2022年よりフロントウィングは後方マシンに与える乱流の影響を避けるために、スムーズなライン描くデザインが多数を占めてきた。
レッドブルもその一員だったのですが、2025年RB21はアップデートされる度に歪なデザインになっていきました。
RB21のフロントウィング
テスト時は本当にオーソドックスでした。
開幕戦ではフェルスタッペンにのみ改良されたノーズ&フロントウィングが導入されています。
最先端ウィングをノーズから離してノーズを扁平化している、ノーズ下面に積極的に負圧を作る仕様です。
フロントサスペンション・ボルテックスジェネレーター
ベルギーGPではフロントサスペンションの付け根にボルテックスジェネレーターが付けられた。
マクラーレンやメルセデスが先行導入しているものの模倣です。
フラップ・ボルテックスジェネレーター
高いダウンフォースが必要になるオランダGPではノーズ脇に小さなボルテックスジェネレーターが付けられた。
最先端ウィングはウィング下面側(路面側)に流す空気量を増やす為にせり上がりが拡大されています。
ハイブリッド型フロントウィング
様々なデザインが施されてきたノーズとフロントウィングですがアゼルバイジャンGPではその集大成ともとれるハイブリッド型に行き着いています。
低ダウンフォース仕様のフラップがトリミングされていないものを使うのが通例ですが、フェルスタッペンにのみ新デザインが導入されていた。
低ダウンフォースの部類に入るバクー、それなのにフラップにボルテックスジェレーターが使われている、フラップ下段のノーズ付け根の曲率が角田車は受け流す方向性なのに、フェルスタッペン車は迎え角が付いている。
最先端ウィングはせり上がりが大きい仕様になっています。
ターンインの強さが必要なバクーでアンダーで曲がらないとの無線も無く、ポール&最速ラップ&優勝している事からもこのフロントウィングは正解なのでしょう。
マクラーレンと比べるとその歪な形状がわかります。
ボルテックスジェネレーターによる効果とは?
2021年までF1マシンはあらゆるところにボルテックスジェネレーターが使われ、ボルテックスモンスターマシンでした。
現行レギュレーションの最終年、空力開発は詰めに詰められており、最終的にボルテックスによる空気の流れの固定化と安定化を実現していると考えられます。(特にマシンに対して流れ全体が斜めになるターン時に安定化)
ボルテックスジェネレーターの目的は主にドラッグの削減です。
大きな回転乱流が出来る前に、小さく強い回転の流れを作る事で乱流を小さくする事が出来ます。
RB21がフラップとフロントサスに使った理由は、ノーズ下面の流れを吸い込み速める為と思われます。
特に流れが遅く停滞気味になる低速域で威力を発揮するでしょう。
ノーズ側面を↑方向に回転する流れが作られるフラップ・ボルテックスジェネレーター。
下部のボルテックスジェネレーターは側面に対して↑方向の回転で下面から上昇してくる流れを吸い込む。
(上部のボルテックスジェネレーターは逆に側面に対して↓方向の回転)
この二つのボルテックスは隣接しており回転方向は同じ、合流して持続性が増し強化される可能性があります。
ボルテックスジェネレーターは流れを回転させる、そのこと自体がドラッグ増加になるのですが、周りやその後方に発生する乱流を減少させるトレードオフになれば良い。
今後のサーキットでこれがスタンダードとなればこの推測に真実性が増すでしょう。
残り6戦、フェラーリとメルセデスに浮上の期待は無く、打倒マクラーレンはレッドブルに絞られました。
フェルスタッペンのみならず、角田の速さが向上すればこの改善の正しさを証明する事になると思います。
シンガポールGP新ハイダウンフォース仕様フロントウィング
フェルスタッペンだけに新バージョンが投入されています。
















マックスがイタリアとアゼルバイジャンの2連勝した事でドライバータイトル5連覇の可能性が再浮上してきました。
アゼルバイジャンでは沈着冷静で完走続きだったビアストリがリタイアノーポイントに終わった事も有りますが(正直ビックリ)
ビアストリ、ノリスも加えた3人の中でも最も分が悪いマックスが漁夫の利で大逆転も有りますが残りレース全勝するくらいで無いと実現厳しい。
そのためにもマックスに5連覇達成させるバックアップ体制も必要ですね?
特にセカンドNo.2ドライバーには頑張って貰わ無いと。
フラップ・ボルテックスジェネレーターはY250ボルテックスとは効果が違い、フロントサスのボルテックスジェネレーターと関連して機能しているのですね。
Y250とは回転方向が逆ですねぇ、尖ったフラップの頂点で発生する回転はY250と同じ回転になります。
タイヤの内側を通り、丁度フェンスの上部辺りに当たるような感じだと思います。
フロントノーズ左右両脇のフラップ・ボルテックスジェネレーターと呼ばれるパーツは2021年のF1に使われていたフロントノーズ下部に有ったケープと同じ機能目的果たすモノでしょうか?
形や取り付け場所だけ見ると1994年ウィリアムズFW16でセナが乗っていた仕様(パシフィックGPのみ)フロントノーズ左右両脇に装着された三角フィン「カナード」みたいですね?
