2019年初の2週連続開催となったフランスGPとオーストリアGP、ホンダのスペック3を投入しながら完敗したフランス、そしてレッドブルホンダとして初優勝を成し遂げたオーストリア。レッドブルホンダにとっては地獄と天国を味わった連戦となった。

連続開催だったため、TopGap記事も2週一気にまとめようと思っていた。先にフランスやって、感動のオーストリアって、

 

あぁぁ失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した・・・・・(by鈴羽)

 

まさかレッドブルホンダが優勝するなんてさ、まだまだ先だろうって思ってたんだよ~~~~!(笑)

とにかく、マックス最高だ!レッドブルのホンダに対する敬意も最高だ!そしてホンダもよく耐えたほんとによく耐えた、今回の勝利は、優勝を待ち望んでいたすべての人の心を癒してくれた、とにかく嬉しいです。

先にフランスをとっとと終わらせて、オーストリア編にいっちゃいますね。

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寝落ち続出フランスGP編

https://www.formula1.com/

予選タイム差+1.090秒

POS ドライバー F S1 SPD-F S2 S3 タイム Gap Tyre
1 HAM 299 21.977 340 27.300 39.042 1:28.319 3 C4
127 290 296
3 LEC 300 22.184 339 27.560 39.211 1:28.965 0.646 3 C4
127 290 299
4 VER 297 22.302 333 27.652 39.455 1:29.409 1.090 3 C4
129 283 289
5 NOR 299 22.369 333 27.642 39.407 1:29.418 1.099 3 C4
125 286 300
10 GAS 295 22.524 333 27.975 39.685 1:30.184 1.865 3 C4
113 284 298
11 ALB 303 22.741 342 26.863 39.857 1:30.461 2.142 2 C4
115 289 298

※SPD-Fはシケイン(ターン8)手前の最高速度

マクラーレンが速いです。フェルスタッペンはミスってるけどギリギリ上、ガスリーは完璧に負ける。

決勝タイム差+34.905秒

スタートではアルボンがコースアウトして16位まで転落、4位フェルスタッペンは1周目サインツに抜かれそうになるが気合いで抑えた。ガスリーはマクラーレン2台の後ろ8位をキープ。

SのガスリーはLap17終了時点でHへ16位まで下げる、フェルスタッペンはLap20終了時点でHへ5位で復帰した。

トップは遥か彼方を逃げるハミルトン、30周時点で差は24秒、フェルスタッペンのやれることは4位キープのみだった。トロロッソ2台とガスリーは入賞圏外を走っている。

ガスリーは11位フィニッシュだが、リカルドがダブルペナルティの10秒加算となったため10位入賞となった。14位クビアト、15位アルボンとなりトロロッソは良いところなし。

非常に退屈なハミルトンの独走レースが幕を下ろした。ちゃんちゃん!

 

感動!復帰後ホンダ初優勝!オーストリアGPマックス行け行けGOGO物語

レッドブルの地元オーストリアGP、サーキットはA1リンクを買い取ったその名も「レッドブルリンク」である。

ここに一人の若者が降り立った。この男の名はマックス・フェルスタッペン、父親は元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンである。幼い頃からレース漬けの日々を送り、普通自動車免許をもたない若干17才でF1界にやってきた。

 

彼のチームであるレッドブルは今年からホンダエンジンを積んでいる。メルセデスやフェラーリの後ろでいつもチャンスを伺い、まだまだ非力なホンダエンジンでありながら今年は3位表彰台2回など上々の成績を収めている。

しかしながら、彼の目標は勝つ事でありチャンピオンになる事だ。レッドブルは長年ルノーのカスタマーと言う位置づけで有り、今年初のワークスエンジンであるホンダを手にした。マックスはその将来性にかけてレッドブルに残留していた。

 

金曜日のマックスは強風にあおられ大クラッシュ、マシン後部を大破した。なんて不運なんだスペック2エンジンがダメになってしまった。プラクティスはそこそこ好調であり明日の予選に向けて、調整が進んでいた矢先の出来事。

あの名手マックスがクラッシュだなんて、周りは一気に暗い雰囲気になり、今回もトップ争いに加われないのかと思わせた。

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しかし土曜日状況は一変する。

開幕から8連勝中のメルセデスがいつものように上位タイムが出せない、アンダーステアに苦しんでいたのだ。フェラーリはストレートスピードにものを言わせてルクレールがトップタイムを叩き出す。

