2022年F1新規定のポイントはベンチュリー効果を高めるフロアに言及されるでしょう。

フロアと路面の間に負圧を発生させて、路面に吸い付くように走る事は空力効率が良くドラッグを減らす事が出来ます。

 

ボディやウィングで作り出すダウンフォースは、ドラッグとのトレードオフでありエネルギー効率が悪くなってしまう。

フロアを適切に機能させる事は、F1マシンの開発において延々と続く最大のテーマです。

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フロアトンネルの高さ規定

ベンチュリー効果を高めるトンネルには最低高さ規定があります。

路面に近づけば近づくほど負圧の強さが高まるので、最下点でZ=35mmと言う規定が設けられています。

ディフィーザーとの境目(キックポイント)は35mmでその長さは350mm、そしてフロントアクスルから2,000mmの地点は65mmとなっています。

(2023年は35⇒45mm、65⇒80mmとなります。)

これを踏まえた上で、様々なトンネル形状を見ていきましょう。

フェラーリF1-75のフロア

フロアトンネルの高さは、ほぼ最低高さを保つようになっていて路面に近い範囲が広いです。

フラットトンネルとでも言えばいいでしょうか?

フェンスやエッジを取り除けば、昨年までのステップドボトムに近い形状です。

アルファロメオC42のフロア

トンネル内部の高さが全体的に低いアルファロメオです。

フェンスの高さも低く、フロアに入る少ない空気を効率よく使おうと言うコンセプト。

アルピーヌA522のフロア

キックポイントの手前が波打つようになっています。

規定で許される65mmが始まるところで路面に近づくそして離れる、再び近づく、強い負圧の発生ポイントを分散しています。

メルセデスW13のフロア

元々はフェラーリのようにフラットトンネルでしたが、キックポイント手前をエッジに向かって斜めに掘り下げています。

業界一大きなトンネルになっています。

※終盤のアップデート後

センターエリアの拡大、トンネル内部の角度は真逆になっています。

マクラーレンMCL36のフロア

トンネルの高さは全体的に低い、もの凄く綺麗に低いトンネルです。

入る空気も少ないのでダウンフォース最大値が低くなります。

センターフラットエリアが広いのが特徴です。

アストンマーチンAMR22のフロア

レッドブルを出来るだけ真似をしたと思わる形状がちらほら。移籍したエンジニアの頭脳データが生きている?!

レッドブルRB18のフロア

キックポイント手前のトンネルが深い、何処よりも広いセンターフラットエリアがあるため幅は一番小さいです。

元々フロアへ空気を入れる面積が小さかったのですが、今では多い方に属されます。

 

キックポイント手前エリアは路面から離れていて、フェラーリが面で捉えると表現すればレッドブルは点で捉えています。

 

レッドブルはフェンス形状が明らかに違い、トンネル内ボルテックス、フロアエッジボルテックスが強く作れるでしょう。

どちらも車高が上がった時に、フロアをシールする為に効果を発揮します。

まとめ

フロアの負圧=ダウンフォースをどこでどのように作り出すのか?

負圧の最大値発生ポイントが面なのか点なのかで大きく違いが生まれています。

 

面で捉える方が最大値は高いが、路面の凹凸やコンディション変化に大きく影響を受けてしまう。

フロアは路面に近づいている事で効果を発揮するものです。

バンプ・サスペンションの硬さ・キックポイントのストールで発生するバウンシング、全ては車高によって決まります。

 

現在、車高を高く(mm単位)する事で失う負圧が少ないマシンがレッドブルです。

そして2番手に位置するのがフェラーリ、全く違うフロア構造なのにその差は少ない。

 

2023年はキックポイントが10mm上がってしまう、点で捉えるような形状では失う負圧が大きい。

レッドブル・フェラーリ・メルセデスがどのような答えを導き出すのか非常に楽しみな部分です。