2021年F1第5戦モナコGPのホンダ勢は、フェルスタッペンが予選2位から見事に優勝!
フェルスタッペンはモナコ初表彰台と初優勝、ホンダは1992年セナ以来のモナコ制覇を成し遂げた。
ペレスが4位、ガスリーは6位となり3台がポイントを獲得。
フェルスタッペンはドライバースランキングトップになり、2018年ドイツ以降続いていたメルセデスのランキングトップを崩し、レッドブル・ホンダがコンストラクターズランキングトップになった。
モナコGP予選タイム差+0.230秒
POS | ドライバー | F | T1 | S1 | T10 | S2 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | LEC | 268 | 282 | 18.612 | 284 | 32.983 | 18.751 | 1:10.346 | 3 | C5 | |
223 | 208 | 269 | |||||||||
2 | VER | 268 | 284 | 18.472 | 287 | 33.349 | 18.755 | 1:10.576 | 0.230 | 3 | C5 |
222 | 207 | 270 | |||||||||
3 | BOT | 270 | 285 | 18.599 | 287 | 33.041 | 18.961 | 1:10.601 | 0.255 | 3 | C5 |
225 | 210 | 271 | |||||||||
4 | SAI | 268 | 285 | 18.443 | 287 | 33.084 | 19.084 | 1:10.611 | 0.265 | 3 | C5 |
222 | 208 | 268 | |||||||||
5 | NOR | 270 | 285 | 18.633 | 282 | 33.219 | 18.768 | 1:10.620 | 0.274 | 3 | C5 |
224 | 210 | 273 | |||||||||
6 | GAS | 270 | 285 | 18.744 | 284 | 33.171 | 18.985 | 1:10.900 | 0.554 | 2 | C5 |
223 | 204 | 269 |
フェルスタッペンは、ターン10でミスしたと無線で言っていてセクター2タイムがかなり遅い、ガスリーよりも遅いなんておかしい訳で、ここだけで0.2~0.3秒ほど改善出来た可能性が高い。
Q3最終アタック、赤旗時点での各ベストラップセクタータイムに対する増減
ドライバー | S1 | ±Time | S2 | ±Time |
---|---|---|---|---|
LEC | 18.644 | +0.032 | 33.083 | +0.100 |
VER | 18.438 | -0.034 | ||
BOT | 18.489 | -0.110 | ||
SAI | 18.689 | +0.246 | 33.157 | +0.073 |
GAS | 18.715 | -0.039 |
ルクレールは、自身のベストタイムを超えられないだろう。サインツもかなり悔しがっていたが、ちょっと難しそうだ。
フェルスタッペンとボッタスに、タイムアップの可能性があったQ3最終アタックだった。
しかしながら、フェラーリSF21の縁石に乗った後の、マシンの収束とスロットルオンの早さは驚異的だった。ここまでの4戦で度々見せていた低速コーナーの速さ、縁石を大胆に使えるサスペンションが強みなのかもしれない。
モナコGP決勝タイム差▲8.968秒
ポールポジションのルクレールが、左側ドライブシャフトのトラブルでグリッドに付けずにリタイア。(本当はデフあたりに問題があったんだろ・・・と思ったらぶつけた反対側のリムだった。)
The heartbreaking moment
Poor, poor Charles #MonacoGP #F1 pic.twitter.com/Kac9MXf4Vo
— Formula 1 (@F1) May 23, 2021
レッドブル・ホンダ&マックスにとっては、労せずしてグリッドトップが回ってきた。
ターン1をトップで抜ければ勝ったも同然な展開になり、よしよし行ける・・・がここで勝てると言ってはいけない気がした。
スタート、案の定ラバー差で出足が悪いフェルスタッペン。
すかさず、必殺鬼寄せブロック発動!!
ターン1をトップで抜け加速していくフェルスタッペンを見る。(90%勝ったと確信)
しかし、ガンガン飛ばすフェルスタッペン、え・・ちょっとあの~定跡ならペースコントロールして、後方マシンの間隔無くして、先にタイヤ交換させてピットアウト後に、速く走れるスペース潰すよね?あれ?あれれれ?
