パワーユニット関連の前回の記事ではメルセデスとフェラーリの補器類の配置について確認してみましたが、今回はホンダRA618Hについて解剖していきます。F1iでは気になっていたホンダのインタークーラーの配置を説明してくれる記事が公開されました。
引用元:https://f1i.auto-moto.com/
ホンダRA618Hのインタークーラー
左右振り分け型インタークーラーとなっていました。赤い矢印が示すのがコンプレッサーからインタークーラーまでの流れ、青い矢印が示すのがインタークーラーからエアチャンバーまでの流れになります。
上が2018年のRA618Hですが、コンプレッサーの両サイドにパイピングがある左右振り分け型になっています。下の2017年RA617Hは右の片側にパイピングが導かれています。この左右振り分けはトロロッソが2017年型ルノーでも行っていた手法だという事です。
オイルタンクの形状変更
オイルタンクの形がコンプレッサー周りのパイピング変更で変わっています。左右対称型とでも言えばいいのか見た目では綺麗な感じ、しかしエンジン前面はかなり長くなっているようにも感じます。この出っ張り分をモノコックスペースに収める事が必要になってくる。設計段階から決まっていないと中々上手く融合できないでしょう。
フェラーリやワークスメルセデスのように、サイドポンツーンにインタークーラーを設置しない事との性能の違いがどれほどあるのかわかりませんが、長さや曲げる事によるロスは存在するだろう。
フェラーリはワークス同様にPU一体型で供給する事で、データの共有化など少なからず利点もある様にも思えるし、ホンダは今後のどのような方向性を見出すのか興味深いです。
ホンダのES(エネルギーストア)の比較
ES(エネルギーストア)と呼ばれるバッテリーの3メーカー比較です。
ホンダは他メーカーに比べると非常にコンパクトですね、メルセデスと同等ぐらいのサイズです。フェラーリがやたらと大きいのが気になりますが、例の双子型と呼ばれる仕様の影響なのでしょうか。
まとめ
今年もF1速報特集かMotorFanで、年末年始恒例のホンダエンジン特集はあるのだろうか?多分あるよね~じっとまつ日々です。F1iの解析や解剖記事はやっぱり面白い、フランスのサイトながらルノー寄りではない構成も好感が持てる要因です。日本サイトだとこうはならないんだよねぇ・・。
シーズンも終わり「ストーブリーグ」ではなく「リップサービスリーグ・ビックマウスリーグ」状態のF1界の状況につかれてしまいそうになります。憶測や想像でわくわくするもの楽しいですけど、私はどっちかと言うと事実やデータが大好きな口なんで、シーズンが終わったからこそ出てくる情報を楽しみにしています。
このあたりの技術的な部分は、ジャーナリスト達にもある程度かん口令的なものが存在していると感じています。
p.s.12月超忙しい流通業界の管理系な仕事なため、更新が少なくなってしまって申し訳ないです。
1個のコンプレッサーから枝分かれして左右のインタークーラーに入り、それぞれ左右バンクに独立して入ってるようですが、画像で見る限り左右でトータルの吸気管の長さが変わると思うのですが効率的にどうなんでしょうね。
どこかでバランスパイプによって左右の圧力差を取ってるとは思いますが、あくまでも左右の微細な圧力差を緩和するだけのものですし、左右の空気の流れる量のタイムラグを取る物ではありません。
仮にインテークチャンバーが左右一体だったとしても左右の吸気管から入ってくる空気のスピードに左右差があるのは効率が悪いのは同じです。
こういった物がルノーからホンダへの突貫エンジンスワップの妥協の産物なのかなも?と思いました。基本的にモノコックの左右のインテークのデザインは空力の問題もあり安易に変更はできないと思います。そしてそこに置かれる冷却器は重量物である為に重量バランスまで変わってしまいますからね。
そしてこの吸気管から空冷インタークーラーを採用しているとより強く思いました。水冷であればこんなに長い配管で取り廻すのは水冷のメリットを全く活かす事ができませんからね。
エンジンのマウントは頑張ってホンダに合わせるしかなかったと思いますが、冷却器のレイアウトはルノー時代の物をある程度引き継ぐしかなかったように見えます。
ということは、2019年は冷却器のレイアウトを含め、よりホンダの意向を汲んで補器類などの小型軽量化、高効率化も進むのではないでしょうか?
何と言うかあらゆる面で中途半端だったことが伺える内部ですね。
この左右割りって初めて見ましたよ。確かにわずかでも均一には流れない気がしますね。
レッドブルだとこの辺りも妥協しないで作るでしょうから、2019年は本当に色々な面で期待です。