2021年から新たに「FIA FORMULA ONE FINANCIAL REGULATIONS」が導入される。チーム活動経費の一部が1億7,500万ドルを超えてはならない。
これについて、F1技術開発が損なわれるなど悲観的な意見をネット上で見ます。経費として除外できる部分がかなりあるんですよね、ちゃんと調べもせず否定する事は間違っていると思う訳で、その部分に注目してみましょう。
F1コスト制限除外部分の文書
※Google翻訳をそのまま記載しています。
3.1 関連費用の計算では、報告グループの総費用内の以下の費用と金額を除外する必要があります(「除外費用」)
(a)マーケティング活動に直接起因するすべての費用。
(b)F1ドライバー、またはそのF1ドライバーの接続者に提供されるすべての対価の費用。F1ドライバーのサービスをF1ドライバーに提供するか、F1チームの利益のために、すべての旅費と交換します。各F1ドライバーに関する宿泊費。
(c) F1チームに、またはF1チームの利益のために他のレーシングドライバーのサービスを 提供する他のレーシングドライバーと引き換えに、他のレーシングドライバー、またはその他のレーシングドライバーの接続パーティーに提供されるすべての対価の費用、とともに、他の各レーシングドライバーに関するすべての旅費および宿泊費。
(d)(個々の以外の3人に提供した対価のすべてのコストを考慮のすべての費用は、他のサブに従って除外されている人の点で最高の総額人の点では、この条3.1条)検討をして認識されています。報告期間中の報告グループ(「除外対象者」)または除外対象者の接続当事者への総費用。いずれの場合も、F1チームに、またはF1チームの利益のためにサービスを提供する除外対象者と引き換えに関連する雇用主の社会保障拠出金、および各除外者に関するすべての旅費および宿泊費。
(e)遺産資産活動に直接起因するすべての費用。
(f)すべての財務費用。
(g)すべての法人所得税。
(h)非F1アクティビティに関して:
(i)非F1アクティビティに直接帰属するすべての費用。および
(ii)F1チームが以下の費用の特定可能な部分が非F1活動に関連するコストキャップ管理の満足度、
それらの費用のその部分:
(A) 両方に従事する従業員に提供された考慮、および関連する雇用主の社会保障貢献F1アクティビティと非F1アクティビティ。
(B)F1活動と非F1 活動の両方で発生した電気、ガス、水道の費用。
(C) F1活動と非F1活動の両方の過程で使用されるプラントおよび設備に関するリース費用。および
(D) F1活動と非F1活動の両方 の過程で使用されるプラントまたは機器のアイテムのメンテナンスのために発生した部品および消耗品、および外部委託サービスのコスト。
(i)人事活動、財務活動、または法的活動に直接帰属するすべての費用。
(j)すべての財産費。
(k)すべての従業員ボーナスコスト。年間報告期間の最大額は、以下のいずれか低い方になります。
(i)固定従業員報酬総額の20%、および
(ii)以下に関して:
(A)各年間報告2021年12月31日、2022年12月31日、2023年12月31日、米国ドル10,000,000で終了する期間。および
(B)2024年12月31日に終了する通年報告期間およびその後の各通年報告期間、10,000,000ドル(インデックス作成用に調整)。
ただし、F1チームが米ドル以外の表示通貨を有する場合、条項に従って計算された金額3.1(k)(ii)は変換されるものとする
初期適用レートでの米ドルから関連する表示通貨へ。説明のために、 第3.1(k)(ii)(A)に記載されている通年報告期間の選択された表示通貨で第3.1(k)(ii)に従って計算された金額は次のとおりです:表示通貨(略)
(l)次の金額:
(i)F1チームの参加と参加に関連してF1チームがFIAに支払うで、該当する報告期間に開催される選手権。および
(ⅱ)いずれかのスーパーライセンスに関連したF1チームによってFIAに支払わ適用で選手権起こるの点でF1ドライバー報告期間。および
(ⅲ)F1チームによって選手権への商業権者に支払われるコマーシャルとの契約に署名として承認に基づきにおけるF1チームの参加に関する権利保有者および/またはFIA選手権。
(m)これらの金融規制の違反に関するすべての金銭的罰則。
(n)F1チームによって使用されるパワーユニット供給境界内の商品およびサービスのすべてのコスト、通年の報告期間中、技術規則に定められた適用最大価格に等しい金額まで。
(o)減価償却費、償却費、減損損失、および有形資産および無形資産の再評価または処分の結果としての金額。
(p) 外貨 建ての金銭項目の決済および/または再測定から生じるかどうかにかかわらず、純損益で認識されるすべての為替差損益。
(q)雇用主の社会保障拠出金を支払うために適用法により報告グループ事業体が必要とされる場合、かかる強制拠出金が超過する金額総従業員報酬の15%。
(r) 人員による競技または現行車のテストに関連するすべてのフライトおよびホテルの費用。
(s) F1チームのF1車のパワーユニットで 使用する代替燃料およびオイルの開発、そして、テスト、および検証に直接起因する、パワーユニットサプライヤで発生したすべての費用。
(T)のみ移行実施期間中は、すべての従業員退職給付、および関連する雇用者の社会保障負担。
さすがGoogle先生は大体わかる翻訳になっています。
2021_formula_1_financial_regulations_-_2019-10-31
除外経費のポイント
- マーケティング費用(プロモーション関連)
- ドライバーの年棒及び旅費と宿泊費(家族やサードドライバーも含まれる)
- チーム首脳陣3名の年棒及び旅費と宿泊費
- 従業員のボーナス(報酬総額の20%,1,000万$のいずれか低い方)
- パワーユニット供給境界内の商品およびサービスのコスト(上限1,650万$)
- 減価償却費、償却費、減損損失(ファクトリーや設備)
- 競技・テストに関わる人員の旅費と宿泊費+パワーユニットと燃料・オイル
