2025年必須ソリューション第2弾、フロントウィングに続いては予告通りリアウィングについてです。
リアウィングは2022年より形状が多様化、DRSとの兼ね合いによりダウンフォースレベルに応じたデザインが必要になっています。
DRSの速度デルタを稼ぐには、フラップの方がドラッグとなるデザインが必要になります。
メインプレートはダウンフォースレベルを決める根本的なパーツとなります。
リアウィングのダウンフォースレベルは車高と密接に!
F1マシンがF1と言える所以は、フロアダウンフォースが他カテゴリーより圧倒的に上である事が一番でしょう。
フロアダウンフォース(フロアと路面の間で発生する負圧)は、ドラッグが少ないので速いタイムを刻むマシンはその数値と安定性が良いと判断できます。
車高を下げればどのF1マシンもその数値は高まります。しかし、その代償としてボトミングやバウンシング、タイヤへの負担増などが発生してしまう。
- 車高は速度の上昇に伴い下がる(ダウンフォースが増加するため)
- ダウンフォースレベルが高いと、車高の下がる幅が増加する
- ダウンフォースレベルが高いと、静止状態の車高を高く設定する必要がある
- 低速域では車高が高くなりフロアダウンフォースが減少する
- リアウィングをストレートスピード稼ぐために薄くする=車高を下げるために薄くする
- 車高の下がる幅が減少するため柔らかいサスペンションセッティングが出来る
こう考える事も出来るのです。
ラップタイムにおいてコーナリング速度を上げる事は簡単な解決策ですが、タイヤは摩耗してしまう。
ストレートでタイムを稼ぎ、タイヤを保たせる方が強い場面も多い、いざバトルになっても抜かれない追い抜きできる利点もあります。
マクラーレンMCL38のリアウィングの種類
マクラーレンのリアウィングは驚愕の7種類です。
レッドブルは2022年よりベース3種類を続けており、セッティング面において不利な展開が多く見られました。
超高速サーキットでは一番下のローダウンフォースタイプのフラップを大胆にカットして対応する苦肉の策、DRSデルタは少なくなり、ストレートスピードは速い方ではありませんでした。
各チームは2022年よりリアウィングの種類を増やしており、たった3種類で続けてきたレッドブルは不利な状況となるのは間違いないでしょう。
まとめ
各サーキットにおけるダウンフォースレベルとの兼ね合い、2024年は特にストレートスピードに主眼を置いたセッティングが多く見られました。
マシンの速さにおける差が縮まり、コース上でのバトルが増加しています。
バトルで勝つためにはストレートスピードとDRSデルタは必須な項目となるからです。
マクラーレンに続いてリアウィングの種類が多いフェラーリ、共に後半戦は支配的なチームでした。
フロントウィングとのバランスにおいてもリアウィングは重要パーツであり、既に実戦テストしているチームはシミュレータとの相関において一歩も二歩も抜け出しています。
さて、次回はストールを活用して高速域のバウンシングを無くす事について語ろうと思います。
ニューウェイさんはビームウィングを上手く使ってダウンフォースを調整してた気がしますが、今は複雑なビームウィングより、リアウィングで調整するのが正解なんですね