2018年5月20日に行われたSUPER-GT第3戦鈴鹿300kmでは、予選上位をHONDA NSX-GT勢が独占。レースでは1,2フィニッシュを飾った。
特に予選でのベストタイムが1分44秒台となっていて、何このタイム!どこぞのフォーミュラカーのタイムか?と驚きました。
動画をチェックしましたが、ARTA NSXの走りはフォーミュラ系な動きにしか見えなかったです。
ARTA HONDA NSX-GT SUZUKA ポールラップ動画
野尻選手のアタックラップオンボード
非公式予選動画(5:12~ARTAアタックラップ)
複合のターン2でアウト寄りのラインをとっているけど速度は落ちていない。ヘアピンはインのアペックスに近づくラインどり、バトンなんかは速度を落としすぎないようにアペックスを気にしないF1と同じライン。
130Rは全開ですね、そしてシケインへのアプローチから立ち上がりまでがスムーズでとても綺麗。
SUZUKA セクタータイム分析
NSXの速さを分析する上で、SUZUKAの予選トップ6のデータを使用します。鈴鹿はF1と違い全日本格式のレースではセクターが4つに分割されます。
順 | No | Car | S1 | S2 | S3 | S4 | Time | Gap | Tyre | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | NSX | 28.548 | 17.109 | 38.870 | 19.792 | 1:44.319 | BS | 6 | |
2 | 100 | NSX | 28.369 | 17.118 | 39.296 | 19.690 | 1:44.473 | 0.154 | BS | 34 |
3 | 17 | NSX | 28.461 | 17.406 | 39.253 | 19.714 | 1:44.834 | 0.515 | BS | 42 |
4 | 1 | LC | 28.678 | 17.429 | 39.235 | 19.839 | 1:45.181 | 0.862 | BS | 30 |
5 | 64 | NSX | 28.489 | 17.242 | 39.538 | 19.933 | 1:45.202 | 0.883 | DL | |
6 | 12 | GT-R | 28.564 | 17.536 | 39.189 | 20.062 | 1:45.351 | 1.032 | BS | 10 |
※WH=ウェイトハンデ
ARTAはトップ3のNSXのなかでもWHが一番少ない。タイヤは全車BSになっています。
スーパーGTでは統一リアウィングを使用しており、唯一できる空力セッティングの違いは角度調整。セクタータイムよりARTAはダウンフォースが少ない事が伺える。
ヘアピンからの立ち上がりとスプーンから立ち上がって西ストレートのある全開区間の多いセクター3が速い、WHも大きく影響しそうな上りストレートでタイムを稼いでいる。
130Rをアクセル全開で駆け抜け、フルブレーキングするシケイン通過があるセクター4ではWHが一番少ないのにもかかわらずトップ3NSXの中では一番遅くなっている。
富士では軒並み下位に沈んだNSX勢、ボディ全体的なダウンフォースと引き換えにドラッグが多いのだろう。
FUJI のセクタータイム比較
順 | No | Car | S1 | S2 | S3 | Time | Gap | Tyre | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | LC | 19.403 | 26.477 | 42.024 | 1:27.904 | BS | 6 | |
2 | 6 | LC | 19.466 | 26.585 | 42.023 | 1:28.074 | 0.170 | BS | 16 |
3 | 23 | GT-R | 19.413 | 26.355 | 42.379 | 1:28.147 | 0.243 | Mi | 12 |
4 | 36 | LC | 19.515 | 26.468 | 42.246 | 1:28.229 | 0.325 | BS | |
5 | 39 | LC | 19.467 | 26.549 | 42.455 | 1:28.471 | 0.567 | BS | |
6 | 16 | NSX | 19.523 | 26.525 | 42.476 | 1:28.524 | 0.620 | YH | 2 |