ハミルトンはマシンと格闘しながらも2番手タイム、ホンダスペック3エンジンに乗せ換えたマックスは果敢なアタックラップで3番手を手に入れた。予選時のパワー差が大きく0.436秒差の3番手は彼の最大限のパフォーマンスである。

予選タイム差+0.436秒

https://www.formula1.com/
POS ドライバー F S1 SPD-F S2 S3 タイム Gap Tyre
1 LEC 290 15.992 329 27.961 19.050 1:03.003 3 C4
327 255 297
2 HAM 288 16.071 323 28.104 19.087 1:03.262 0.259 3 C4
323 252 291
3 VER 286 16.122 326 28.175 19.142 1:03.439 0.436 3 C4
322 252 293

 

予選時に強力なパワーモードをもつメルセデスとの差は僅かである、決勝でのペースはロングラン出来なかったマックスのデータは無いが、昨年の優勝者であり期待しない訳にはいかない。

2番手タイムのハミルトンがペナルティにて4番手に下がる事になった。これはラッキーだ一気に前が開ける2番手スタート、ソフトタイヤでパワーがあるフェラーリにはスタートでは勝てないが、ダウンフォースが少なくレースペースがあまり良くないフェラーリの後ろで粘ればチャンスがある。

 

決勝タイム差±0.000秒

レッドブルの地元オーストリア、マックスの母国オランダからは大応援団が詰めかけ異様な熱気に包まれている。

気温35℃、路面温度は51℃、ヨーロッパは今年異常な暑さに見舞われている。この高い温度は硬めのタイヤが有利だとの予想が各チームでたてられていた。マックスはミディアム(C3)スタート、71周の決勝レースではハイペースでも半分は走れる。

ソフトはすぐにダメになるだろう、ペースが落ちたところでルクレールをパスするか先にピットインしたところでオーバーカットを仕掛ける。そんな作戦を考えていただろう。

しかしスタートでその作戦は崩れ去る。

エンストしそうになるくらいの大失敗で8位まで転落、すぐにチームメイトのガスリーをパスして7位となる。

なんてこった・・優勝も考えられるポジションだっただけに、もうダメだOTZ

 

そんなファンたちの目をあざ笑うかのように、沸々と闘志を燃やすマックスは追い上げを開始、7周目ノリスをターン3でパスして6位へ上がる。9周目ライコネンをまたまたターン3でパスして5位へ。

これで5位いつものポジションであるメルセデスとフェラーリの後ろとなった。ソフトを履く2台のフェラーリはペースが良い15周を過ぎてもラップタイムを逆転できずにいた。この高い温度の中、意外と垂れないソフト、前のベッテルにじりじりと離される。

22周目、前のボッタス、ベッテルが同時にピットインする。ボッタスはベッテルがピットレーンを走行していたためピットアウト出来ずにタイムロス、ベッテルはタイヤが用意できていなく静止時間6.1秒の遅いピットストップ。

これはラッキーだ、何だかわからないが流れがマックスに来ているような、そんな気がしていた。

トップのルクレールが23周目にピットイン、ミディアム勢にラップタイムで逆転され始めていたので、素早く対応した定跡どおりのピットストップだった、さすがに隙がない。

5秒前のハミルトンは31周目にピットイン、壊していたフロントウィング交換もしたため大きくタイムロス、ここですぐさま反応したレッドブルはマックスを次の周でピットインさせハードに交換した。

ピットアウト!これで順位を一つ上げる事に成功する。前のベッテルとは3.6秒差、後ろのハミルトンには4.2秒差となり、トップのルクレールには13.2秒の差があった。

 

さぁこれで上位5台はコース上での勝負だけとなったが、後ろのハミルトンはピットアウト後もペースが悪い、よしよし難敵の一人であるチャンピオンがこれで戦線離脱だ、そして周回遅れが絡み始めてからルクレールのタイムは良くない。

40周目に入り前のベッテルとの差が一気に詰まり2.4秒となった、そしてこの時一番速く走っているのはマックスじゃないか!

残り32周このペース差なら間違いなくベッテルには届く、なんならトップまで?タイヤは前3台よりも新しい。

47周目とうとうベッテルの1秒以内に入りDRSを作動させるマックス、ターン1が異様に速いマックスはその先のターン3や更にその先のターン4で揺さぶりをかける。

じっくりと相手の弱点を見極め、50周目ターン3でアウトから仕掛けるそぶりを見せ、ベッテルをイン側に追いやり立ち上がりラインをタイトにさせると、ターン4手前アウト側から一気に抜き去り3位浮上。抜かれたベッテルはすぐさまピットインして戦線を離脱した。

この50周目のラップは前の2台より1秒も速かった。

 

ピットからは激が飛ぶ、さぁ次はボッタスだ!

