イタリアGPは予選で魅せてくれたトロロッソホンダのガスリー、実にきわどいタイム差でQ1,Q2を突破して9番手を獲得している。決勝は色々な不運が重なり実力を出し切れずに14位となった。
予選タイム差+2.231秒
Q3での比較、今回はアタックラップ開始時のフィニッシュライン速度を追加してみました。
POS | ドライバー | Fline | SPD T | S1 | S2 | S3 | タイム | Gap(GAS) | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | K.ライコネン | 318 | 342 | 26.519 | 26.594 | 26.006 | 1:19.119 | 2.231 | 3 | SS |
329 | 340 | 316 | ||||||||
3 | L.ハミルトン | 317 | 343 | 26.521 | 26.540 | 26.233 | 1:19.294 | 2.056 | 3 | SS |
327 | 337 | 316 | ||||||||
5 | フェルスタッペン | 309 | 327 | 27.014 | 26.854 | 26.747 | 1:20.615 | 0.735 | 3 | SS |
319 | 324 | 303 | ||||||||
7 | C.サインツ | 310 | 338 | 27.005 | 27.085 | 26.951 | 1:21.041 | 0.309 | 3 | SS |
319 | 332 | 308 | ||||||||
9 | P.ガスリー | 311 | 340 | 27.097 | 27.241 | 27.012 | 1:21.350 | 3 | SS | |
320 | 334 | 306 |
Q1ではガスリーが12位で通過するが、ハートレーはガスリーから0.1秒遅れ、15位とは0.047秒遅れで惜しくも敗退。ターン1ミスしたとコメントしている。
Q2ではシロトキンのトゥをしっかりとらえた走りをして、0.002秒差でマグヌッセンに勝ち10位で突破。その後ろではアタックラップ開始時、マグヌッセンのスリップストリームを完璧にとらえたアロンソが抜きにかかり交錯、ターン1,2でレコードラインを走れなかったこの二人は大きくタイムロス。
アロンソは何してんだ???おかげでガスリーがQ3進出したよ!ありがとさん。(どうやらMAGが先にパラボリカで仕掛けていたようだ・・。)
Q3ではサインツのトゥをとらえて走り9位タイムを記録した。
スリップストリームとトゥは違うのだろうか?アメリカではドラフティングとも言うよね。川井さんはトゥって連呼するし、よくわからんのです。私的見解では背後についたらスリップ、車間をあけていればトゥの方がわかりやすいかな。
ガスリーの予選後コメント
「信じられないぐらいうれしい予選でした。予選前はQ2までも行けるかどうかと思っていたのに、Q3に進むことができました。9番手からスタートできるなんて最高の気分です。すべてがうまくいった予選で、他車との間隔やスリップストリームをうまく使って今シーズン一番うまく走れたラップでした。この予選で狙えたベストの結果を出すことができたし、それをToro Rossoのホームであるイタリアで見せることができて本当にうれしいです。
昨日はマシンのセットアップにあまり満足していなかったのですが、昨晩かけて改善され今日はよりいいフィーリングで走ることができました。今日の予選はまだ半分で、明日の決勝にこのレースウイークで成すべきことが半分残っています。グリッドから1コーナーまでの距離が長いので、いいスタートを決めることが不可欠ですし、その後もタイトな争いになるので、ミスなくこなしていく必要があります。スタートで順位を上げようとするのはリスクがありそうなので、クリーンなスタートを切り、それからできる限りプッシュして追い上げていきたいと思います」
ハートレーの予選後コメント
「今日の予選は非常に接戦でした。1コーナーでミスをしてしまいましたが、あとは特に問題なくクリーンなラップで走行できたと思います。昨日のセッションではウエットコンディションの調子がよかったので、午後に雨が降ることを期待していました。チームがいい仕事をしてくれたおかげで、ピエールも僕も今日は悪くないフィーリングで走行できました。
中団争いはとても接戦で、その中でよくない結果に転がってしまったのがとても悔しいです。約0.1秒というわずかなピエールとのタイム差で、6番手も後方(Q1時)という差ができてしまいました。18番手からのスタートは明日たくさんの課題が残ってしまったので困難なレースになりそうですが、他車のペナルティーで少しでも上位グリッドからスタートできることを願っています」
