ロン・デニスからザック・ブラウン体制になったマクラーレンは失速中。名門チームはかつての威厳を取り戻す体制変更のため、様々な人事変更は以前続いている。
昨年、トロロッソからジェームス・キーを引き抜く事に成功(ガーデニング休暇中2020年まで?)しており、大きく様変わりしていきそうなチーム事情である。
新マネージングディレクター:アンドレアス・ザイドル
マクラーレン・レーシングは、F1チームのマネージング・ディレクターとしてアンドレアス・ザイデルの起用を発表した。ザイデルはマクラーレン・レーシングのCEOザク・ブラウンの元、F1レーシング・プログラムの全責任を負う。
WECポルシェの代表として、3年連続ル・マン制覇など輝かしい成績を収めている、BMWザウバー時代にF1にてトラックオペレーション責任者を務めていた。
ポルシェのF1参戦が白紙になった事で、移籍を決めたと思われている。
マクラーレン。このチームなくして私はF1を語る事はできないだろう。マクラーレン・ホンダ・セナと言う強力なタッグは88年~91年にかけて無類の強さを発揮した。
87年から日本人初F1ドライバー中嶋悟の参戦と相まって始まったテレビ放送のおかげで、マールボロカラーの赤白マクラーレンは一気に日本に浸透した。ホンダと提携していた事もあり、名だたる日本企業が提携を申し出ており、今現在も続く協力関係が多数存在する。
6シーズン優勝から遠ざかる
そんなマクラーレンは2013~2018年まで6シーズン優勝できずにいる。タイトルスポンサーだったボーダフォンを失い、メルセデスのワークスチーム化に伴いワークスエンジンを失い、再起をかけたホンダワークスとのパートナーシップも失敗に終わっている。
2018年からはルノーカスタマーとなっているが、同じPUを使うルノーやレッドブルから大きく後れをとっており、素人目で空力パーツだけみても他チームのトレンドから外れているように感じるのである。
安定しない開発体系
比較的レギュレーションが安定していた2009~2013年において、毎年外観を大きく変えてくるマクラーレン。他チームはキーコンセプトで各部を洗練してくるのに対して異常とも言える状況。
フェラーリすらも苦戦して放棄したフロントプルロッドサスペンションを2013年に導入したことで完全に失速、メルセデスPU有利の2014年も同じものを使うウィリアムズに全く歯が立たなかった。
ホンダを迎えた2015~2017年はかなりキーコンセプト貫きマシン状況はそれなりに良かったと思うが、2018年は明らかに失敗作で歪なノーズしかりバージボードやサイドポンツーンあたりの開発は遅れていると感じる。
ジェームス・キー獲得の成功と失敗
マクラーレンはレッドブルとの交渉が確立しない時点で、トロロッソからジェームス・キー引き抜きを発表してしまい。レッドブルが大激怒!金銭的取引などによる早期の移籍が出来なくなってしまっている。
キーは2012年9月よりトロロッソに加入している。前回の契約延長は2017年8月に発表されているが、年数は明らかになっていない、噂では3年契約で2020年9月まではトロロッソに所属となるが、現状働いていなく給与が支払われていない場合はEUの労働基準法などで、この契約は短くなると予想される。
マクラーレン側は2019年にはキーがファクトリーで働き始めると発表しているがどうなるのか依然不透明。
現時点でマシン開発に携われない事で2019年マシンはもちろんの事、2020年マシンにも関与できないだろう。そう考えれば2021年の新技術規則に向けての開発に携わると考えるが妥当な線となる。
フェラーリ以上のお家騒動
成績が良くないと人事をころころ変える事で、フェラーリ名物お家騒動なんて言いますけど、マクラーレンも負けず劣らずこれが最近多い。
特にチームを作り上げ、巨大なグループにした功労者ロン・デニスを更迭してからは、何か一本筋を失ったように迷走しているように感じるのは私だけではないはず。
チーム代表が明確ではない点もどうにも気に食わない。CEOのブラウンが発言したり、〇〇ディレクターが発言したりとよくわからない状況が続く。他のチームは基本的にチーム代表が責任を負い発言や交渉をしているのに対し、マクラーレンは担当分けで責任分けって感じ。