ターニングベーン、ケープなどはノーズ下面の流れを方向付けして制御するものですの同じとは言えませんね。
似ていると言えば似ていますが・・。
1994当時のボルテックスジェネレーターは制御が確立されていない時代のものですので、最終的な回転が拡散してしまっては意味がないですからねぇ。
自ら乱流を作っているようなものです。
今から思いますと2021年のF1カーは多くの空力パーツで追加トッピング満載で賑やかでしたが、現在F1カーは空力パーツ付加物も少なくシンプルですよね。
ノーズ下部が空間ガラ空き状態なので何か付けられないかと思いましたがレギュレーションで禁止されてましたね。
例え許可されたとしても超ヘビー級重量と化した現在のF1カーに重さ加えるのは許され無いですね(軽量化ダイエットしないと行けないくらい)
フロントサスペンションのアッパー&ロアのアームを車体側取り付け固定部分にもボルテックス・ジェネレーターが設けられているのを考えるとレギュレーションで使用する範囲が限り無く制限されてるのが分かります。
私が初めてボルテックス・ジェネレーターと言う空力パーツの存在を知ったのは
1989年フェラーリF640のフロントウイング翼端板エンドプレートの後端に長く突き出した突起物?がそうでした。
この時のボルテックス・ジェネレーターはフロントタイヤ回転によって発生する乱流を制御コントロールするのが最大目的でしたね。
このフェラーリF640のボルテックス・ジェネレーターはアンリ・デュランが考案した空力パーツだと思いますが直ぐに他チームマシンにも波及して大流行した事を今でも忘れられませんでした。
今も昔もボルテックス・ジェネレーターは手を変え品を変えて使われ続きますね。
次のシンガポールGPは市街地サーキットでイタリアのモンツァやアゼルバイジャンのバクーとは性格の違う特性のコースですがレッドブルRB21のマックス3連勝に期待です。
アゼルバイジャンで全く良い所が無かったマクラーレンが元の姿に戻れるか?
バクーが単なるマクラーレンの苦手なレースだけとは思いましたが?
マックスが残りレースでも4度世界王者に相応しいレース続ければ5連覇達成しなくても見せ場を作ってくれますね。
マックス好調が続けばノリスとビアストリのドライバータイトル争いにも影響与えますね。
マックスには失うモノが無いからマクラーレンにとっては脅威の存在かと思います。
ビアストリの初ドライバータイトル獲得はまだまだ本決まりでは無い?
マクラーレンの二人はチャンピオン争いで下手に動けなくなっています。
こういう時に失うものが無いフェルスタッペンは驚異です。
マシン的には正直分かりませんね、ダウンフォース強でアンダーが出るかどうか?
もうそろそろPU関係の規定使用数オーバーによる降格グリッドペナルティーが効いてくる時期に差し掛かるとは思いますが
ホンダPUを使う事が追い風となってマックスには好材料。
メルセデスPUは信頼性に不安有りそうなのでマクラーレンは油断出来無い?
上手く結果出しながらPUを効率良く使う事もドライバーには求められますね。
アルピーヌやザウバー、去年のメルセデスなど、フロントウイングの形がイビツなマシンは総じて良くないという印象を持っていただけに、このレッドブルの変なウイングと小手先とも思えるボルテックスジェレーターが非常に効果的なことに驚きました。
天才ニューウェイがいなくなったとはいえ、空力のレッドブルは未だ健在といったところでしょうか。
…ここまでたどり着くのがいささか遅かったんじゃないかな~という気もしますが。
来年からはバジェットキャップも増額されるけど、今年RBRはこんな時期まで開発しててお金は大丈夫なんでしょうかね?
来年の2026年マシンの…。
マックスが本気でタイトルを狙うなら、何戦かは角田がマクラーレンの前に入ってポイントを押し下げる動きが欠かせない。
最終形態フロントウイング、早期に投入してくれませんかねえ。
詳細記事ありがとうございます。
これを見るに未だ角田のマシンはマックスのマシンと仕様が違うと言うことになりますね。
気になるのがちょくちょくマルコ爺などが「2台は同じマシン」とPRする事。
角田にプレッシャーかけたいのか、2台揃えられない力不足の言い訳なのか。
なんなんでしょうねぇ。
変なマルコ氏ですねぇ、ですが差がつきすぎなのは事実としてあります。
素性はMAXSPなので大変です。
このボルテックスジェネレーターは、サイドポッドインレットのようにノーズの境界層を活用しようという意図があるのかと思っていましたがどうなんでしょうか?
サスペンションフェアリングのアップデートからしても、ここの流れをより制御したいという意図ももちろんあるのでしょうが
境界層
ボディ表面の流れが遅くなる⇒剥離する⇒乱流になる⇒ドラッグが増える
なのでVGで小さく強い回転を起こし⇒乱流を小さなものにする⇒ドラッグが減る
フロント下面から上昇気流が発生=ダウンフォースの発生
上昇気流はノーズやモノコック前方に遮られてボディ表面を流れ境界層が発生
詳しい解説ありがとございます。
今年のレッドブルはフロント周りのアップデートで無理やりリアに合わせに行っているという解釈でいいんですかね。そう考えるとアップデートが入っていない角田はだいぶ頑張ってドライブしてますね。
フェルスタッペンはアンダー消す為にフロントDFを意図的に強くしている。
バランス面でいえば前寄りで、崩れていると言えるセットです。
それを角田が乗れるかと言えば?ですね。
なるほどです。ありがとうございます。