2021年F1第7戦フランスGPは、フェルスタッペンがポールポジション・優勝・ファーステストラップを成し遂げ完全勝利を達成。
ペレスが自力で3位表彰台、ガスリーはいつも通りの安定したレースで7位入賞、角田は我慢の走りで13位だった。
ホンダは今年2基目となるエンジン関連の新コーポネントを投入、パワーアップを伴うスペックアップは許されないが、何処かしらに信頼性アップのための改良が施されているらしい。
とにかく、レッドブル・ホンダのストレートスピードが光ったフランスGPでした。
フランスGP予選タイム差▲0.258秒
POS | ドライバー | F | S1 | T8 | S2 | T10 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | VER | 305 | 22.405 | 329 | 27.388 | 307 | 40.197 | 1:29.990 | 3 | C4 | |
126 | 284 | 303 | |||||||||
2 | HAM | 299 | 22.374 | 324 | 27.516 | 303 | 40.358 | 1:30.248 | 0.258 | 3 | C4 |
122 | 282 | 301 | |||||||||
4 | PER | 303 | 22.420 | 327 | 27.597 | 306 | 40.428 | 1:30.445 | 0.455 | 3 | C4 |
121 | 284 | 303 | |||||||||
5 | SAI | 297 | 22.427 | 325 | 27.815 | 302 | 40..598 | 1:30.840 | 0.850 | 3 | C4 |
126 | 280 | 298 | |||||||||
6 | GAS | 303 | 22.487 | 325 | 27.790 | 302 | 40.591 | 1:30.868 | 0.878 | 3 | C4 |
118 | 281 | 302 | |||||||||
8 | NOR | 303 | 22.615 | 325 | 27.743 | 299 | 40.894 | 1:31.252 | 1.262 | 3 | C4 |
116 | 281 | 303 |
レッドブルホンダが速かったのはストレート、DRSゾーンがあるターン8までは大きな差はないが、シケインを立ち上がってターン11までのスピードが圧倒的だった。
フルスロットルのターン10は、ステアリング抵抗で約5km/hほど速度が落ちるが、ターン11のブレーキングまでには約306km/hまで回復している。
バクー仕様のリアウィングは、ストレートでは抵抗が少なく、コーナーではある程度ダウンフォースを発生するスプーン型、2020年からこの形を基本的に使用しているレッドブルは上手に使いこなしていると言える。
リアダウンフォースを削り、コーナーではC4のグリップ力に依存するが、負荷が減った事で加熱を抑えることが出来ている。
大きく回り込むターン11は、風が弱まりハイレーキによるフロアダウンフォースが安定した事も有利に働いた。
フランスGP決勝タイム差▲2.904秒
スタート直後、リアがスライドしてターン2の内側へ逃げるフェルスタッペン、折角のポールポジションがあっさりと2位にダウンしてしまった。しかし、マシンにダメージを与えることなくコース復帰できた、瞬時の判断力とドライビングは見事であった。
ハミルトン、フェルスタッペン、ボッタスの3台は牽制しあうように後続を引き離していく。
2020年に多くみられた光景に、嫌な予感しかしない序盤の展開となっていた。
フェルスタッペンはハミルトンに3秒離されたところ、Lap18にボッタスがピットへ、ここから3台によるアンダーカット対決が始まった。
Lap | HAM | gap | VER | gap | BOT |
17 | 1:38.926 | 3.0 | 1:39.246 | 2.2 | 1:59.129 |
18 | 1:39.035 | 3.1 | 1:58.099 | 25.0 | 1:40.235 |
19 | 1:58.684 | 24.5 | 1:39.966 | 1.5 | 1:36.960 |
20 | 1:41.873 | 1:37.776 | 1:37.488 |
フェルスタッペンはボッタスに対して25.0秒ある状態でピットインして、ギリギリ前に入った。
ハミルトンはフェルスタッペンに対して24.5秒ある状態でピットへ、この時点で3秒ものリードを全て吐き出していた。
インアウトラップ+1ラップの合計ギャップは、フェルスタッペンに対して+3.751秒のハミルトンであった。
Fine margins 😮🍿#FrenchGP 🇫🇷 #F1 pic.twitter.com/senbluK9pJ
— Formula 1 (@F1) June 20, 2021
フェルスタッペンはターン1手前でハミルトンをパスして前に出ることに成功した。
さぁ、ここから逃げろ~!が全く逃げられない展開、ハミルトンは乱流を元ともせず1秒以内で延々とフェルスタッペンを追い回す。
きついきついきつい、ダウンフォースを削ったレッドブルとC2ハードタイヤは、メルセデスに劣っていた。
ストレートが速い事でオーバーテイクされずに済んでいる、逆を言えばラップは速いのにフェルスタッペンを捉えられないハミルトンにも焦りのようなものがあったのだろう、タイヤが終わる前に何とかしようとDRS圏内に居座り揺さぶりをかけ続けていた。
レッドブル陣営はここで大決断!
