2019年のメキシコGPのホンダ勢は、予選1位(+3グリッド降格)フェルスタッペン、決勝5位アルボンが最高位の結果となった。

前評判通り空気の薄いメキシコで最速タイムを叩き出したレッドブル・ホンダのフェルスタッペン、しかしボッタスがクラッシュしている横をスロットル全開で駆け抜けてしまいペナルティとなる。

ここから何やら歯車は狂いだし、チームにとってもファンにとっても、もやもやするグランプリとなってしまった。

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予選タイム差±0.000秒

POS ドライバー F SPD-F S1 S2 S3 タイム Gap Tyre
1 VER 261 350 26.732 28.586 19.440 1:14.758 C4
322 301 258
2 LEC 263 358 26.689 28.812 19.523 1:15.024 0.266 C4
325 304 262
4 HAM 259 350 26.965 28.611 19.686 1:15.262 0.504 C4
319 299 258
5 ALB 259 346 26.979 28.820 19.537 1:15.336 0.578 C4
320 300 258
9 KVY 258 348 27.300 29.233 19.936 1:16.469 1.711 C4
320 300 256
10 GAS 259 349 27.120 29.495 19.971 1:16.586 1.828 C4
320 297 256

 

フェルスタッペンが最終コーナーでイエローフラッグがありながら記録した最速ラップタイムは素晴らしかった。1回目のアタックラップでも14.9秒台であり、アルボンとルクレールは2回目アタックで失敗している。ハミルトンは直前でボッタスがクラッシュしたため若干回避ラインを走ったがスロットルは全開であった。

ベッテルだけがフェルスタッペンに迫れる要素はあったのだけど、セクター2までで55.391秒0.073遅れとなっていたので、フェルスタッペンが最速だったのは確実です。

(このテレメトリー画像ですが出元が不明です。予想ではF1TVPRO関連だと思っています。PROは今現在ミニセクターの更新状況まで見ることが出来る優れものになっています。)

この比較を見るとレッドブルホンダは、ターン7から11までが際立って速いのがわかります。200~270km/hぐらいの中高速コーナーが速い、100km/hぐらいの低速コーナーではそれほど大きな差はないですね。

フェルスタッペンの最終コーナー速度グラフには、ボッタスのクラッシュに気づいてステアリング操作でラインを内側へ変更した事がわかる棚があります。

フェラーリとの加速比較では200km/h以上から差がついていく、フェラーリのこの加速力は一体なんなのか?メルセデスは気づいたみたいだけどホンダはわかったのかな?

決勝タイム差+21.399秒

ホンダ勢のスターティンググリッドは、4VER,5AJB,9KVY,10GASとなりトップ10に4台揃ったんですが、予選最速で期待のマックスが色々とやらかした。

スタート後のターン1,2,3ではハミルトンに押し出されたと思っていたが、ターン1をイン寄りから入り過ぎた事でリアをスライドさせハミルトンに当たりに行っていた。

それによって挙動を乱したハミルトンがターン2を曲がれずにフェルスタッペンを押し出す形になった。

VSC解除後のLap4ではボッタスのインへ素晴らしい突っ込み!

これでリアタイヤにボッタスのフロントウィングが接触していて、ホームストレートでパンク!丸々1周走る事になり最後尾へ

アルボンはフェラーリ2台のペースにしっかりとついていく3位を走行、クビアトは8位をキープするがガスリーはぺレス、リカルドにパスされていく、路面温度は44℃まで上昇しておりSタイヤはもう限界となった9周終了時点でガスリーはHへ

クビアトも10周終了時点でHへ、3ALB,18KVY,19GAS,20VERとなった。

アルボンは14周終了時点でMへ、あれれれなんでHじゃないよの2ストップばればれ戦略だしせっかくのMスタートなのにたった14周しか使わない疑問、最後尾でHのフェルスタッペンのペースは上位勢と同等なのにねぇ。

フェルスタッペンはLap23でマグヌッセンをオーバーテイクする時に押し出す。

コース外を思いっ切り走りオーバーテイク・・・。あれ?ペナルティがないな。

中盤戦略

フェルスタッペンはHで走り続け6位まで挽回していた、後ろのぺレスとのギャップをコントロールしてタイヤを保ち、行けるところまで行く作戦を敢行中。

44周終了時点でアルボンはHへ、クビアトはMへ

49周終了時点でガスリーはMへ

51周終了時点のタイム差は以下

この後、クビアトとガスリーはストロールをパスする。5ALB,6VER,10KVY,11GAS

そしてラストラップの最終コーナーでクビアト魚雷が・・9位ヒュルケンベルグを11位まで転落させた。クビアトには10秒加算ペナルティにより11位となった。

まとめ

暴れん坊将軍マックス再来って感じのメキシコGPでした。

予選イエローフラッグ無視でアクセル全開、フィニッシュラインを越えた瞬間にブレーキしている。

スタートは最高に良かったんだけど、ターン1進入でもう少しハミルトンに寄せていればあんなタイトなラインにならなかっただろうに。ボッタスをパスした突っ込みは見事だけど、今のホイールベースが長くフロントウィング幅が広いマシンでは、ああなるリスクは高いんだなぁ。

アルボンはなぜ2ストップ見え見えのMにするのか、タイヤはたれでは無くオーバーヒートしていただけでしょう。結局2スティント目のMでもペースが上がらず、35周過ぎて路面温度が低下してから良くなった。

P2走れなかった事が響いたかな?アルボンはタイヤをオーバーヒートさせない作動温度領域をキープする走りをマスターしないとならない。レッドブルにしては全体を見渡す事が出来ていなかったレース序盤だった、表彰台争いを自ら投げ出したとしか見えないよね。

 

トロロッソはSスタートしなければならなかった事が、やっぱり結果に響いてしまった。しかーし最後にはクビアトがチームポイント1を2にする魚雷を発射した。

もう・・君はやっぱりそうなのか・・。

https://www.formula1.com/(体調不良で走るガスリー)

ガスリーは食中毒で体調不良の中、予選でクビアトから0.1秒遅れ、レースでは前半から中盤にかけては良いポジションでは無かったが、3スティント目Mに交換したあとは元気いっぱい。

中団グループ最速タイムもマークしてクビアトに追いついた、そしてラッキーな9位入賞。

トロロッソに戻ってから本当に走りにキレが戻っているし、アンダー傾向で踏めるマシンであるトロロッソはガスリーには合ってるんだね。

これで勝てるはずのレースをまた一つ落としてしまったレッドブルホンダ、次のチャンスはブラジルとなるだろう。