カナダではメルセデスがスペック2エンジンを全車に投入した、P3でストロールがエンジンブローしたが、スパークプラグの不具合によって引き起こされたと断定、フランスより対策品を導入している。
フランスではホンダがスペック3エンジンを投入、主だった改良点はタービンとの事、圧縮空気や排気効率のアップが図られている。
R8フランスGP後パワーユニット使用状況
No | Car | Driver | ICE | TC | MGU-H | MGU-K | ES | CE |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
44 | Mercedes | L.Hamilton | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 |
77 | Mercedes | V.Bottas | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 |
05 | Ferrari | S.Vettel | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 2 |
16 | Ferrari | C.Leclerc | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 2 |
33 | RBR Honda | M.Verstappen | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 |
10 | RBR Honda | P.Gasly | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 |
03 | Renault | D.Ricciardo | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 |
27 | Renault | N.Hulkenberg | 4 | 4 | 4 | 3 | 2 | 3 |
08 | Haas Ferrari | R.Grosjean | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 |
20 | Haas Ferrari | K.Magnussen | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 3 |
55 | McLaren Renault | C.Sainz | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 |
04 | McLaren Renault | L.Norris | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
11 | Racing Point Mercedes | S.Perez | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 |
18 | Racing Point Mercedes | L.Stroll | 3 | 3 | 3 | 2 | 1 | 1 |
07 | Alfa Romeo Ferrari | K.Raikkonen | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 |
99 | Alfa Romeo Ferrari | A.Giovinazzi | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 3 |
26 | Toro Rosso Honda | D.Kvyat | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 |
23 | Toro Rosso Honda | A.Albon | 3 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
63 | Williams Mercedes | G.Russel | 2 | 2 | 2 | 1 | 3 | 3 |
88 | Williams Mercedes | R.Kubica | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 |
※赤字は規定基数到達
7戦目での各車交換理由
- ハミルトン:開始時にICE,TC,MGU-H(新スペック)
- ボッタス:開始時にICE,TC,MGU-H(新スペック)
- ペレス:開始時にICE,TC,MGU-H(新スペック)
- ストロール:開始時にICE,TC,MGU-H(新スペック)
- ラッセル:開始時にICE,TC,MGU-H(新スペック)
- クビサ:開始時にICE,TC,MGU-H(新スペック)
- ベッテル:開始時にTC,MGU-H(新スペック)
- ルクレール:開始時にTC,MGU-H(新スペック)
- フェルスタッペン:開始時にES,CE
- ガスリー:開始時にES,CE
- クビアト:開始時にES,CE
- リカルド:開始時にES
- ヒュルケンベルグ:開始時にES
- ノリス:開始時にES
- ストロール:予選前にMGU-K(P3でエンジンブローしたため)
ストロールのエンジンブローはスパークプラグ不具合が引き起こした。
8戦目での各車交換理由
- フェルスタッペン:開始時にICE,TC,MGU-H(新スペック)
- ガスリー:開始時にICE,TC,MGU-H(新スペック)
- リカルド:開始時にICE,TC,MGU-H(スペック2)
- ストロール:開始時にICE,TC,MGU-H(スペック2)
- クビアト:開始時にICE,TC,MGU-H,MGU-K,ES,CE(新スペック)
- グロージャン:開始時にES
- マグヌッセン:開始時にES
- ライコネン:開始時にES
- ジョビナッツィ:開始時にES
- クビアト:P3開始時にTC,MGU-H(ストック4基目)
- ラッセル:予選前にES,CE(ペナルティ3基目)
まとめ
ホンダは航空工学を用いたIHIとの共同開発の新しいタービンがメインアップデートだと言っているが、ピークパワー値にはあまり変化が無いように感じる。ドラッグが多めのレッドブルは各速度計測地点で下位に沈む、コーナーワークのトラクションが悪くパワーを生かし切れていないので、ホンダの伸びしろが把握できない状態です。
今回はMGU-Hでのデプロイが少し改善されたに過ぎないだろうと言うのが私的な予測です。
燃料を薄くする⇒排気ガスが減る⇒タービンが回らない⇒コンプレッサーやMGU-Hが回らない、っとならないようにするためにタービンの改良は必須です。少ないガス量で回るタービン、コンプレッサーの効率アップで吸気空気量の増加など利点は大きい。
それに合わせてICEの改良も必要になる、スペック4のエンジンは一体どんな事になるのか?
モービルの新燃料と共にガス量の増大など、まだまだやれることはある。
頑張れホンダよ!
そしてパワーを逃がさずに前へ進めるマシン開発をレッドブルは急いでくれぇ~!⇐ここが一番重要
ウエストゲートのパイプを上に持ってきたのはカウルをより小さくしようという狙いがあるようなないような?ウエストゲートのパイプを上にする事によって排気管周りにスペースが増えるのでセンタークーリングの排熱も増やす狙いがあるようなないような?高温のエネルギーの高いエアーをウイング下面に流す狙いがあるようなないような?
