市街地シンガポールGPは、フェルスタッペンの予選4位、決勝3位がホンダ勢最上位の結果となった。
予選でポール争いして決勝では先頭に立ちレースをコントロールして優勝するとの思惑が、あっさりと崩れ去った。
モナコでの速さ、アップデート後のハンガリーでの速さを加味すればそう考えるのが自然の流れですが、予選で4位が精一杯な状況が全てを狂わせてしまった。
予選タイム差+0.596秒
POS | ドライバー | F | SPD-F | S1 | S2 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | LEC | 263 | 312 | 26.211 | 37.127 | 32.879 | 1:36.217 | 3 | C5 | |
318 | 287 | 265 | ||||||||
2 | HAM | 263 | 312 | 26.442 | 37.132 | 32.834 | 1:36.408 | 0.191 | 3 | C5 |
315 | 284 | 264 | ||||||||
4 | VER | 258 | 308 | 26.644 | 37.174 | 32.975 | 1:36.813 | 0.596 | 3 | C5 |
312 | 284 | 264 | ||||||||
6 | ALB | 261 | 309 | 26.801 | 37.513 | 33.097 | 1:37.411 | 1.194 | 3 | C5 |
313 | 283 | 260 | ||||||||
13 | GAS | 258 | 309 | 27.201 | 38.064 | 33.434 | 1:38.699 | 2.482 | 2 | C5 |
311 | 282 | 258 |
セクター1のパワー区間で遅れる事は分かっていた事だけど、ちょっと差が大きい。
その割にセクター2,3で他よりも速く走れなかった。金曜日まではいい感じだったのだけど、土曜日になってからセットアップを間違ったのか?
メルセデスやレッドブルはコーナリングマシンであるとの論点を覆したフェラーリの速さ、マリーナベイはコーナリングサーキットではないって事なのかな?レイアウト的には単純なストップ&ゴー、大きくなったウィングなどで直角コーナーのスピード差は無くなり、短い直線での加速勝負だけになってしまったのかもしれない。
C5タイヤの作動温度において、フロントは入力が多すぎてオーバーヒートなのか?入力が足りなくて作動しなかったのかがちょっと不明です。
決勝タイム差+3.821秒
スタート順は、4VER,6ALB,11GAS,14KVY、ガスリーはH、クビアトはMスタートであった。
Lap1:サインツとヒュルケンベルグが接触により脱落、4VER,6ALB,10GAS,12KVY
Lap10:クビアトが遅れだす新品Mがもうダメになったようで、その後15位まで転落。
Lap13:クビアトはHへ、アクシデントではない全車最初のピットストップでした。18KVY
15周をすぎてピットストップへのタイミングを伺うトップ6ですが、トップのルクレールが遅いペースで抑え込んだため中団ロングスティントする車とのギャップが築けず早めに動けば渋滞にはまる状況。
ルクレールとハミルトンが牽制する中で真っ先に動いたのはフェルスタッペンとベッテルでした。
Lap20:フェルスタッペンはHへ、ヒュルケンベルグの後ろ12位で戻り、すぐにオーバーテイクして11位
Lap21:アルボンはHへ、ヒュルケンベルグの後ろ11位
Lap23:アルボンはヒュルケンベルグをパス10位
Lap24終了時点
ピットストップロスタイムは27~28秒、この時点でフェルスタッペンはトップハミルトンの前になる事が確定、ロングスティントのガスリーがなんと3位まで躍進。
アルボンのペースも良く、ハミルトンをアンダーカットするまであと4秒、行けるかと思われたがボッタスがペースを落として抑えこまれる27周ピットアウトしたハミルトンはボッタスの前で復帰する。