ボッタスに迫っていく。ボッタスもペースを上げるが連続で速いラップが刻めない。これはエンジンのオーバーヒートによりペース調整するしかなかったようだ。ハミルトンも同じ状況でずっとペースが低調だった。

しかし、ここでマックスは無線で「ルージング  パワー」

無線指示がでる「フェイル3 フェイル03 フェイル」

これは何かをリセットしたのだろうか、一気に差を詰めると56周目あっさりとボッタスをターン3でパスする。

ルクレールまでは5.7秒差ある、あと15周追いつけるのか?ルクレールもペースを上げているなかなか詰まらない差、59周終了時点でまだ4.7秒もある。

 

60周目には無線指示で「エンジンイレブン エンジンワンワン  ポジションファイブ」が指示される。

これは明らかにパワーエンジンモードの指示だろう。

それを示すかのように60周目のマックスのタイムは全体ベストを示すパープル表示。

「きたあぁぁあぁぁーーー!」

1:07.475はこのグランプリの最速ラップである、その後も7秒台を連発、約0.7秒速いペースで66周目にはとうとうDRS圏内に入った。

 

二人の最高のバトルが始まる。

68周目、マックスはターン3でルクレールのインへ

「入ったー!」「行け、行けー!」二人はサイドバイサイドでターン3を立ち上がる、アウトアウトアウトのラインで加速の良いルクレールはイン側でDRSを使っているマックスを抜き去りターン4のイン側を抑える。

フェラーリはえぇーーー!

この二人のバトル、特に前を走るルクレールはターン手前で変な動きをしない、なんてクリーンなバトルなんだ。世界最高峰のF1で若い二人が魅せるバトルに酔いしれる。

69周目、後ろのマックスはターン3でアウト側でブレーキングすると見せかけると、一気にライン変更してインへ飛び込む!

「行ったーーーーーーーー!」と思わず声にだし叫んでしまった。

今度は立ち上がりラインを塞ぐようにアウトラインをとるマックス、ルクレールは諦めずにサイドバイサイドで軽く接触する。

とうとうトップへ上り詰めたマックスは、一気に突き放しトップチェッカーを受けた。

最後の接触は審議となったが、レーシングインシデントとされ、マックスの優勝、レッドブル・ホンダの優勝が確定したのであった。

その名は勇者マックス・フェルスタッペン

この日、一人の若者がやってのけたのは、年間21戦あるグランプリのたった一つの優勝である。しかしながらこの優勝には多くの本当に多くの人の思いが詰まっていた。

エンジンメーカーであるホンダは過去4年間最悪とも言うべき時期を過ごし、下位カテゴリーのエンジンだとバカにされ、こんな成績ならやめてしまえと心ないバッシングも受けていた。

レッドブルと組んだ今年、空力規則の変更に対応できずに苦しむマシンだが、その低調な成績にホンダにも責任が問われていた。

ライバルメルセデスの開幕8連勝と言う異様なシーズン、フェラーリの失速など、F1自体が面白くないと言い始める人達もいた。

 

そんな時、すべての負の感情を洗い流すかのように、最高のバトル、最高のレース、そして最高のパートナー共に勝ち取った,たった一つの勝利は、すべてのファンに勇気と感動を与え、これぞレースと言うものを世界に知らしめたのだった。

皆はそんな彼を

「勇者マックス・フェルスタッペン」と呼んだ。

fin

 

 

 

終わりに

強引に物語調で初めて、途中脱線して、最後に物語にする・・。

楽しんで頂けたでしょうか(笑)

 

もう私1時間20分のレースを生放送+2回見てしまいました。待ち望んだホンダの優勝!本当にここまで来たんだと言う思い。

表彰式にホンダの田辺さんが上がった事が本当に感慨深いです。

 

色々なラッキーが重なり、色々な思惑が重なり、そして色々な技術的要素が重なった事で手にした優勝。次回「F1 Honda TopGap」優勝記念編では、そんな部分、特に技術的要素に焦点をあてて解析していこうと考えています。

今日は最後まで読んで下さりありがとうございました。

 

また次回お会いしましょう。