2021年のマシンレギュレーションにおいて、最大の関心事はフロアカットになるだろう。フロアには多くのスリットが設けられ、上面から下面に回りこむ空気を相殺し、空気の壁を作り出す事がわかっている。

先ずはどのようにエアロカーテン効果が無くなるのか解析していきましょう。

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フロアスリットエアロカーテン効果

フロア上面の空気は、速い流れで圧力が低い下面に流れこもうとします。(赤矢印)

フロアスリットはその上面から空気を引き込み(オレンジ矢印)、回り込む空気と相殺させるようにしてエアロカーテンを作り出し、フロアと路面を密閉させるような効果を生み出している。

後端は、リアタイヤ内側へ流れる空気を防ぎ、なるべく外側へ導き、ディフューザーに流れ込まないようにしている。

2021年フロアカットレギュレーション

コクピットの背面(CC面)からリアアクスルセンター上中心面から左右650mm地点を繋いだ部分はボディーワーク禁止エリアとなった。

また3.7.1で定義されるフロアは、空気が通過できるスリットも禁止される。

スリットは無くなり回り込む空気を防ぎきれなくなる、後端はリアタイヤ内側に近くなり、ディフューザーに入り込む空気は増加する。更にはディフューザーのストレーキが短くなり、その効果は減少する。

ディフューザーの効果が減少する事で、フロア下面を流れる空気の速さは減少し、グラウンドエフェクト効果が減少、ダウンフォースが低下するという流れになる。

F1のテクニカル部門の試算では、10%のダウンフォースが減少すると言う非常に大きなものです。

まとめ

フロアカットの面積は、後ろ側がリアアクスルに設定されているので、ホイールベースに関係なく全てのチームが等しく影響を受けます。レッドブルなどは独特のハーレーキコンセプトのため、最も影響を受けると言われる事が多いです。

果たして真相はどうなのか?

 

これは明確な答えを見つけられません、トップチームはY250ボルテックスやフロントウィング翼端板で強大なアウトウォッシュを作り出して、更にはバージボードでそれらを増幅しています。

アウトウォッシュを更に強化する必要があるが、エアロパーツは全てドラックとのトレードオフ、最適なバランスを見つけられたマシンが速くなる。早めに来年の開発にリソースを集中していたメルセデスは確実に速いだろうね。

 

タイヤのトレッドが広がる事もわかっており、この影響への対応も見ものです。