それに食らいついてくるボッタス、しかしこれはレッドブルの術中にまんまとハマっていた。
フェルスタッペンは速く走った後、ちょっとペースダウンする0.2~0.3秒ぐらいのラップタイム差だが、これをLap10ぐらいまで続ける。
ギャップ1秒前後での乱流攻撃だ、ボッタスは前走者が居る時のタイヤマネージメントが良くない。Lap20を過ぎたあたりから、リアタイヤが終わったボッタスはどんどん離れていった。
レッドブルは、速いペースを維持する事で、自身のピットストップウィンドウとスペースを広げる作戦だった。2次的に、後方マシンの団子状態が無くなり、3~4台が連なる事で生じるドライビングミスやマシン同士の絡み合いを阻止する事にも繋がっている。
SCやVSCの可能性を潰す事、十分なタイム差を作る、後方のメルセデスにチャンスを与えない。
Lap30:ガスリーの後方1.2秒のハミルトンが、全ドライバー初のピットイン、ハードへ交換する。
Lap31:ボッタス、ノリス、ガスリーがピットイン、ボッタスはナットが外れずリタイアしてしまう。フェルスタッペンの勝利はここで完全に確定!
ハミルトンはピットアウト後、驚異のバックマーカーマゼピンの後ろに入っていた。セクター3で完全に後ろにハマる、36℃に下がっていた路面温度、ハードの温まりが悪い。再びガスリーの後ろに戻る事となった。
ガスリーの3.8秒後方に居たベッテルは、前が開けた事で飛ばす、その後ろ1.2秒差でペレスも飛ばす。
Lap32:ベッテルがピットイン、タイヤの温まりが悪いガスリーのペースは上がらない、ベッテルがピットアウトして並ぶ、ターン3を先に抜けたベッテルは5位、約4秒もオーバーカット出来ている。
ガスリーにとっては痛いベッテルの壁となった。
Vettel ⚔️ Gasly
#MonacoGP #F1 pic.twitter.com/3zuj1YLXBI
— Formula 1 (@F1) May 23, 2021
ペレスは、温存していたタイヤで、32周目をその時点のファーステスト14.5秒台、33周目14.6秒台、34周目15.0秒台のハイペースを維持する。
35周目ハードでペースが上がらないベッテルに対し、セクター2までに21.6秒差作った。
Lap36:ペレスはピットへ滑り込み、ベッテルの前2.1秒でコースイン、4位へ浮上。
ペレスは実に7~8秒のオーバーカットをした事になるが、これはガスリーのおかげであり、ベッテルのおかげであり、なんならハミルトンのおかげである。
フェルスタッペンは、35周目にピットインしてトップをキープ、サインツが3秒差まで迫ってくるが、余裕のペースコントロールでギャップをコントロール。
最終的にサインツを突き放し、チェッカーまで走り切ったのだった。
No floating energy station this year but still plenty of ENERGY!!! #MonacoGP #GivesYouWings pic.twitter.com/Rh8a5WGmKP
— Red Bull Racing Honda (@redbullracing) May 23, 2021
まとめ
SCが導入された近年のモナコで、こんなレース展開は久しぶりに見ました。
ほとんどのドライバーが自分のペースで走れる事で、突発的な接触やクラッシュが無くなり、SC無しなんて本当に良いレースになった。
それを作り出したのが、レッドブル&フェルスタッペンのハイペース戦略。2位で追いすがるボッタスを付き合わせて潰し、主導権をがっちりとキープした。
1時間38分56秒と言う、モナコGP史上最速のレースだった事が、それを物語っている。
予選ではドライバビリティの無さを露呈して、フェルスタッペンとペレス両名とも苦労している。フェルスタッペンでもミスしてしまうほどに、限界領域において融通が利かないRB16Bだった。
本来ならフェラーリにここまで脅かされる事は無いはずなのだが・・・。
いや、だからこそ、他のパーマネントコースでメルセデスと戦えるマシンになっているとも言える。
2019年の忘れ物を手にしたレッドブル・ホンダ、メルセデスとはコースとの相性で勝利を分け合っていくだろう。本当に目が離せないシーズンです。
最高のモナコGPでした。
そして、ホンダにとって本当にガスリーは、2018年から救世主だなぁっと、しみじみ思うのだった。
6th in Monaco!!😁Intense race with Lewis behind for the full race, and a close fight with Seb, it was a shame we couldn’t hold the P5, but a great weekend overall. Best qualifying & best race result of the season, let’s keep it going this way! Thanks team!! @AlphaTauriF1 pic.twitter.com/QipcOMxFyq
— PIERRE GASLY 🇫🇷 (@PierreGASLY) May 23, 2021
こんなに分かりやすい解説は他に無いです♪
いつもありがとうございます。
予選で苦労したRB16Bですが、決勝には見事に合わせこんできました。
重箱の隅を突くようなセットアップの変更なんでしょうが、エンジニアの頭の中、覗いてみたいです…。
管理人さんの
>すかさず、必殺鬼寄せブロック発動!!
