6月23日(金)からフリー走行が始まるアゼルバイジャンで新ICEを投入するとしているホンダですが、開幕からの問題点を完全に改善できていないスペックになる事は間違いない。

現状明らかとなっている主な問題点についてのまとめです。

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ホンダPU問題点まとめ

  1. ICE(内燃エンジン)の燃焼技術
  2. タービンとMGU-H
  3. ベンチテストと実走の相関性の問題

ICEの燃焼技術問題

昨年12月に発覚している新燃焼技術の単気筒モデルをV6型に移行できない問題は未だに解決されていない。

単気筒モデルテストではかなりの良結果だった事が尾を引いているのか?根本的な燃焼技術の確立に苦労している。

ジェットインジェクターとそれを効率的に運用する燃焼室形状などの研究開発が進んでいない。

ICE自体の剛性不足も懸念される、今年大幅な走行抵抗増加に伴い車体から受けるダメージ量は増加している。

タービンとMGU-H

排気タービン自体に問題が出たのとの情報は確認できていないが、MGU-Hに問題がでると同時に交換している。この二つは連結している様子。

MGU-Hは主に回転軸のベアリングに不具合が生じる、オイルの循環がうまくいっていない模様。

今期メルセデス型レイアウトを採用しているためシャフトの剛性不足により振動が多いのかもしれない。

対策を施したスペックは完成しているが、ペナルティを受けるために投入していないと長谷川さんが発言している。

ベンチテストと実走の相関性の問題

最近になってホンダ側が発言した問題で、ベンチテストと実走の相関関係に不具合が生じている。

今年レギュレーションが大幅に変わっているので各種の抵抗数値がかなりのレベルであまいと思われます。

マクラーレンとの連携不足から生じるものなのか?真相はわかりませんが、参戦初年度から続く問題だとすると今更ですかと言いたいほど深刻な問題ですよこれは。

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新ICEの効果は微々たるもの

アロンソにアゼルバイジャンで投入される4基目のICEは、パワーアップ面ではあまり期待はできないでしょう。せいぜい10馬力も改善出来ていれば御の字です。

新しいICEの投入によりまず問題となるのがセッティングとなります。ベンチテストシミュレーションの相関がとれない事によるセッティング不良は重大な問題点の一つです。

これが解決できない限り今後も良い物は作れない事でしょう。シミュレーターの重要性は今のF1においてもっとも重要なエリア、真っ先に解決するべき問題です。

シミュレータが最重要項目

シミュレーションの相関はマクラーレンもここ数年悩んできた問題でもあり、今年は相関性が95%だと発言しています。

レッドブルがシャシー面で強い理由はこのシミュレーターによるところが大きいです。レッドブルのシミュレーターは3000万ユーロ(約37億円)と言われていますが実際はそれ以上だと私は思います。

 

ホンダはこの問題を真っ先に解決する必要があります。開発研究よりも最優先事項です。このままでは本当に取り返しのつかない状態になってしまう恐れもあります。

実走テストができないF1では信頼性やセッティングはテストベンチでしか確認しようがありません。この事の重要性に気づいているSAKURAの研究員はいるのか、非常に気がかりです。

 

2017年F1シーズン前半戦のホンダの状況をまとめた記事はこちら⇒マクラーレンホンダとトップギャップ前半戦まとめ