Lap33にフェルスタッペンをピットインさせる。ハードを14周で捨てミディアムへ、トップを守るための攻めの2ストップ作戦始動。
ペレスの後ろに戻る事になるが、フェルスタッペンにとっては問題ない。
メルセデス2台にとっては、ストレートが速いレッドブルを2台もオーバーテイクする必要がある、とてもリスクのある2ストップになってしまうため、フェルスタッペンと同じ作戦をとることは出来なかった。
ペレスの抑止力発動の瞬間だった。
Lap44にフェルスタッペンはボッタスをオーバーテイクする、ボッタスはフェルスタッペンを抑えるためにハードタイヤが終わってしまった。
大きくペースダウンしたボッタスにペレスが追いつく。
Lap49にペレスはボッタスをオーバーテイクする。
ハミルトンとフェルスタッペンのペース差は1秒以上、ハミルトンはタイヤを痛めすぎないギリギリの走りで逃げている。
フェルスタッペンは追いつく前に、一呼吸おいてタイヤを休ませ、エネルギーもある程度確保していた。
DRS圏内に入ったら乱流でタイヤを痛める、一気に仕留める必要があった。
Lap51にDRS圏内に入る。
そして、Lap52のミストラルストレートのシケインでフェルスタッペンはハミルトンをオーバーテイク!
A penultimate-lap pass for the lead in front of fans just hits different 🤤#FrenchGP 🇫🇷 #F1 pic.twitter.com/IPdYWtkCn1
— Formula 1 (@F1) June 21, 2021
観客による大歓声!
凄いレースの一つをまた見ることが出来た、そんなフランスGPでした。
地元のガスリーも凄かったよ、もう何も心配しないで見てられる中団グループでの走りには、惚れ惚れするよね。
まとめ
もっとレースを細かく分析するつもりでしたがやめました。
そんなの必要が無いってぐらい、追い上げて走る時のマックスが凄く強いし、今回は臨場感を崩さない方が良い気がしました。
もし優勝出来なかったとしても、熱いレースだった事に変わりはないだろう。
好敵手ハミルトンの存在があるからこそ、最後まで何が起こるかわからないワクワク感を生み出している。
We’re in for a big fight this season and we’ll have to dig deep as a team. We are up for it! 👊#FrenchGP pic.twitter.com/Gz44uDKOMc
— Mercedes-AMG PETRONAS F1 Team (@MercedesAMGF1) June 20, 2021
この互いのリスペクトあってこその、好レースなんだよなぁ。
今回のハイレーキと薄めのリアウィングが、これぞレッドブルって感じのセッティングでした。
パワーで劣っている訳ではないけど、自身のスタイルを貫いて結果を出した。
ギリギリの戦いになるからこそ、スタイルを見失わない事の重要性を痛感、そんな一幕だったのかもしれない。
ホーナーさんも、「最初のピットイン後に見事なアウトラップを披露してポジションを奪い返した」と褒めてましたね。DAZNでリアルタイムで見てましたが、最後にMAXがHAMILTONを抜いた時は、TVの前で思わずガッツポーズしてました。今年は、レッドブル もメルセデスもギリギリのところで戦ってるから本当に面白い!
私もTVの前でオーバーテイクの瞬間「よし行った!」とガッツポーズしました!
ハミルトンを抜けるかどうかギリギリで、半信半疑のまま見ていたので、安堵のガッツポーズでもありましたね。
観客がいて良かったです。歓声がまた更に喜びを増してくれました(そうそう、これだよ!って思いましたし)。
フランスGPは勝ち方という意味で現在今季1番だと思います。
ストレートの伸びは空力の他、MGU-Hの性能含めたエネルギーマネジメントが効いた気もするのですが、複雑すぎて正直何が本当に効いたかわかりにくいですね
今後も、RBの武器がストレート?….無敵?