には笑いました。ほんとマックスは引かないからね、ルクレールが居なくて良かったです。
それにしても、ガスリーは素晴らしいドライブでハミルトンを封殺。
抜けないモナコは難しいですね。
角田はまあFP2のミスもあり予選に失敗したのが全てでしたね。
スターティンググリッドについた時点で、マックスのマシンはIN側向いてましたからね。
完全に鬼寄せブロック前提でしたよ(笑)
必殺ブレーキング幅寄せ!も得意技なんですが、クソガキ認定されるので、封印されてますww
ルクレールは左ホイールハブにクラックがあったそうです
メルセデスはタイヤに優しい反面熱入れに時間がかかる
次のバクーも低摩擦で気温が低いので若干苦戦するのではと思ってます
約2キロのストレートはありますが長すぎてフロントタイヤは冷えてしまうはずです
ただレッドブルはエネルギー回生の面で若干不利なのでストレートエンドでどうなるか
また今後暑くなって来るとタイヤの事でレッドブルが不利になりメルセデスが有利になると思いますか?
バクーとかモンツァとかRBはダメ
薄々ウィングコースで、速かったためしがない。
モナコ惨敗だったメルセデスも、しっかり対策して本来の立ち位置に戻るか?もしくは問題点を引きずるか?
タイヤの熱入れに苦しむなんて、やっぱり今シーズンにこそDASが必要だったのでは?もう昨年に使ってしまった。
レッドブルホンダは
アゼルバイジャン、フランスを何とか耐え凌んで地元オーストリア2連戦に突入して欲しいですね。
もう2基目PUの切り替えも近づいていますし。
対策も何も無いと思いますね。
メルセデスはフロアダウンフォースを失って、2017とか2018の状況に戻った。
モナコやシンガポールは最初から捨てレース。
ただ、今回は捨てすぎたけど。
ティルケサーキットだとオーバーテイクも可能になり、タイヤに優しく速い方が断然有利。
V8時代はうすうすウイングで激速だったんですけどねえ。
ペレス4位の理由が解ってスッキリしました!
ペレスのオーバーカットは、約4周のハイペース、それを行えるタイヤ、ベッテルの蓋が鍵。
私も書いてて謎が解けた感じです。
ルクレールのドライブシャフトですが、本当にリタイアの原因がドライブシャフトだったとして、ドライブシャフトを交換した場合って、パルクフェルメルールに抵触してピットレーンスタートになるんですかね?
もし、そうなら単純にポイント圏内は不可能なので、PUのマイレージ温存の為にリタイアしたのかな?と思ったりしました。
全く同じパーツなら、ルール上問題無いはずです。
モノコックだけは、同じでもピットレーンスタートだったと思う。
一定使用義務のあるギアボックスや基数制限があるPUなど以外は
同じ形状・重さのパーツであれば問題ないですよ。
現に、クラッシュした右(リア)のドライブシャフトは何のお咎めも無く交換しています。
あの時レコノサンスラップでマシンの異常に気付き、ガレージに戻ったのですが、
単に交換作業の間にほぼ間違いなく、レース開始15分前ルールでピット出口が塞がれるから、
ピットスタートになってしまうというものです。
パルクフェルメルール(マシンの状態保持)ではなく、運営タイムテーブル上のことです。
JINさん
takaさん
ありがとうございます。
ではやはり、完全にフェラーリのミスですね。
温度は個人差あれどもずっとホンダを応援してたら
ガスリーも応援しちゃいますよね!