2015年のF1より復帰するホンダ。開幕前テストでは散々な結果になっている。

新エンジン規定はどこまで複雑なのか解析してみようと思う。

 

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ターボエンジンとモーターの単なるハイブリットでは無い

一般的に知られているF1エンジン規定は1600ccのシングルターボエンジンと電動モーターのハイブリットと言う情報だけである。ホンダは一般車でハイブリットエンジンをやっているし日本はハイブリットエンジン発祥の国、ホンダがやればF1でも最高の物が作れる。単純に想像してしまうだろう。

しかしこのエンジンは一般のそれとは全くの別物です。発電できるシステムが色々組み込まれています。

 

出典:honda.co.jp
出典:honda.co.jp

一般車のハイブリットでは上図のエンジンとMGU-K(モーター)の部分のみで構成されているのが大半です。ひとつのモーターで減速時に発電し加速時に使用する方法です。F1の新規定エンジンはここにターボチャージャーが加わりそのターボチャージャーに直結された第2のモーターMGU-Hがあります。

 

MGU-Hは排気でタービンを回しその回転力で吸気側のコンプレッサーを回しさらにモーターを回し発電します。逆にモーターを回し吸気コンプレッサーを回す事もできます。排気が安定していない低回転域でモーターで吸気を助けターボラグを減らす事ができるのです。

 

このエンジンに対する2つの補助動力をどう使うかが現規定の鍵になってくるのです。この全てを統括するコンピュータープログラムを最適なものにしなければF1で勝つことはできないでしょう。

エンジン本体の強さはもちろん必要ですが、大きくわけてこの3つのパワーをどう使うかが焦点になってきます。またこの3つのユニットの排熱についても考えなくてはなりません。

 

規定に縛られた現代F1において成功の鍵は継続力

過去のマクラーレンホンダが活躍していた頃は、エンジンの排気量ぐらいしか規定はありませんでした。排気量さえ守ればあとはほぼやりたい放題だったのです。ホンダは昔から高回転にこだわっており当時はどのメーカーよりも回していました。

そして技術という点においてはまだまだ未開拓な分野であったため膨大な時間と経費をかけ世界一のF1エンジンを生み出していたんです。

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現代F1エンジン規定ではホンダがやりたいこと全てはできないでしょう。規定の枠内で最高のものを生み出していく事になります。一般車でいうところの軽自動車規定みたいな感じでしょうか。

とにかく継続、開発、改善をバランスよく行なっていく事が必要です。幸いにもホンダには情熱をもった開発陣があります。けっしてあきらめないホンダ精神で天下獲り期待していいのではないでしょうか。