- FIAに支払う登録費用
以上、大まかに抜粋してみました。要するにマシン開発にかかる経費以外を除外したって事だろうね。
2018年度チームの経費
racefans.netで公開された推定経費を元に表にしてみました。
チーム | 2018年経費 | ドライバー年棒 | 2019分配金 |
---|---|---|---|
フェラーリ | 4億 1,000万 | 4,850万 | 2億 500万 |
メルセデス | 4億 | 6,550万 | 1億 7,700万 |
レッドブル | 3億 1,000万 | 1,490万 | 1億 5,200万 |
マクラーレン | 2億 2,000万 | 426万 | 1億 |
ルノー | 1億 9,000万 | 2,150万 | 7,300万 |
ウィリアムズ | 1億 5,000万 | 75万 | 6,000万 |
トロロッソ | 1億 5,000万 | 47万 | 5,200万 |
アルファロメオ | 1億 3,500万 | 473万 | 5,600万 |
ハース | 1億 3,000万 | 300万 | 7,000万 |
レーシングポイント | 1億 2,000万 | 470万 | 5,900万 |
※単位$(19.11.24時点108円)
フェラーリやメルセデスはパワーユニット部門の経費が含まれています。⇐含まれていないらしい。
2016年のフォーブスによる発表によれば、メルセデスの経費は5億1,700万$で内HPPが1億6,200万$でした。チーム経費だけなら3億5500万$って事になります。あれ?思ったより使ってないですね、これを踏まえてドライバー年棒、エグゼクティブ年棒を考えるとチーム経費だけならレッドブルがトップになりますね。
除外できる経費を端的に考えれば影響を受けるのはトップ3チームのみって事です。
トップ3チームは設備投資も高く、ドライバーやチーム首脳陣の年棒も高い、レッドブルはプロモーション費用も高い、減価償却費も高い、それらを引いていけば。2億$ぐらいじゃないかな?
トップ3チームだけが約2,500万$の経費を減らす戦いになるって事だろうね。
2021年マシンは2020年に経費制限が無い状態で作られるため、トップ3チームは依然として表彰台を独占します。その後2022年に関しても中団チームが予算を増やせない限り縮まる事は無いでしょう。
FOMの改革はまだまだ中途半端だって事ですよ、F1における技術開発競争は多少の影響を受けるが、まぁほとんど変わらない。マシンレギュレーションもかなり縛りがきつくなり開発余地が無くなる部分も多々出てくるからです。
もっと制限していかないと無くなるチームも出てくるだろうし、今後F1存続のためには新規チームのためにカスタマーシャシーとカスタマーパワーユニットも必要になってくるだろうね。ダラーラとフェラーリが組めば簡単にできちゃうんだけどね(ハース)。
以上、現状わかる部分でまとめてみました。
簡単に言うと、シャーシ開発に関わる経費以外は殆どが除外って事ですね。
メルセデス・フェラーリがPU開発費込みってのも少し疑わしいですが。
パワーユニット開発費用はほんとによくわからない、昨年ぐらいだとメルセデスは含まずに4億$使ったなどの報道があったりする。
ホンダはずっと2億ユーロなんて言われていたが、1億ユーロぐらいみたいだし。
まぁレートが違うんで何とも言えない部分ではある。
現代社会は良いアイデアがあっても高度な技術開発にはとてもお金が掛かる。どれだけお金を集められるかで勝負が決まってしまう社会だ!
フィナンシャルの規定はF1に更なる争議を醸すこととなるのでは?「流量計」問題より不得手で解かりにくいと思う。 今の国会みたいになるのか?(笑)
それでも、一方的に動こうとしている時代社会に対する新たな試みに賛同するしかないな。時代のテーゼとしてFIAそしてF1チームに頑張ってもらいたい。
TOP3。マシンを壊すドライバーは除外の方向?何てことにはならないでほしが…
>パワーユニット部門の経費が含まれています
racefansの記事(How much teams spent in 2018 – part one)に
Team budgets exclude engine divisions where applicable(エンジン部門は含まない)とありますが
>2016年のフォーブスによる発表によれば、メルセデスの経費は4億4,000万$で内HPPが1億3,900万$
https://www.forbes.com/sites/csylt/2018/04/08/revealed-the-2-6-billion-budget-that-fuels-f1s-ten-teams/#5f07bc866595
ポンドかな
フォーブスの表はポンドでしたか?ぱっと見でユーロにしてましたわ。
これは失敬、だったらドル換算で1.29倍ですね。
訂正しておきます。
なんだか、優秀なフィナンシャルコントローラーが暗躍しそうな…w
現状のままの様に、ドライバー個人のレベルではなくチームやスポンサーの財力で争うようなスタイルのf1は何だか本来のカーレースのスタイルとは意図とかが違うような気がします。確かにコスト制限・パジェットキャップには反対も出るのも分からないでもありませんが、このままでは撤退するチームも増えて新規参入のチームも出て来なくなる傾向になると思います。2010年新規参入3チームも既に撤退して早や3年。あれ以来、新規参入チームはハース・フェラーリのみ。現状のチーム数10チーム。これはちょっとまずいと思いますが。
F1は昔からマシン開発競争であり、資金力の戦いである。
それが一旦抑制されたのが2009年~2013年のエンジン開発凍結とエアロパーツの大幅禁止。
2014年からのハイブリッド化で一気に開発コストが跳ね上がり、2017年のマシン拡大路線で更に大きくなった。
そこに世界的なF1人気の低迷と宣伝効果の減少が合わさり今に至る。
世界的にレース自体の衰退は避けられない、この10年でほとんどワンメイク化しているし、F1の進むべき道はある意味決まっています。