決勝タイム差+1laps
スタート直後ハートレーはバンドーンとエリクソンにサンドイッチされ、ハートレーのフロントタイヤ壊れて直進スピードトラップ83km/hを記録してレース終了となった。
ガスリーはスタートでウィリアムズ2台に先を越される。そしてベッテルのスピンの混乱の影響を受けアロンソに抜かれて11位。SC明けペースの遅いアロンソに引っかかりタイムロスその前は3秒も離れてしまう。
ターン1でアロンソに押し出されるガスリー。
後ろから追い上げてきたぺレス、ベッテル、リカルドに抜かれるがアロンソリタイアで13位となる。
ターン1でリカルドと交錯するガスリー。
17周目ヒュルケンベルグに抜かれて14位になるが、同じようなペースのヒュルケンベルグの後ろでDRSを使いながら追いすがる。34周終了時点で後ろのルクレールと同時ピットインSへ交換するが、ルクレールに逆転される。そしてバンドーンにアンダーカットを許す。
この時16位となっていた。ヒュルケンベルグとエリクソンがピットインして14位となるが、ヒュルケンベルグにまた抜かれて15位となりフィニッシュ。グロージャン失格により14位というリザルトになった。
ガスリーの決勝後コメント
「今日は望んでいたような一日にはなりませんでした。レース序盤、1コーナーから2コーナーにかけてブロックされ、いくつかポジションを落としてしまいました。その後、フェルナンド・アロンソ選手(McLaren)との衝突で車体右側のフロアを、その後もダニエル・リカルド選手(Red Bull Racing)との接触でリアにダメージを負ってしまいました。
その状態ではマシンがそこら中でスライドしてしまい、走行することが難しく、最後まで走りきるのも一苦労でした。このレースが簡単な一戦にはならないと予想してはいましたが、マシンのダメージにより一層困難な状況になってしまいした。できる限りのことはしましたが、このレースウイークで見せていたパフォーマンスを、決勝では見せることができませんでした。次戦の僕らのマシンと相性のいいシンガポールGPに集中するために、今は頭を一度リセットしたいと思います」
ハートレーの決勝後コメント
「僕にとって初めてのモンツァでのイタリアGPを楽しみにしていました。このレースウイークでのパフォーマンスに手応えを感じていましたし、グリッドポジションは離されてしまいましたが、予選ではピエールといい勝負ができていたので、決勝にも自信がありました。
スタート直後にマーカス・エリクソン選手(Sauber)が左側から僕を抜かそうとアプローチしたことで、危険行為ではなかったのですが、1コーナーで残念ながら僕のレースが終わってしまいました。見ていてとてもすばらしいレースでしたが、本当は僕もそのなかで戦い、レースを走りきりたかったので、とても悔しいです」
コメント引用元:http://ja.hondaracingf1.com/
まとめ
予選ではトゥを上手く使いタイムアップしている、運も味方してまさかのQ3進出。しかしながら決勝ではパワー差でスタート後ポジションを落とし、アロンソに前に行かれた時点でレースは終わった。
画面には一切映らずだったけど、SC明けアロンソの前とのタイム差がどんどん開いて言った時点で、入賞は困難なものになってしまったと感じていた。ウィリアムズの後ろだったらトゥを上手く使いついていく事は出来たと思う。
予選でアロンソに助けられ、決勝ではアロンソに壊された、そんなガスリーのイタリアGPだった。
ホンダのパワーユニットはこのモンツァでルノーと十分に戦えることを証明してくれた。予選における各セクター通過速度がルノースペックBのサインツとほぼ一緒だ。
スペックCのフェルスタッペンとはコーナースピードの違いが大きく出ている。レッドブルはあれだけウィング寝かせているがドラッグが多いのだろう。予選ではトゥの無い先頭だった事も影響しているが、ドラッグをしっかりダウンフォースに変換できている事がやはり凄い。
ルノーとの差0.3秒、レッドブルとの差0.7秒はそのほとんどが車体差であろうことが伺える。ルノーとの差20kwと予想を一旦したものの、このタイム差を見たらそんなにあるだろうかと思い直しています。
※スタート時のパワーユニット規定豆知識⇒100km/hまではMGU-K使用禁止、ギアは80km/hに達するまでに1回のギアチェンジが認められる。1速ギアは15,000rpmで少なくとも80km/h出せる能力が必要。
>スリップストリームとトゥは違うのだろうか?