パワーや総エネルギーに関して言えば、ホンダはメルセデスに僅かに劣るというのが相場だと思う。
予選のソフトタイヤで、前に行こうと思ったらレスダウンフォースだけど、レースでタイヤが厳しくなる。
アゼルバイジャンではメルセデスが、フランスではレッドブルが、フェラーリは常にこの状態。
ある意味レスダウンフォースで1発が出せるフェラーリが興味深いですね。
コーナーでダウンフォースはないが足が良く機能しているような感じですかね。
タウリは同じくらいパワーがあってもRB16特有のリアの不安定さをカバーするために直線番長仕様には出来ないんでしょうか?
C4は、作動温度維持が難しいからかな?
サーキットによっては、ダウンフォースよりタイヤ機能のバランスを優先している。
レースタイヤは、ダウンフォースが必要になるジレンマ。
アルファタウリのリアは3年落ちだからなぁ。
リアウィングのダウンフォースに頼らなくてはならない状況ですかね。
メルセデスのエンジニアがレッドブルはリアでマシンを調整するからレスダウンフォースのように見えてそうではないと言っていますね
セクターごとに異なるウィングレベルを求めらるサーキットではレッドブルが少し有利になるらしく、サーキット全体で同じレベルのダウンフォースを求められる所ではメルセデスと拮抗するみたいです
RB16Bのリアロアアームは、ウィングみたいなものですからね。
あれだけで結構なドラッグありますよ。
追い着く前に0.5ー0.7程削って次のラップでイーブンに戻すってのをやってるのを見て、焦りが出る終盤になんて冷静なんだと思いました。
今シーズン、早くも全戦の約1/3が消化されました。
開幕戦からしばらくは、マックスとハミルトンとの直接対決が続いてペレス、ボッタスは上位には絡まない展開でしたが、
モナコGPあたりからペレスのセカンドとしての役割が機能してきたのでメルセデスとして戦略的な見直しが必要になってきている。
何よりもボッタスの決勝レースでのパフォーマンスが上がらないと、いくら王者h
すいません。途中コメント文章が途切れてしまいました。
いくら王者ハミルトンと言えどもボッタスの協力無しでレッドブルホンダに対抗するのは今ではキツイです。
ペレスがメルセデスにとって悩みの種です。
リヤデッキ底からの画像って、なかなか見られないですよね?
リヤサスペンションはプルロッド式なので、細いロッド棒が一目見て分かります。ロッド棒中間部分のナットを緩めて回転させると長さを変化させて車高を調整出来るのですね(これによってレーキ角度の初期設定も決まる)
トーションバースプリングのシャフトが何処に仕込まれているのか?
リヤブレーキのキャリパーはブレンボ製品ですね。カーボンディスク円盤は、APロッキード社ですかね?それともレッドブル自社製品?
2019年からのマックスとハミルトンの予選ベストタイムをトップ10平均と比べて見ました。今年は接戦。これぞF1。
メルセデスはやはり昨年のシルバーストーンでタイヤ限界に達した時がピークでしたね。
ついでに2017年からのチームの予選ベストとトップ10平均を比べてみました。(こちらは5戦の移動中央値)
ふり返るとホンダへのスイッチはどちらものチームも成功した感があります。マクラーレンのメルセデススイッチも着実に奏功してる感じ。
そしてあらためてフェラーリの2020年の落差が半端ない。
メルセデスは実は昨年後半から下降曲線が始まっている。やはり大フロアから生み出されるダウンフォースがタイヤ構造の限界に達してしまった所で、コンセプト的にシャシー開発が頭打ちになってしまったというのが大きな流れなのかな。
面白いグラフですね。あまり見たことの無い集計な気がします。
前半から強いメルセデス、後半追い上げのレッドブル、というのがひと目で分かります。
今年は昨年末からの延長にあり、収斂が進んでいることも視覚的に確認できました。
メルセデスはシーズン初めに強い車を用意して、平均が上がってくると少し差が縮まるけどタイトルは安泰で翌年また強い車、という流れが基本に見えますね。
ただ序盤にフェラーリに先行された2018年は中盤、終盤と二段階、シーズン中に飛躍を遂げてるので、今季のマシン開発は後半どうなるのか。
市街地とフランスでは惨敗したものの、ポルトガルとスペインのトップ10平均から-0.7秒というアドバンテージは、レッドブルがほぼ到達したことのない強力なレベルなので今年も十分なポテンシャルはあると見るか、ピレリの内圧変更で確変が起きたとみるか。
今年のホンダエンジン、構想は2016〜2017に作られたものらしい。
当時はコンセプト変更の過渡期で、チーム分けで別々に研究されていたとの事。
また、ホンダ参戦終了後に、このエンジンのアーキテクチャの旅、ジェットや熊本メッキの関わり方が公開されるとの事です。
信じるか信じないかはあなた次第です。