2戦続いたパワーサーキットが終わり、後半戦で唯一の低速コースでのグランプリとなるシンガポールGPが開幕します。ホンダはここ数戦の改良が実を結んでおり間違いなくパワーアップしています。
せっかく改善度合いが上がってきたのに来季はマクラーレンと組めなくなると話題になっており木曜日のプレスカンファレンスにおいて何か動きがあるかもしれません。
ホンダの株価に多少なりとも影響が出そうなため発表は日本時間金曜日15:00以降にずれ込む事も予想されます。
ホンダレーシングF1のシンガポールGPブレビュー⇒http://ja.hondaracingf1.com/2017/index/singapore-gp-reports.html
以下引用文となります。
長谷川 祐介 株式会社本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「5月のスペインGPから始まったヨーロッパでの戦いを先日のイタリアGPで終え、最終戦に向けてアジア、アメリカ大陸、中東への遠征レースが、ここシンガポールを皮切りにスタートします。
東南アジア特有の暑さと湿気は、比較的涼しい欧州の気候に慣れたドライバーやチームメンバーには楽なものではありませんが、ライトアップされた美しい街並みや摩天楼の下を駆け抜けるマリーナ・ベイ・サーキットでのナイトレースは、だれもが楽しみにしているグランプリの一つです。
イタリアGPでのレース結果は非常に残念なものでしたが、高速サーキットのモンツァで、ある程度の速さを見せられたことは前向きに捉えています。また、今回のシンガポールGPは、前戦とは一転してタイトな低速コーナーが多いテクニカルなストリートサーキットです。同様の特徴を持つハンガリーでもいい結果を残せたので、我々にとってはポイントを獲得するための大きなチャンスだと考えています。マシンとPUのセットアップがカギになってきますが、シーズン終盤戦に向けていい流れを作るためにも、まずはここシンガポールでいい結果を残せればと思っています」
フェルナンド・アロンソ
「スパ、モンツァの連戦が厳しい戦いになることは分かっていましたが、2戦合計で3つのリタイアというのは残念でした。ただし、ポイント獲得にはつながらなかったものの、予想よりもいいペースを発揮することはできました。
ヨーロッパでのレースを終え、シーズン終盤戦となる遠征に気持ちを切り替えています。シンガポールは、そのフライアウェイ初戦としては最高の舞台です。ほかのサーキットよりも我々のパッケージに合っているので、いい結果が得られる大きなチャンスです。
コースは“東のモナコ”と言えるかもしれません。都市の中心部にある美しいサーキットで、雰囲気もすばらしいのです。ただ、高温多湿のタフな環境は、マシンとドライバーにとっては厳しいものになります。バンピーでタイトなコースには力を試されますが、うまく走れれば気分は最高で、本当に楽しいサーキットです。低速コーナーでのトラクションと、高いダウンフォースが求められるので、信頼性が確保できれば、間違いなく我々にチャンスがあるはずです」
ストフェル・バンドーン
「シンガポールでのレース経験はありませんが、ここ数年チームに帯同していたので、レースウイークの流れは分かっています。(すべてがナイトセッションのため)ヨーロッパ時間に合わせて動き、眠りにつくのが午前6時というのは不思議な感じがしますが、それもこのグランプリが特別なものである一因だと思います。シンガポールはすばらしい都市なので、街中を見て回るのも楽しみですね。
未経験ではありますが、シンガポールは年間で最もワクワクするグランプリの一つです。ほかのレースとは全く違った経験になるでしょう。グランプリの雰囲気は独特で、照明の下、街の中心部でレースをするのは、とてもいい気分だと思います。レース時間はカレンダー中でも最長の部類に入るので、高温多湿の環境下でいつも以上にスタミナが必要になりますが、その準備はしっかりできています。
この2戦、チームとしては厳しい結果でしたが、私にとってはコース上で見せたパフォーマンスに勇気づけられた面もあります。いい結果で終えることはできませんでしたが、すべてのセッションでポジティブな手応えを得られました。今回は運が向いてくるはずですから、週末を通じてパッケージの競争力を最大化できればと思っています。そして、日曜のレースではいい位置でフィニッシュしたいです」
エリック・ブーリエMcLaren-Honda Racing Director
「シンガポールGPはシーズンの中でも主要なレースと言え、アジアラウンドでもとりわけ注目度が高いので、チーム全員が毎年楽しみにしています。湿度の高い環境で昼夜逆転生活を送り、照明の下で、壁に囲まれた厳しいレイアウトのコースを走るという、かなり独特なグランプリです。ファンの皆さんも、この素敵な街の中心地で最高のレースを見ることができるでしょう。
チームとそのパートナー、そしてファンの全員にとって、すばらしい光景が広がり、だれもがその体験を待ち焦がれています。カレンダーの中でもベストと言えるレースが生まれ、さまざまなドラマが見られるはずです。
