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2021年開幕戦バーレーンGPでのホンダ勢は、レッドブルのフェルスタッペンがポールポジション、決勝レースは2位が最高位だった。

これで、フェルスタッペンのポールからの成績は優勝2回、2位2回となる。

アルファタウリのルーキー角田が9位入賞を記録して、日本のファンを大いに賑わせた。

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バーレーンGP予選タイム差▲0.388秒

POS ドライバー F S1 S2 S3 タイム Gap Tyre
1 VER 291 28.349 38.229 22.419 1:28.997 3 C4
246 270 284
2 HAM 291 28.372 38.536 22.477 1:29.385 0.388 3 C4
244 267 290
4 LEC 290 28.419 38.598 22.661 1:29.678 0.681 3 C4
246 269 287
5 GAS 293 28.585 38.658 22.566 1:29.809 0.812 3 C4
247 273 290
6 RIC 293 28.568 38.771 22.587 1:29.927 0.930 3 C4
246 270 292

予選では、フェルスタッペンがハミルトンに0.388秒の大差をつけるラップを披露した。

フロアのダメージがあった状態で、この速さだったから圧巻である。

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上のテレメトリー速度解析を見ても、ほとんどのフルスロットル区間のエンドスピードで上回り、ターンボトムスピードも上回っている。最終フィニッシュライン速度が極端に遅いフェルスタッペンは、デプロイ切れを起こしているように見える。

気掛かりだったのは、Q2のミディアムアタックでハミルトンに0.2秒差つけられていた事、Q1でフロアダメージを負ったようだかその影響は0.1秒だとホーナーはコメントしている。

バーレーンGP決勝タイム差+0.745秒

ペレスがフォーメンションラップ中にシャットダウンして、ピットレーンスタートになってしまい何となく嫌な予感がする。

スタートではマゼピンがクラッシュして、いきなりSCとなった。

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SC明け再スタート、ターン1へのアプローチ約290km/hぐらいの2台の競り合い、きっちりとインでハミルトンを抑え込むフェルスタッペン。

この上画像をよーく見てもらいたい、最大ダウンフォースによってリアが下がり、メルセデスのレーキは極僅かだが、レッドブルのレーキはかなり残っている。そしてフロント&リアウィング翼端板の傾き具合・・・レッドブルは今年もきっちりとフレキシブルウィングでございます。

5番手だったガスリーは、マクラーレン2台の包囲網の中、接触してフロントウィングを脱落早々に戦線を離れてしまう。

これは痛い。

 

そして、トップのフェルスタッペンは、ハミルトンを引き離す事が出来ない、ハミルトンはギリギリ空力的影響が少ない約1.8秒差を保ちつつフェルスタッペンを追っている。

Q2でも精彩がなかったC3ミディアムタイヤ、何となく不吉な予感が漂っていた。4位以下のC4ソフト勢が一気にピットへなだれ込んだ次周のLap14、その開いたスペースを狙ってハミルトンが早々にミディアムを捨てるアンダーカットを仕掛けた!まさに奇襲だった。

交換したばかりのC2ハードで攻めるハミルトン、簡単にピットストップロスタイム22秒差を切ってしまう。

 

Lap17でピットへ入ったフェルスタッペンはミディアムへ、7秒後方でコースインするが、リアのグリップが無いとタイヤへの不満を早々に無線で漏らす。

2秒差まで迫られたハミルトンはLap29で2度目のピットイン、C2ハードへ交換する、攻めまくってダメにした1セット目ハードを15周で捨てる、とにかくアンダーカットされないように動いていた。

 

レッドブルとフェルスタッペンが出来る行動は、ハミルトンのタイヤ消耗を助長するペースを維持して、最終スティントのハードの周回数を減らし、追いつけるタイミングでピットへ入る事だけだった。

Lap40でハードへ交換したフェルスタッペンの全力アタックが始まる。

Lap HAM Gap VER
40 1:34.890 7.647 1:53.437
41 1:34.334 6.541 1:33.228
42 1:34.199 5.792 1:33.450
43 1:34.163 4.860 1:33.231
44 1:34.015 4.439 1:33.594
45 1:34.583 3.912 1:34.056
46 1:34.492 3.341 1:33.894
47 1:34.591 2.815 1:34.092
48 1:34.167 2.466 1:33.818
49 1:34.136 1.906 1:33.576
50 1:34.354 1.445 1:33.893
51 1:34.579 0.830 1:33.964
52 1:34.939 0.560 1:34.669
53 1:36.155 0.818 1:36.413
54 1:34.814 1.077 1:35.073
55 1:34.706 0.936 1:34.565
56 1:34.918 0.745 1:34.727

Lap53のターン4でアウトから仕掛けたフェルスタッペンは、トラックリミットをオーバーしつつハミルトンをパスする。

直ぐにポジションを戻したフェルスタッペンだが、タイヤへの負担は激しく、その後はストレート手前コーナーのトラクションが悪く、DRSを使っても並ぶ事すら出来なかった。

スピードでは勝っていながらも、勝てなかった悔しい負けだった。

 

最後方からの追い上げとなったペレスは、5位まで挽回しドライバーオブザデイを獲得!

いつの間にかポジションアップしていて、流石ペレスと言う内容のレースだった。

 

角田は、スタートこそ安全に行ったため、序盤は苦しい展開になったが、持ち前のファイター気質で前走車を次々とパスする暴れっぷりを披露した。

初戦で9位入賞は嬉しい事です。

しかし、この二人の本当の評価は、本来獲得出来るグリッドからのレースでどうなるかと言う点、更なる活躍を願うのです。

まとめ

素晴らしい2台の攻防となったレース、戦略的にメルセデスとハミルトンがギリギリ上回った。

しかし、ターン4のトラックリミットにおいて、これはおかしいと各方面から疑問の声が上がっている。

トラックリミットは決勝レースで、ペナルティは取られないとなっていた、ハミルトン&メルセデスはこれを実に29回行っており、ルールを実に上手く利用した格好だ。

一度で0.2秒のゲインがあると、とある海外ジャーナリストが言っており合計すると5.8秒にもなる。

実質タイヤへの負担も減らしていると考えると、終盤においてハミルトンのタイヤはもっと劣化していて、フェルスタッペンの攻撃をかわす事が出来なかったのではないかと思われるのだ。

 

ドライバーブリーフィングでは、追い越し時にトラック制限を無視してポジションを獲得した人は、それを返還しなければならないという事が通達されており、フェルスタッペンとレッドブルの行動は正しい。

ハミルトンの行動はどうかと言うと、これもルール上は正しいと言えるが、ミスで数回オーバーする事と意図的に行っていた事とでは、明らかな違いがあるのではないかとの声が、大きくなっている現状。

 

レース中にこれを曖昧にしたFIAに一番責任がある。折角の好勝負に水差す格好になった事が非常に残念です。結果が覆る事は無いだろうし、今後はトラックリミットペナルティに関して明確なルールが施行される事を願う。

 

グラベルを復活させるような事は無い(過去にF1側が公言)、グリップを大きく失う人工芝を貼り付ける事も難しい(剥がれてしまう)、共通ECUを使いトラックセンサーと連動させ何秒間かフルスロットルを絞る事(90%とか)はできないのだろうか?

ゲーム的なツールになるだろうけど、後からタイム加算ペナルティよりは遺恨がでないだろうし、コース上ではっきりする施策がファンやドライバーにとってはいい事のように思う。

 

次は勝ってくれ、レッドブル・ホンダ&マックス・フェルスタッペン!