門エンジニアは5名まで、その他様々なサービス(輸送、テレメトリーなど)も除外されている。
1チーム当たり2,500万$と考えると妥当な予算と言える。
2025年エンジンレギュレーションは?
未だに噂の域をでない2025年のエンジン規定、燃料はカーボンニュートラルの実質0%を目指すため、100%バイオ成分になる事は間違いないでしょう。また、コスト削減と音量の改善などが議題に上がっている。
一般車に見られるダウンサイジングターボ路線に見習って、熱効率の悪いNAに戻る事は無いだろう。
開発費用を抑えるために現行の1,600ccV6ターボエンジンがベースになるのか?ベースになるにしても、MGU-Hの廃止は必要不可欠な要素となるでしょう。
最大ブースト圧制限、可変吸気エアファンネルの廃止、タービン共通化など様々な対策が練られる事が予想されます。下手なグレーゾーンを残さないよう、やるならとことんやってほしいですね。
技術的に見れば後退する事は間違いないが、マイルドハイブリッドを一気にダブルハイブリッドに推し進めた事が、異常な開発資金を必要として、様々なチームが消える結果に至った。
今になって考えれば、F1の創設者と言われるエクレストン氏の予想通りと言ったところでしょうか。
まとめ
コロナウィルス騒動による世界の経済的な悪化、ホンダの撤退に伴い一気に推し進められたエンジン開発凍結、未確認な技術の謎が大好きな私にとって最悪なレギュレーションが施行されてしまう。
思えば開発凍結されたV8時代、20,000rpm目前で半分興味を失ったが、マシン開発自由度はまだ多かったからなんとか楽しめた。
2022年のマシンレギュレーションと組み合わせて考えたら、ニューウェイ先生並みに興味を失いそうだわ。
とりあえず、ホンダの残した遺産が2024年までは走る、そしてレッドブルとアルファタウリの撤退を阻止できた事は良しとしよう。
この開発凍結が承認されなかったらマジで撤退だったんだなぁ~、承認せざるを得ない状況に持ち込めるレッドブルの2チーム体制は脅威だ(笑)
ホンダとしては純粋なOEMとしてPUの製造だけをしてそれ以外のレース前のベンチによるシミュレーションやレース中のモニタリングは新設されるレッドブルパワートレインで行うって感じでしょうか?
予算制限の煽り受けた人材の新しい就職先にもなりますし、新設されるレッドブルパワートレインにどの程度のホンダの人材が出向されるのかが気になりますね。
1つ残念なのは25年以降の新しいPUにもレッドブルからの製造依頼で有償でもこの関係を維持出来ればと淡い期待をしてたのですが、サクラの開発部隊が完全撤収するので、それも無くなったんだと実感しました
まだまだ課題あるとは言え、ひとまず次世代PUになる2025年までの3年間だけでも見通し経ったので本当に良かったです。
ルノーPUカスタマーチームになる事は回避出来た。
どういう形を取ってもレッドブル&アルファタウリ&ホンダが続くのは嬉しい限りです。
出来れば来シーズンから始まる新F1は、次世代PUとのセットで2025年からスタートしてくれたらと贅沢な事を思ったりしました。泣
もうしばらくハイレーキ型マシンの可能性を追及(私は、まだまだ諦めないぞ)見てみたい?
でも心配なのは、マックスが2022年もレッドブルをドライブし続けられるだろうか?
今シーズンの展開次第ですね?
一先ず3年間は…
ですが
逆に今年投入のPU大丈夫だろうなという不安が
使うPUなかったからではなく
このPUで良かったと思ってもらいたいですね~
インディでE85のエンジン供給してるホンダにとっては、100%バイオ燃料の2025年からのレギュレーションはプラスだと思うんだけどな。
勿体な過ぎますね。
ホンダ撤退により今の状況が生れたてとは言え、ホンダの撤退が無くても、カスタマーを失いワークスだけになるルノーが撤退はあったと思います。
ホンダが撤退するからこそルノーはレッドブルとアルファタウリへの供給を前提として撤退しなかったのではないか?