ここ2戦は厳しい結果に終わりましたが、我々はこれからのことに気持ちを切り替えています。シンガポールは、過酷な市街地コースが我々のパッケージにマッチするので、一年の中でも最大のチャンスが訪れるサーキットの一つです。結果に影響を及ぼすようなペナルティーを受けないように懸命に取り組んできましたし、まだ確認できていませんが、モンツァでのストフェルのリタイアで、新たなパワーユニットのエレメントを使用しなくて済むように願っています。
シンガポールGPが10周年を迎えるのはすばらしい成果であり、ファンとチームが毎年楽しみになるような最高の環境を用意してくださっている主催者の皆さんに、お祝いを述べたいと思います。McLaren-Hondaは全力で臨み、前を行くライバルたちにできるだけ近づけるように頑張ります」
まとめ
マリーナ・ベイ・サーキットは5.065kmで決勝レース61周で争われます。トップスピードが300km/h弱なためホンダの泣き所である300km/h以上の加速がないコースです。
低速域の加速においてはかなり改善できている現状のホンダPUは十分戦えるはずです。全開率も47%と低めなためアロンソの神ドライブがあれば間違いなくTOP10は狙えるはず。
燃費は1周1.9kg×61=115.9kgとなりかなり厳しいようです。ホンダは燃費でも他よりかなり劣っているため相当なハンデとなりますが、セーフティカー出動率が異様に高いので、もし出動となればかなり楽になるはず。とりあえず入賞に期待します。
来季の体制発表については正式発表がこのシンガポールGPで何かあるとの事。リーク情報のとおりマクラーレン・ルノー、トロロッソ・ホンダになるのかな?
やっぱりトロロッソ・ホンダで決まりのようですね。まあ、ザウバー・ホンダで来期を戦うよりは希望があります。
来期、ルノーよりもパフォーマンスが良ければ、2019シーズンからはレッドブル・ホンダが誕生することになりそうです。楽観的ですが・・
新井さんの時からマクラーレンはホンダの批判ばかり、バーニー・エクレストンの話だとチーム内の雰囲気も悪かったようです。
落ち着くところに落ち着いたということで、残りのシーズンはペナルティなんて気にせずガンガンアップデートを入れてテストし欲しい。まあ、そんな訳にもいかないでしょうが。
ただ、ドライバーについては大きな大きな不安要素ですね。
マクラーレンでテスト三昧w
トロロッソなら財政支援してマシンをアップデートしないとダメですね。
大株主がGOサインを出している(金も)みたいなので
もう時間の問題なんでしょうね。
ロン・デニスの色は消せという意味合いもあったのかも・・・。
トロロッソ・ホンダになると燃料・潤滑油が、エクソンモービルになるのか
BP・カストロールになるのかも注目点ですね。
モービルは最近も新しいのを入れるというアナウンスがありましたが
BPはまったく聞かないんですよね。
ホンダの燃費の悪さは燃料もかなり関係してますよねぇ。
専用の燃料会社ほしいわ。
質問
メルセデスのF1パワーユニット(ICE⁉︎)、テストベンチでは熱効率50%以上達成と9/13付motorsports.com記事にありました。が、
「ホンダのICE、熱効率の数値はどのくらいかわかりますか?」
http://www.auto-motor-und-sport.de/formel-1/fluch-f1-hybrid-technik-12561588.html
この記事によると、燃料消費量の差がメルセデス基準にしてフェラーリ2.5%、ルノー4%、ホンダ7%の遅れとなっていますね。この情報がFIAの燃料流量計のデータなのかわかりませんが、まぁまぁ的を得た数字だと思います。
この数字はそのままパワーや熱効率にリンクします。
ホンダはメルセデスに対し7%熱効率が劣っているという事ですね。
モタスポGP様、毎度「(燃焼率)明確な回答ありがとうございます」
この仕事沢山の専門知識要しますね(ドイツ語和訳)。
ドイツのモータースポーツ⁉︎専門解説も流石に一流ですね。
数値化は本当に明確に状況分析でき勉強になります。
さて、元記事motaspoGPに「2014年に、メルセデスのPUは44%の熱効率を達成していた。」との記載ありました。
差がメルセデス基準にしてフェラーリ2.5%、ルノー4%、ホンダ7%熱効率劣る。
(’17~’18)現メルセデス50%➖(’17)ホンダとの差 7%=“43%”ですね。
「ん~!そっか…」
「頑張って下さい。今回は、特にICE関係のHRDの皆様!!!」
熱効率とパワーに関しては関係性が複雑でよく分からないんですよね。
単純にガソリン消費を抑えれるのでセーブしない分
速いというのは分かるのですが・・・・
ちなみにエンジンの熱効率を最大限に上げると
出力はほぼゼロになる事が証明されてるみたいです。
エンジン単体でみれば燃料流量制限のせいで11800回転ぐらいが限度になっています。あのポイントが出力と効率の境界線だと思います。
ベルギーの終盤ハミルトンとベッテルの回生エネルギーの1周の使用量に明確に差がありました。
メルセデスは初年度からMgu-h特化でしたので回生効率がいいんでしょうね。