牛の前脚の部分が膨らんだのはカウル内部のレイアウトが変わったのではなく、カウルその物がよりコンパクト化され絞りこまれたようなそうでないような?
頑張って透視してみましたが今回前脚の膨らんだ部分ってシリンダーヘッドの場所にしか思えないんですよね。。。エキマニならもっと低い位置でしょうし・・・・。
熱交換率が上がって排気ガスが減るのはタービンホイール形状とハウジングサイイズで対応は可能と思われます。今のPUはモーターによってターボのアシストもできるのでコンプレッサーとタービンの大きさがアンバランスでも何とかなるのではと思います。
いつも楽しく拝見させていただいております。
さて・・・燃料が薄くなると排気ガス量って減るのかな?
同じ回転数で、同じ吸入空気量、同じバルブタイミング(オーバーラップ)なら排気ガス量は同じでは?またMGU-Hが利用できる燃焼ガス温度も燃料が薄くなれば高くなる傾向にある。それが効率的に使えるかは分からない。排気ガス圧に関しては微妙なハナシ。恐らくパワーアップ→加給圧(量)アップで2乗に比例してアップします。
また、単純に吸入空気量をあげても、恐らくシリンダー内では理論空燃比より遥かに薄い燃料で燃焼させているため単純なパワーアップは相当難しいかなーと。燃焼速度も一般のエンジンとは全く違うものを要求されますしね・・・。そういう意味では燃料特性はここからのパワーアップ要素としてはデカそう。今だ燃料の配合とか言ってる状態じゃ暫くは期待薄かな・・・と。
私自身燃焼はあまり得意分野ではないですが、排気ガスが薄くなるという表現が悪いのかなぁっと。
わかりやすいために使っている言葉じりです。
F1では燃料流量規制により回転数10,500rpm以上では常に100kg/hでなくてはならない(燃料を増やせない)ので、空燃比はどんどん高まる。
燃料より空気量の方が圧倒的に多くなります。よって排気に含まれる成分が減少します。
過去にあったホンダエンジニアインタビューでも燃焼をリーンにしていくのが正解かもしれないが、MGU-Hの回生量が減ると語っています。
排気タービンを回す効率(回転数よりトルク面への影響か?)が落ちる事を意味していると思います。
燃料についてはオクタン価が自由に設定できるので、空燃比との兼ね合いにより、どのような設定が正しいのか?など色々な研究が行なわれているでしょう。
パワーについては、エンジンに送れる空気量で決まります。空気を多くすればそれだけ自然発火してしまうノッキングが増えるので、それをどうやって抑え込むのか?
空気を増やせば温度も上昇し・・・・・問題点を上げればきりがありません(笑)
排気ガスの量が減るという表現がイマイチでしたね。
排気ガス中に放出される余剰エネルギーと言うべきでしたね。
熱交換率を上げるというのは混合気が点火され爆発したエネルギーがどれだけ無駄なくピストンを押し下げる事に使えるかということです。それにエネルギーを多く使うと排気ガス中に放出されるエネルギーが減ります。ですからタービンを回す力が減るということです。だからタービンはできるだけエンジンの近くに置いて、エキマニをインシュレーターで覆い、極力高温な状態で導きたいのです。
キレイに燃え切れば温度も圧力も下がりますからね。当然のことですね。
一般的に燃料を薄くすると排気温度が上昇しますが、色々な要素が絡むので一概にそうとは言えないのが僕の経験値としてあります。例えば燃料にトルエンを混ぜるだけで排気温度は変わりますし対ノック性も上がります。
>F1では燃料流量規制により回転数10,500rpm以上では常に100kg/hでなくてはならない
>(燃料を増やせない)ので、空燃比はどんどん高まる。
>燃料より空気量の方が圧倒的に多くなります。
燃料が常に100kg/hであり、希薄燃焼とするほど空気量が単純に増加しますので、排ガス量が増えますね。
>空気を増やせば温度も上昇し・・・
希薄燃焼域の参考文献をネットで探してみると↓
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaeronbun/47/2/47_20164169/_pdf/-char/en
アルファロメオの燃料温度違反があまり注目されていませんが、
燃料補給時に周囲大気温度より10℃以上に下げてはならない規定に
違反して、13℃以上に下げていたことが発覚し罰金を科されています。
https://www.racefans.net/2019/06/28/alfa-romeo-fined-over-fuel-error-on-giovinazzis-car/
燃料の流量は超音波式によって体積を測っています。
https://www.racecar-engineering.com/articles/f1/tech-explained-fuel-flow-meters/
ガソリンの体積膨張率は10℃当たりで1.35%程度と言われているので、燃料を10℃冷却すれば合法的に最大流量を1.35%程度少なく計量出来る(多く使用できる)可能性がありますね。
燃料タンクや燃料配管の断熱性が良い、という条件付きですが。
アルファロメオはその基準を超えた故の罰金なのでしょう。
P2の燃料補給時、気温が想定より上がって対処しきれなかったのかな?
たった3℃ですが違反は違反ですね。
タンクに入ってしまえば問題ないレベルでパフォーマンス上の恩恵がほぼないと思われます。