だからこそ、あてがはずれたルノーがアルファロメオやウィリアムズにセールスしてる。
そう感じるのは私だけでしょうか?
ルノー自体がワークスチームで参加した時から、カスタマーチームとの関係に変化が出たのかな?と今でも思っています。
レッドブルやマクラーレンとジョイントしていた時に、
カスタマーチームの方が、ワークスチームを凌いで優勝したりランキング上回ったりしていた事も関係しているか?
ともかくルノー(アルピーヌ)ワークス単独ですが、
やっとリカルドとオコンが表彰台圏内まで引き上げたので、次に目指す目標は中央ど真ん中?
アルピーヌ初優勝、応援期待します。
そうなればルノーカスタマーのチームが新たに出るかも知れない?
ルノーは黙ってるだけでエンジン強制供給になり、3.000万ユーロ入る予定だった。
しかし良いギアボックス(良いリア回り)を持たないルノーでは、その2チームに供給するのは難しいところですなぁ。
ルノーワークス(アルピーヌ)単独で専念出来る環境にありますが、
やはり1つでも多くカスタマーチームいてくれると、走行データも多く取れてPU信頼性、耐久性向上にも役立つメリットがある?
ウィリアムズやアルファロメオがカスタマー有力候補とか言われていましたが、
ウィリアムズも、せっかくのメルセデスPUを簡単に手離すと思えない?アルファロメオもフェラーリPUの性能回復次第?で、ルノーPUに乗り換えるとは考え難い?
でも何が突然起こるか?わからないのがF1なので、
アルピーヌの活躍動向も見守っていきたいと思います。
アロンソのケガ大丈夫かなぁ?
メルセデスは現行型PUの決定版みたいなのを作ってくるのかな。
賛成してくれたルノーにもなんらかの配慮をしてあげてほしい。
ヘタしたら2025のPUメーカーは2社になってしまうかもしれない。
シングルターボでも、メルセデスやホンダが採用してフェラーリ、ルノーも取り入れるだろう?セパレート式のPUに格好良さと魅力を感じる様になったところだったのですが、残念です。
これから参加したい?興味持つ?サプライヤー、メーカーにとってハードルが高過ぎるのがネックなので仕方ない部分ありますね。
次世代PUは、
単純に現行のPUからMGU-Hだけを取り払ったモノになるのかな?
(消音効果が無くなって本来のエキサイト音になりますが)
捨てる排気エネルギーを回収出来なくなるので、燃料の使用量が増えて燃料タンクも大きくなる。
排気量と気筒数はレギュレーションで指定しても、ボア、ストローク、Vバンク角度に設定自由度を与えて欲しいですね?
それでツインターボ復活も?
昔のように設定自由度を与える事はないでしょう。それこそ研究開発費が莫大になってしまいます。
V10がV8になった時は、単純に2気筒分を切り離す事でコスト削減を目指しています。
現参戦メーカーの今までの投資分を回収する目的でエンジン自体はそのままになる可能性は高いです。
FEを撤退するメーカーが多い理由の一つとしてバッテリー開発不可があるので、バッテリーやモーター開発は継続されると思います。
面白くは無いですが、インディなみにがちがちなエンジン規定にならないと本当のコスト削減は望めません。
V10の3000ccから2気筒分600ccを引いて、V8の2400ccにした方法は
上手いな?と当時感心したものでした(Vバンク角90度は同じで)
この延長でいくとV6の1800ccとなるので、現在PUのV6で1600ccとほぼ近い数字になる。
さすがにV4の1200ccはスケールダウンやり過ぎでしょうか?
(エキゾーストパイプの取り回しが楽になって扱い易くなる?)
F1マシンの車体のボリューム大きさから考えても、あまり小さなPUは迫力に欠けてしまうでしょうか?