今回のアンドレアス・ザイドル起用もどこまで責任を与えられているのか?はっきり言えば謎、これでまたブラウンも口を挟む状況になれば、迷走も止む無しといったところかな。
まとめ
F1を好きなるきっかけをくれたマクラーレンF1チームは、決して嫌いなれないチームである。是非とも優勝戦線に復帰してもらいたいが、最近マシン開発がどうにも上手じゃない。それを変えるべくして獲得したジェームス・キーだけどまだ働いていない。
彼が全面的に関与したとしても、そこから熟成までは数年かかるはず。2022年頃まではトップ争いに復帰する事は無いのだろう、あと4年以上も低迷するマクラーレンを見続ける事になろうとは非常に残念だ。
新マネージングディレクター:アンドレアス・ザイドルの手腕に大いに期待したいが、本当の敵はマシン開発や他チームではなく、チーム内の権力争いを無くすことじゃないかと思うのです。
思いっ切り私的見解にてマクラーレン事情を語ってみました。
>>ホンダを迎えた2015~2017年はかなりキーコンセプト貫きマシン状況はそれなりに良かったと思うが、2018年は明らかに失敗作で歪なノーズしかりバージボードやサイドポンツーンあたりの開発は遅れていると感じる。
ホンダPU時代、No.1シャシーとは思いませんがシャシーは優秀な部類だったのではと思います。ルノーPUに変え、それを証明すべき昨年に大失敗。ホンダPUの躍進(まだまだメルセデスPU、フェラーリPUには敵いませんがルノーPUとは対等レベル、ピークパワーだけなら上かも)、ホンダからのスポンサーフィーも失う。それを補填ほどのシャシー作り失敗、スポンサーも付かずお家騒動。復活まで時間を要するでしょう。しかしまさかの魔改造シャシー、大幅馬力のルノーUP出現で上位復活もあるかもしれません。歴史的に突如下位チームが翌年トップランナーになりえるとこは少ないですが、ブラウンGP(ホンダ設計)登場時のようにありえる話です。どのチームにも。これもF1の醍醐味ですね。2019年シーズン前テストが楽しみです。
こんにちは
興味深い情報有難うございます
企業は大きくなりすぎると柔軟性が無くなって来ますねえ
マクラーレンは凄い設備を持っているのに活かしきれていないのでしょうか?
来年はレッドブルのコピーになる噂ですが果たしてどうなると思いますか?
トロロッソといい勝負出来るくらいでしょうか?
ロンデニス呼んでくるのが一番手っ取り早い気もするが……
2018年のマクラーレンは5戦目スペインの大きなアップデート以降開発をやめていた。
2019年に向けてリソースを集中させたと思われる。CFD、風洞、実走の相関が取れずに開発の方向性が迷走する事態が収束していればいいが・・。
優秀なエンジニアが多く離脱しているとの噂も絶えません。いい設備があっても使いこなす人員がいなければ意味がありません。
レッドブル型を目指すとなると、高レーキ角による低速域ダウンフォースの獲得が大きな焦点ですが、ドラッグも大きく増えるので、不得意なドラッグ低減とダウンフォースの両立ができるかどうか?リアサスペンションを大きく動かすセッティングもドライビングの難しさを大きくします。
2018年はマクラーレンもトロロッソの後半失速したため、予想は難しいですが、トロロッソには実績あるRBパーツが組み込まれる事とホンダPU専用シャシーとなり戦力アップ。マクラーレンもリソースを今年に大きく振ったはずですが、開発がうまくいくビジョンが見えてこない、そんなところでしょうか。
ロンデニスが戻ってもこの状況を変えることは難しいでしょう。マクラーレングループ自体が大きく変わらないといけない。レースチームはレースチームで一致団結する事がもっとも重要でそれを指揮する人物にかかっている。
詳しい説明有難うございます
自分の仕事にも当てはまる部分があり、うなずかされます
一致団結しないと結果は出ないですよね
一気に変えられる魔法はありませんので・・・・
今はシーズン前テストが楽しみです
ホンダがどんなPUを作ってくれるか楽しみです