フェラーリ2台を追うフェルスタッペンは、ロングスティントしているマシンを抜いていくのだが、フェラーリがストレートであっさり攻略していくのに対し数周遅れてしまう。
Lap30:ガスリーはベッテルにパスされる。同一周回バトルでガスリーはラインを譲るそぶりも無く軽く接触してアウトにはらんでいる。強気なドライビングにニンマリ。
Lap33:ガスリーはMへ、3VER,8ALB,14KVY,16GAS
Lap36:ラッセルとグロージャンが絡みラッセルがクラッシュしてSC
SC中Lap40(41再開直前)
SC中クビアトはSへ交換した。
Lap41:レース再開しガスリーはタイヤがまだ新しいストロールを上手くパスする。11GAS
Lap43:ぺレスがストップしてSC、10GAS,12KVY
Lap48:レース再開しガスリーが一気にポジションアップ、8GAS
Lap50:13位だったクビアトはタイヤがたれたライコネンを撃墜する。これでまたSCとなる。
Kimi Raikkonen’s race ended early after this lunge from Daniil Kvyat 😕#F1 #SingaporeGP pic.twitter.com/eHdOuZHkp9
— Formula 1 (@F1) September 22, 2019
クビアトはマシンバランスが崩れて15位まで転落。
Lap52:レース再開するがポジションチェンジは無くチェッカーフラッグ
3位フェルスタッペン、6位アルボン、8位ガスリーと3台が入賞を果たした。
まとめ
レッドブルは金曜から土曜にかけてセッティングを大きく変える何かをしたとマルコ氏は語っている。
Marko na moeizame vrije trainingen: “Moeten wat nieuws verzinnen”
金曜日のセッティングには戻せない大がかりなものだったらしい。
レッドブルは金曜日の時点で、縁石の高さや路面のアンジュレーション(波状の起伏)のシミュレーションが違っていた事でイニシャルセットを間違っていた。そして総ダウンフォース量の決め手となるレーキセッティングを調整したとの情報もあり。サスペンションチューニングと空力において不完全なセッティングだった事が主な要因となるのだろう。
こういう時にパワーがあればそれなりのタイムになるはずなんだけど、まだまだ発展途上なホンダにはつらい局面でした。
期待外れな予選であったけど、決勝の戦略でポジションアップして3位表彰台を獲得した事は良かったです。
躍動のガスリー
ガスリーの力強い走り、自信を持ってドライビングしている姿に嬉しさを感じました。トロロッソへの降格、友人を失い、心が折れそうになる状況の中、走り続ける事でしか応えられないF1ドライバー。
マシンに乗り込む直前テレビに映った彼の顔に何か感じるものがあった、そうやれる男の顔だってポジションアップしていく中で確信に変わっていった。
曲者的なドライバーが脱落していくラッキーもあったのは事実だけど、このドライバーズサーキットで10位では無く8位は本当に立派な結果。ガスリーファンは安心して良いと思う。
GOOD JOB!! PIERRE GASLY san
今回はメルセデスが上手く動けずそのおかげでマックスが3位、アルボンは特に見せ場はなかったものの6位、ガスリーはタイヤをマネージしつつアタックし続けての8位はみんな立派でしたね。
クビアトはちょっと焦りが出たのでしょうか?全体的に雑な動きをしていたように思います。
表彰台のマックスはさすがですが、個人的に今回のホンダ勢一番星はガスリーにあげたいかな。
マルコからは来季アルボンとガスリーの二択という話が出ていて、おそらく現状ではアルボンの方が優勢なのかもしれませんが、ここまでの経緯からはマルコが割とガスリーをかわいがっている(気に入っている)ような素振りがみえるので頑張り次第では可能性が無くもないと思います。
アルボンも予選でもう少しマックスに近い位置へいけると最高なんですが…。
メキシコの後で決定との報道もあるので二人には頑張って欲しいですね。
う〜ん、そういう事もあるのねと言うか、ちょっとトップチームのレッドブルにしてはらしくないミスと言えるのかな。でも、要因がわかれば…ね、ですね。
