2023年第21戦サンパウロGPの金曜日、FP1の走り出しから好調だったアストンマーチン、特にストロールの速さが印象的でした。
予選では風によって邪魔されたけど、ここで異様な強さを誇るメルセデス。
F1パフォーマンス分析とアストンマーチンAMR23のマシンを確認します。
予選シミュレーションギャップ
Q2で最速タイムを記録したノリス、フェルスタッペンはいつもの絶対的な速さはありませんでした。
レースシミュレーションギャップ
C2ハードでロングランを行った各車ですが、ダウンフォースを付けているレッドブルとメルセデスが速いです。
フェラーリはミドルダウンフォースリアウィングでストレートで最速、次にストレートが速いのはマクラーレンです。
特にマクラーレンはハードでズルズルと滑りまくっていました。
アストンもマクラーレンと同様でハードには合っていない。
アストンマーチンAMR23のフロアダウングレード
アストンマーチンはアップデートをする度に全体的なポジションを落としていった。
部分的にトレンドを組み込んでいった訳ですが、全体として機能していなかった。
チームとしてはシミュレーションツールの設定ミスがあったとコメントしている。
今回のフロアとサイドポッドの見た目上は、カナダGP&ベルギーGP時点のものに戻っているようです。(当初はベルギーだと思っていましたが混合でした)
- カナダGPのアンダーカット終わりにあるサイドポッドの凹み
- ベルギーGPの拡大されたフロアエッジトンネル
やめた主なアップグレード
- フェンス容量を減らすクラッシュブルストラクチャーの段差(アメリカGP)
- フェンス排出フロアエッジディフューザー(アメリカGP)
フェンス排出フロアエッジディフューザーを機能させるには?
フェンスのサイド排出は主にトンネルへの流れを引き抜く、内側フェンスの始点位置が重要ポイントです。
空気をフロアセンターに取り込む幅や範囲がRB19に比べて狭いAMR23です。
凄く単純な事ですが、空気を多く入れればフロアの機能は上がります。
それがリアディフューザーにそのまま届けば、リアキックポイントの負圧が増加しすぎてサスペンションが限界まで縮みバウンシングします。
レッドブルやマクラーレンはフェンス排出を上手く使いバランスを取っています。
入る空気量が少ないアストンマーチンがフェンス排出を増やせば、フロアセンターやリアまで届く空気量に支障をきたす。
フロア前方ダウンフォースは増えますが、リア側は減るといった感じです。
ストロールの走りが戻ったのはリアのスタビリティ向上が起因しています。
彼はリアがしっかりしたマシンを好むからです。
空気をいっぱい使えばパワーが上がるエンジン、空力も同様ですが何事もバランスが大事ですね。