今レースのDAZN解説でスリップストリームはアメリカ用語で
トゥはヨーロッパ用語で意味は一緒てきなことを言っていたような…。
>ルノーとの差20kwと予想を一旦したものの
気になるのはレッドブルに使われたというパワーアップ燃料・・・。
もちろんホンダも同じようなものを使っている可能性はあるだろうし
公にしてないけど密かにパワーアップでもしたんだろうか・・・。
ホンダのスペック3エンジンが日程を考えるとソチで出ててきそうですね。
ソチでデータ取りしていざ本番の鈴鹿で・・・楽しみだな~。
「パワーが足りないならモーターアシストすればいいのに」とおもったら、やっぱりバツだったんですねー
ドライバビリティの良さを考えると、スタートでもうちょっといい勝負にならんかなとも思えます。
昔はスタートでエンストしてるマシンもありましたが、今はそういうことはほとんどありませんね
コーナーの立ち上がりでボッタスをスルスルと引き離すレッドブル、スペックCのパワーなのか、レッドブルの素性の良さなのかわかりませんが、さすがだなと思いました
PUの出力に20kWもの差があると、モンツァではそれだけで0.6秒程度の差がついてしまう計算です。ルノーを凌駕しレッドブルに迫るほどトロロッソのシャシー性能が高いとは思えませんので、やはりPUのパワー差はそれほど大きくないというのが実際のところでしょうね。ルノーのスペックB比で-5 ~ -10kW程度、といったところだと思っています。
それにしても、ホンダPUのアップデートはまだですかね~。さくらでは来季向けの開発にシフトしているでしょうからマイナーチェンジ程度に止まるかもしれませんが、それでも進化の可能性くらいは見せてほしいところ。得意コースのシンガポールやホームレースの日本でペナルティを食らうのは避けたいでしょうから、可能性があるとすればロシアあたりですかね。
本当にホンダのアップデート待ち遠しいです。モンツァあたりで持ち込んでほしかったですが、ソチなら次の鈴鹿も期待できますね。
ハートレーにはシンガポール、ソチ、鈴鹿でなんとか結果を出して来季のシートを確保してもらいたいものです。
ところでハートレーと言えばUKロックバンド MUSE のドラマー ドミニクに似ていると有名ですが、ガスリーも雰囲気はボーカルのマシュー・ベラミーに似ているように感じます。
あえて言えば、ベースのクリスはボッタスに少し似ています。
ということでF1にはあまり関係ないですが、ハートレー関連としてMUSEの曲をいくつか紹介させてください。(ご存知の方もいらっしゃると思いますが。)
https://www.youtube.com/watch?v=0o2qwYeXBHY
https://www.youtube.com/watch?v=JXcV6dOMUZs
(鉄拳さんとのコラボです。ちょっと感動します)
https://www.youtube.com/watch?v=yRIK_EKgPek
(歌詞がいいです。我々が組めば無敵ですと言っているようで。。。)
https://www.youtube.com/watch?v=5XYFcIioIcU
(きれいな曲です)
皆々様コメントありがとうございます。
通りすがりさん、toraさん
ホンダのルノーのパワー差はあっても10kw程度ですね。
ホンダはスペック2をきっちり熟成出来ていて心強い。
ようすけさん
ターン1までの距離があってスタートで遅れていたので、レギュレーションを抜粋しておきました。
100km/hまでに何かしらの差があるようです。
F312T6さん
ソチに間に合うのだろうか?噂通りアメリカかもしれない。
ハートレー似てるなぁ。
私のロック魂は、Mr.BIG、GUNS、BON JOB、Airosimith、Green Day辺りで停止中ですよw
スタートで並ばれるのは、
1、PUを高速コースに合わせたらスタートが遅く
2、マシンのトラクション不足
3、ドライバーの腕
4、単に1コーナー前の渋滞
全然見当違いそうですが、にわかが思いつく理由はこのくらいです。
「スタート」
“にわか”さん参考に、おそらくマシーン面OKay・渋滞+α腕
