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2021年F1第3戦ポルトガルGPは、フェルスタッペンが予選3位、決勝2位が最高位となった。

ペレスは4位、ガスリーは10位となりホンダ勢は3台が入賞しポイントを獲得。

角田は苦しい展開、予選・決勝共にグリップを感じられず後方に沈んだ。経験とマシンへの理解度の差が露骨に表れたグランプリとなっています。

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ポルトガルGP予選タイム差+0.398秒

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POS ドライバー F T1 S1 T5 S2 S3 タイム Gap Tyre
1 BOT 294 313 22.519 301 29.819 26.010 1:18.348 3 C3
287 194 296
2 HAM 295 316 22.517 302 30.047 25.791 1:18.355 0.007 3 C3
288 192 295
3 VER 290 315 22.645 305 29.894 26.044 1:18.746 0.398 3 C3
290 192 290
4 PER 291 314 22.794 303 30.073 26.023 1:18.890 0.542 3 C3
289 195 292
5 SAI 288 314 22.791 302 30.170 26.078 1:19.039 0.691 3 C3
287 196 290
10 GAS 289 313 22.957 306 30.413 26.105 1:19.475 1.127 3 C3
290 194 289
Del VER 291 315 22.604 305 29.959 25.646 1:18.209 3 C3
289 195 284

 

予選では、Q2のミディアムアタックでハミルトンが17.9秒台を記録して、圧倒的な速さを見せていた。Q1、Q2と進んでいく過程でメルセデスの方がタイムが出やすい状況だった。

そしてQ3、フェルスタッペンがターン4のトラックリミット違反でタイム抹消、後ろからの突風でダウンフォースが抜けたと思われる。

セカンドアタックのセクター1タイムと比較してもその差▲0.041秒、仮にこのタイムであったとしてもポールポジションだったのです。

そして風が強まり、一番高い丘の上であるセクター3のタイムがファーストアタックより約0.4秒遅くなってしまった。

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このミニセクターベストタイムを記録したドライバーを見てもわかるように、レッドブルが最速だったのはセクター3の標高が一番高い丘の上だった。

対するメルセデスはフルスロットルコーナーが速い、ステアリング切った状態(ステアリング抵抗がある)のスロットル全開勝負で負けていた。

ポルトガルGP決勝タイム差+29.148秒

スタートで、フェルスタッペンは順当に3位、ペレスは5位に落ちてしまう。

SC明けの7周目、再スタートでハミルトンを攻略したフェルスタッペンは2位へ上がる、このままの勢いでボッタスに襲い掛かる、速さはあるマシンなんだ、これは行けると思ったが、ボッタスに並ぶことすら出来ない。

この間に、ハミルトンに差を詰められDRS圏内に入られると、11周目のターン1であっさりと抜かれてしまう。

ハミルトンはその後ボッタスを抜いて、トップのフレッシュエアーの中を逃げていく。

フェルスタッペンは延々とボッタスの1秒以内で、DRSを使っているが又も並ぶことすら出来ない。予選でも表れていたターン14からの速さの差が、異様に重くのしかかる。

ペレスは15周目に、ノリスのエネルギー切れをきっかけに4位に上がって、フェルスタッペンの後方8秒あたりを追走。メルセデスにフリーストップを与えない位置を走っている。

 

先に動いたフェルスタッペンは36周目にハードへ、ボッタスは37周目にハードへ、冷えたタイヤで走るボッタスをターン5で抜く。

ハミルトンがピットインを済ませ、ペレス・ハミルトン・フェルスタッペン・ボッタスの順となった。

ハミルトンとフェルスタッペンの差は固定されたように4秒、追いつく事は不可能と考えたレッドブルはペレスに超ロングランを指示している。

あぁこれはあれです壁役で、ギャップを縮める作戦だろうね。

しかし、レッドブルは失念していた、ホームストレートでは勝負にならない事を、予選でも前半戦でも事実を突きつけられていたはずなんだけどねぇ。

あっさりとパスされるペレス、追いつくタイミングもばっちりだったハミルトン、1秒も削られる事無くトップを快走。ラップダウンだと勘違いしてるし・・。

 

ここでもう優勝争いは決着、今度は2位フェルスタッペンが3位ボッタスに迫られる事態へ。

しかし、ボッタスにはエンジントラブル発生、排気温度センサーがダメになり、燃焼制御がパワーダウンする方向になり一気に差が開く。ソフトに変えていたペレスは、ファーステストを出した後ペースが上がっていない。

 

エンジントラブルが治ったボッタスはフリーストップで、ソフトへ交換ファーステスト狙い、これに反応したフェルスタッペンも同様にソフトへ。

65周目ボッタスがファーステストを記録。ラストラップにフェルスタッペンがファーステスト、しかしターン14のトラックリミットでタイムは抹消された。

 

ガスリーは9位をずっと守っていたが、早めに交換したミディアムが垂れて、終盤リカルドとアロンソに抜かれ11位となっていた。

しかし、もっとタイヤが垂れていたサインツがポジションダウンしてきたところ、65周目で抜いて10位、貴重な1ポイントを手にした。

角田はスタート直後の順位を延々と走行し15位フィニッシュ、何も見せ場が無いレースを終えた。

まとめ

予選での失敗?不運?でフェルスタッペンとレッドブルは劣勢となった。

ミディアムやハードではペースに大きな違いは無く、ターン14からの速さが勝敗の鍵を握ったと言える。マシンのドラッグ差なのか?またはパワー差なのか?

メルセデスPUの実行エネルギー量は確実に増えている。同じデプロイメントを使うラッセルの予選の速さからもそれは伺える。

 

ターン15は約270km/hのフルスロットルコーナー、ステアリング抵抗に負けないで加速できるパワーがメルセデスの方が上だった。

予選でも見えていたフィニッシュライン通過速度約5km/hの差が、レースにも多大な影響を与えたと言える。アルファタウリも同じ状況である事から、エンジンマッピングやERSマッピングがオーバーテイクを意識したものではなかったのだろう。

 

このような部分でも、メルセデスがレース巧者である事は間違いない。

ここまで拮抗したトップ2チームの争い、予選一発の速さだけでなく、レースで戦えるセッティングである事も非常に重要だと言える。

前に出ればなんてことはないのだが、それを捨てるか捨てないか、今回はそこを意識したメルセデスに軍配が上がった。

 

チャンピオンになるために、レッドブルとホンダはもう一歩お互いの理解を深め、セッティングを作る必要があるだろう。