メキシコGPが行われたメキシコシティは海抜2,000m以上の高地のため空気が薄く、エンジンパワーの低下、空力性能の低下、そして冷却効率の低下も問題となる。空気が薄い事で伝わる熱が少なくなってしまうからである。

主にはブレーキとエンジンの熱をどうやって逃すかが焦点となり、どちらも空気の取り入れ口や排出口を大きくすることはドラッグとなるが空気が薄い事でその度合いは非常に小さい、それよりもレースを完走しなければならないため各チームは専用のデザインを投入している。

引用元:http://f1i.auto-moto.com/

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ルノー:ボディカウル後端

ルノーはサイドポンツーンから入った空気を多く逃がすためボディカウル後端を拡大している。

レッドブル:ボディカウル後端

レッドブルはルノーとは違いボディカウル後端にガーニーフラップを取り付けている。ギアボックスウィングも付けている。

ボディ上面の流速を遅くする事で、内部流速との差を生み出し、結果的に内部流速を増加させる。ウィングやディフィーザーと似たような効果がある。ダウンフォースの発生も少しはありそうだ。

フェラーリ:ブレーキ

フェラーリのブレンボ製ディスクには1400もの穴があるものが金曜日にテストされた。通常は1200で鈴鹿においては穴はかなり少ない。

リアブレーキのカバーには空気口が追加されている。

レッドブル:フロア

フェラーリがアメリカGPに持ち込んだフロアをレッドブルは超速でコピーしてメキシコでテストしている。

風洞での検証はせずにCFDのみで設計、3Dプリンタを使用して製造されています。現場ではそれらを平らな底に単に接着しました。

このようなデザインはザウバーがフランスから導入している。

 

空気が薄いメキシコではほぼモナコ並みな空力セッティング、それなのに最高速度360km/hを超えている。いかに空気が抵抗となるのかがわかったと思います。

マクラーレンが多分苦労しているドラッグの低減とダウンフォースの獲得は年々複雑化しており、2019年の空力規則の変更がどのようにチームバランスを変動させるのかが楽しみな部分となるでしょう。とは言いつつもトップチームはトップチームのまま変わりませんけどね。