内燃機関を使い続ける以上、燃料タンクや熱交換器など付属補器類の搭載スペースもあるので、未来のF1に相応しいベストバランスを考えると本当に難しいですね。
ICEは最小コンパクトになって、電動モーターが大型化になるかなぁと想像しています。
ICEから捨てられるエネルギーを回収できなくなって燃料の消費量が多くなるという事は無いと思いますよ。捨てるエネルギーとういうのは基本的にICEの効率の問題ですから。
MGU-Hが無くなったとしてもそれに合わせたタービンブレードになるでしょうから音も劇的には変わらないはずです。
ありがとうございます。
なるほど。
これからもICE本体の燃焼効率アップさせた上で、
MGU-Hが無くなって、
発電させる目的も無くなり本来のターボ働きに戻る。
MGU-Hが無くなればターボとコンプレッサの間隔を開けて長いシャフトでつなぐ必要も無くなりますからね。
メルセデスやホンダが苦労して克服したセパレート式ターボなので
電動ターボ、電動コンプレッサーと言う可能性もあったのですが?
回生エネルギー用のMGU-Kは残して置かないと?
そもそもホンダの撤退理由はカーボンニュートラルではなくレッドブルから
お金を貰えてなかったのではと推測しています。
トロロッソとはワークス契約だがレッドブルとはカスタマー契約になると言われて
いたので内容はともかく少なくとも1チーム分はPU代金を貰えてると思ったのですが
ルノーと時と違ってお金の話が全く出てこないのが気になってました。
仮に2チーム無償であればホンダが続ける事は無理と言うものでしょう。撤退は当然ですね。
知る限り現状ではPUコンストラククターにはリターンが何も無いそうでポイントも発言権も無い単なる提供者でしかない。2025年レギュレーションではPUコンストラククターにも魅力的な物になるとロスブラウンがコメントした記事があったのでそうなればホンダの復帰は無くはないと勝手に思ってます。
コンストラクターとPUサプライヤーとの契約内容って、ハミルトンとメルセデスとの契約も同様で、一切非公開と言う感じに世間ファンが知るよし無しって感じですね?
広報発表やマスコミが仕入れる情報でしか想像すら出来ない?
私はアルファタウリ(前トロロッソ)もレッドブル共に、ホンダのダブルワークスチーム扱いだとばかり思っていました。
(レッドブルとアルファタウリンが同じグループで姉妹チームの関係なので)
PU無償供給する見返りに、レッドブルの商標権使用許可(ユニフォームなどグッズ販売?)とか所属ドライバーによるイベント活動でホンダブランド価値を高めるとか?やっていたと思っていました。
セナがホンダのCM出演していたイメージが強過ぎて?
今の経済状況では、無償参加だけで見返り利益が得られるとは考えられない?
レッドブルは2018→2019年で総予算が減りました。
レッドブルから貰えるお金は極僅かだったと思われます。マシンのホンダロゴを載せる、その他の部分でもホンダをアピールする事が契約に加わる。
約20億はかかるカスタマー使用料-ホンダからのスポンサー料=数億円となってしまっていたと思います。
過去にメルセデスはギアボックスとセットで2,000万ユーロと言われています。
ちなみにメルセデスチームはメルセデスHPPに使用料を払っています。(かなり安いとは思うけど)
メルセデスHPPはF1以外の仕事もこなし単体で黒字ですので。
やはりバーニーがF1を売り渡した時から凋落が始まっていたのがより明確になってきた感じですね。こうなったらもう一度タイヤ戦争を勃発させないとメルセデスばかり勝っているレースでは一般人はだれも見なくなってしまう気がします。
気筒数を減らしてスケールダウン(ダウンサイジング)の逆ですが、
思い出したF1の出来事あります。
ご存知の方おられると思いますが、昔1991年頃でしたがフットワークと言うチーム(前身はアローズ)が搭載したポルシェ製V12のNAエンジンで、超ヘビー級パワーの全く無い最悪の代物でした。
それもその筈で、ターボ時代のV6を2基ドッキングしただけの手抜きエンジンでした。なのでVバンク角度80度のまんま?
過去の名機?を流用したと聞こえは良いのですが、フットワークと言うメインスポンサーの資金をタップリ使うだけ使って、この程度のエンジン?
結局、数レース使用しただけでV8のフォードコスワースDFRのカスタマーエンジンに改装されました。
こんな出来事も過去にあったのですね。