今戦モンツァGPシーン、P.ガスリー前の行き場無し状態で、前車に比し特に遅れ無く前後車にも“スピード的速さ”には遅れはない印象ですが、先を読む位置取りは上からの映像では左に空き有りますがドライバーから後方視界の確認可能レベル?で知識も無く判断困難?。
B.ハートレー、自身で前車にヒットして良いレース出来無くするよりは全然良いですが、onボード映像でスタート直後は右前(ルクレール)とは開き無し、若干前車(ペレス?)と開いていく様な印象も…と同時にヒットされる。
ありがとうございます。
PUのせいじゃなさそうで良かったです。
インディカーでは琢磨優勝、ホンダ123フィニッシュと景気が良いですが、F1は小さく作りすぎた事とMGUがネックなのですかね。
ガスリーの印象はスタート下手ですね
ベルギーは上手くやったなと成長したかもと思ったけど
気のせいでした
「パワーサーキット!引続き今戦モンツァ(予選)でもまずまずの結果」
用語ですがおそらく、スペル的にはslipstreamは後方に発生する“空気流の現象状態”を指し、tow・draftは“牽引(引く)”の意味で分けているのでしょうか。因みに、前車の後方へ車体の前方を近付けるという意味で(誤)Toeつま先と思っていました(笑)。
今戦FINALの純粋なPUのパワーサーキット適応性能の結果(証明)得られなかったのが残念ですが、連戦パワーサーキットを終え予選タイムを参考に“まずまず”という印象ですね。
ルノーとの差が車体とC.サインツの経験値+αのみであってほしいです。いったい来期Red Bullがトップ2と争うには、車体とドライバーの能力を加味するとHonda PU現搭載車(STR)が予選タイム差いくら以内になればいいのでしょうか?
しかし、(祝)HONDA PU信頼性を示す事は当然レベルになってます。また、途中SCなどレース状況もありますが、競争性(パワー面)はトップとは予選タイム差がまだありますがパワーサーキットでもinQ3や同一周回ゴールでSTRの性能も有り(雨天速い)中団では確実に競えていますね!
あと、来期Toro Rossoドライバーラインアップどうなるのでしょうね?、B.ハートレーは向上した結果を示す事が必要ですし、優秀なE.オコンも浮動的な状態との事で、先例としてはRed Bull Jrのプログラムから昇格した方が良いのでしょうが適任者居ない様で、どうなるのでしょう?
なるほど納得のトウ講座ありがとうございます。
ピークパワー差で言うと昨年から変わらずの40kw差ですから、先ずはそこを何とかしないとなりせん。
タイム換算で約0.5秒は詰めておかないと厳しいかな。(約20kw)
デプロイ量増加の謎も解かなければならない、これに関してはミルトンキーンズでESの開発を通して優秀なエンジニアを獲得&育成している段階。
ドライバー人選は選びたい放題となってきた、オコンはメルセデス契約ドライバーでフェラーリには乗れないらしいから(PU情報漏れ)ホンダやルノーならOKでしょう。
ストロールと交代でウィリアムズ行きが一番なんだけど金銭面がネックかな。
厳しい事を言えばハートレーは乗れない可能性が高い。バンドーンは確かに光る速さを見せていないがチーム体制のせいの部分が大きい。
スター性のオコンと安定感でバンドーンなら納得かな。
横からですみません。
バンドーンに関しては、ザクブラウンがお勧めしているところに裏がありそうで・・・
お金なのか、スパイなのか、ジェームズキーなのか。
ザクの行動は全て自分の利益のため(に見える)ので、正直もうマクラーレンとはあまり関わらない方が無難かと。
ハートレーは予選タイムではガスリーに近づいてきたし、残りのレースで結果を示してほしいところです。
オコンは良いですね。
>スリップストリームとトゥは違うのだろうか?
用語についていろいろなご意見が出てますが、スリップストリームとトゥは同じ現象の呼称で用法として使い方に違いはありません。イベントか何かの放送かは忘れてしまいましたが、トゥという言葉の出始めの時に川井さんが「最近はスリップストリームの事をトゥと表現しています」と言っていました。記事にもある通りアメリカではドラフティングと読んでいましたが、最近ではアメリカでもトゥという事もあるみたいですね。