SUPER GT マシンの主な違い
3メーカーのマシンの主な違いだけをまとめた表は以下です。
車種 | 駆動方式 | 最低重量(kg) |
---|---|---|
NSX | MR | 1,034 |
GT-R | FR | 1,020 |
LC | FR | 1,020 |
NSXだけがMRで最低重量が引き上げられてますが、元々MRハンデは29kgだったものを、2017年R3より14kgに変更になっています。
コクピットの後方にエンジンがあり、前後重量配分がリア寄りであるMRのNSXは、回転運動に関する力を少なく出来ます。簡単に言うと向きを変えやすい車であるという事。
その分リアのスタビリティは重要になってくるわけですが、トラクションとダウンフォースのバランスがこの鈴鹿では素晴らしく良かったようです。また、BSタイヤの優位性も大きな要因になるでしょう。
まとめ
SUPER GTやSURER FOMULAのアプリではセクタータイムを見ることができる訳ですけど、公式サイトにはコース図の解説が無いんです。各サーキットのサイトでも発表していないところがあり探すのに一苦労しました。
上のセクターの画像はSFアプリにあったものを使っています。
まぁ、セクタータイムまで見て楽しむ人は少ないとは思いますが、日本最高峰でこんなもんです。速度情報なんかは全く無し、情報の提供と言う部分では、まだまだ遅れてるとしか言えないですね。
2018年のS-GTの図式は面白いですね、中高速コーナーのNSX、ストップ&ゴーのLC、中間のGT-R、三者三様となっています。
WHも多くなっていく後半戦は、これまでの上位入賞組はきつくなっていくし、タイヤ開発の自由ありなど、シリーズとしての面白さは世界的にも1,2を争うレベルだと思います。
レース後にセクタータイム見て楽しむ人は少ないかもしれませんが、
Jinさんが集めてくれる情報を見ててけっこう大事だし面白おいなと思いましたよ。
私レース後はポイントランキングしか見てなかったんですよね。
予選やレース中の話しでいえは、
LAP・スピード・タイム・前後との差・タイヤ情報・ピット中・ピット回数あたりは、
レース中に常時確認できると見てて楽しめると思いますが、
欲を言えば現在のタイヤでの周回数が分かると面白いのになーと思います。
マシンにテレメトリー監視機能を求めてないので、難しい問題でしょうね。
オンボード映像に関しても、チームの自由っぽいですし、そういった曖昧さが面白いって事だと思います。
レースとしては間違いなく日本で最高に面白いシリーズです。坂東さんには今後も頑張ってマネジメントしてもらいたいと思う。
去年、最後の鈴鹿1000kmを見る為にSUZUKAに行ってきました。私は三重県のお隣に住んでおり地理的には恵まれていますが、「大渋滞&予約無しでは駐車も出来ない・・」と脅かされて、朝5時に家を出て高速をかっ飛ばしたら(F55 MINIに乗ってます)7時前に着いてしまい少し拍子抜けでした。
久々に間近で見るGT500の迫力には、やはり圧倒されてしまいました。数年前に見たスーパーフォーミュラーとコーナリングや直線スピードは遜色ない(実際は7秒位のタイム差なんですけどね)感じで、世界に誇れる箱レース(中身はフォーミュラー)だと思います。
余談ですが、SUPER-GTで一つ気になっているのが”ピックアップ現象”です。タイヤメーカーや路温に依存するなら分かるのですが、昨年はNSX-GTのみが深刻な影響を受けており、BSも原因を完全に把握出来ていなそうです。F1のウインドウ問題と同じでサスペンション(メカニカルグリップ)の違いが影響しているんですかね。
楽しそうなお車にお乗りですね、攻めすぎに注意ですw
F1では全く話題にならない、ピックアップ現象ですね。タイヤかすがタイヤに付着したままになりグリップダウンするのが原因だとか?
NSXが影響を受けやすいとなると、大きな要因はMRと色々なメーカーによるタイヤの配合の違いしか思いつかないですね。
MRの基本的な動きはリアに起因する事になると思います。重量配分がリア寄りでFRより固めなセッティング、リアがひょこひょことピッチングする問題はバトンも指摘していました。リアタイヤは発熱しやすいでしょう。
BS自体も把握しきれていないとなると、他メーカーのタイヤかすとの化学反応により付着現象が発生するのか?
あまりGTのタイヤに対して知識がないもので、現状から推測するとこんな事ぐらいしか思いつきません。