私的な問題点を上げればサスペンションの油圧制御だと思います。
レッドブルとメルセデスは前後共に油圧車高制御、フェラーリはリアのみ(2018ドイツから)なはず。
瞬間的な動きに対してはトーションバーが働き、ヒーブサス(油圧)は全体の荷重量によって伸び縮みする。
それらの調整は圧力の他に、パーツの違いも存在すると仮定すれば、フロントはともかくリアはギアボックスケーシング内部なので簡単には交換できなくなる(P3⇒Q)
物量があるトップチームだからこそ起こる罠かもしれないですね。
20~30憶円のシミュレータは規定が変わったりアップデートによって相関がとれなくなってしまったのかなぁ。
路面状況が昨年と大きく変わってしまう市街地だから起こるハプニングなんでしょうね。
逆に、今回の件が単純に人的なケアレスミスでなく、シミュレータの相関が取れなくなっての結果だとすれば、ちょっと深刻な気がしますが…
あと、自分も序盤戦の頃に、なかなかグリップが安定しないと言われてた頃に、たしか解説者のツガーさんだかモリワキさんだかが、「よく見ててくださいレッドブルは積極的にリアサスを動かしていますから」と言っているの聴いて、要因はそれじゃないのか?と思っていましたね。積極的に極端に動かし過ぎてドライバーの感覚以上にグリップが変動し、それで手こずっているんじゃないか…と勝手に想像してました。
リアの油圧ヒーブサスは難しいんですよね。でもそれがないとストレートでリアが下がらくなくなりドラッグロスしてしまう。
フェラーリの導入時期とベッテルが勝てなくなった頃が一致するのが面白いところ。
アクセル踏んでリアに荷重移動した時にフワッとする感覚があるのかな、セッティングが決まってないと何処まで踏めば限界点なのか?見極めが難しくなると思います。
情報が本当ならロシアには改善出来るはず。
改善してロシア、そして鈴鹿での勇姿を見せてくれ!
ロシア、新燃料欲しいところです。
燃料の威力は凄いと聞きますがspec4も新燃料が入って完成って感じなのかな。
どれくらい効果あるのか想像もつきませんが、希望と待たされた期待分含めてあと30psお願いします。
フェラーリとシェルがやっている事
想像ですが、燃焼してピストンエネルギーを下げずに排気エネルギーを上げる。
シェルのコメントなどから想像すると、エンジン開発はシェルの燃料を起点として行われていると思います。
タービンを如何にして効率良く回すのかが焦点なので、エンジン自体のパワーを下げずにタービンエネルギーを増やす事が燃料に求められる事です。
多分MGU-Hの出力も80kwが相場ですが、フェラーリの方が高い設定の気がします。
PUにおいて自由度があるのはMGU-Hなので、フェラーリの優位性を説明するにはこれしかないかなぁ。
後は回転数の問題も最近気になっています。
タービンとコンプレッサーは同回転でなくてはいけないのですが、MGU-Hは速度比が固定されていれば良いとレギュレーションに書いてあります。
ちなみに回転数制限はMGU-H(125,000rpm)のみです。
「シンガポールで負けたのはホンダがクソだからだ!」
って言わないマルコは立派ですw
原因がシミュレータの設定ミスだとして、ミスの原因は単純な入力ミスなのか、前提となるパラメータが間違っていたのか…鈴鹿はホームだからさすがに間違えないとは思いますが…
初コメント致します。
あまり、スペック4の記事がないのですが、実際よくなっているのか分からないのですが、どうなのでしょうか?
私もさっぱりわかりません;;
イタリアではレブ縛りがなければペレスを抜けていた。
シンガポールではターン6でメルセデスに並ばせなかった&並べなかった。
ピークパワーは大きな差はないと思います。問題はデプロイ生成部分でしょうね、ドライバーから頻繁に聞こえるノーパワー。
マッピングを含めエネルギーマネージメントの遅れが大きいです。
やはりロシアに5基目のエンジン投入ということで
開幕時点からマルコが言ってた5基使うは本当でした。
たださすがにスペック5は無理でした期待し過ぎでした。
新燃料に期待ということで。