レッドブルリンクは標高700m以上に位置し空気が薄い、コースレイアウトもストレートが多いため絶対的なパワーが必要なサーキットです。
特に空気が薄い事によりタービンにかかる負担が大きく、パワーを出すために回しすぎればトラブルの元となってしまう。冷却に対する要求度も高くなっています。
予選タイム差+1.744秒
トップとQ2通過ラインでの比較です。
POS | ドライバー | SPD T | S1 | S2 | S3 | タイム | Gap(GAS) | Q | Tyre |
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1 | V.ボッタス | 320 | 16.018 | 28.013 | 19.099 | 1:03.130 | 1.744 | 3 | US |
321 | 253 | 292 | |||||||
1 | S.ベッテル | 318 | 16.180 | 28.028 | 19.336 | 1:03.544 | 1.330 | 2 | US |
316 | 252 | 292 | |||||||
9 | C.サインツ | 313 | 16.341 | 28.380 | 19.840 | 1:04.561 | 0.313 | 2 | US |
312 | 248 | 286 | |||||||
10 | N.ヒュケンベルグ | 315 | 16.319 | 28.364 | 19.993 | 1:04.676 | 0.198 | 2 | US |
313 | 248 | 283 | |||||||
11 | E.オコン | 321 | 16.225 | 28.591 | 20.029 | 1:04.845 | 0.029 | 2 | US |
322 | 248 | 289 | |||||||
12 | P.ガスリー | 315 | 16.530 | 28.552 | 19.792 | 1:04.874 | 2 | US | |
313 | 247 | 284 |
ガスリーは金曜日まで旧スペックで走行しており、土曜日からカナダGP決勝から使っている新スペックへ交換している。
Q2のガスリーは1回目のアタックがベストラップである。クールラップを挟んだ4周目ではベストセクター1タイム16.403秒を記録しているがセクター2でトラフィックに捕まり失敗。
2回目のアタックでは16.438、28.585、19.885=1:04.908となりタイム更新できず。通過ラインにいるルノー勢と比較するとストレートが多いパワー区間であるセクター1.2が遅い。
ルノーの新スペックエンジンの恩恵を最大限に受けるルノーワークスと差はやはり大きいと感じるトロロッソホンダの現状であるが、予算差を考えればよくやれている方だろう。
ハートレーはFP3で新フロントウィングを壊して予選は旧フロントウィングでセッティングの不良によるものも大きいが、たった0.1秒差でQ1突破を逃している。予選19番手は実力以外の何物でもないな・・。
決勝タイム差+1laps
ハートレーは予選19番手のため、パワーユニットのストック確保のため全コンポーネントを交換してペナルティによる最後尾スタート。アロンソがピットスタートのため変わらず19位スタート。
12位スタートのガスリーは1周目でまたも接触、ターン3で後方からバンドーンに当てられてしまった。
これが原因で右リアサスペンションが狂い、フロアにもダメージがあったらしい。このせいでペースが上がらなかった。終盤8位まで上がりこのまま入賞かと思われたがアロンソに抜かれた後にザウバー2台に立て続けに抜かれて11位そのままフィニッシュとなっている。
ガスリーのコメント
「僕にとってこれまでで一番難しいレースだったように思います。1周目のターン3でストフェル(バンドーン選手)と接触したことでフロアに大きなダメージを負い、どのコーナーでもマシンがスライドしていました。
ポイント獲得に向けて全力を尽くしましたが、ドライブはかなり困難で、終盤にはタイヤのグリップがなくなってしまいました。今週末は空力パッケージのアップデートを投入しましたが、フロアの損傷によってダウンフォースを失ったので、その効果をきちんとは見極められませんでした。
今日は、残り数周まで8番手につけており、ポイント獲得のチャンスが目前だったので残念ですが、ポテンシャルは示せました。来週のシルバーストンに向けて切り替え、さらに前進しなければなりません」
ハートレーは19位スタートからVSCもステイアウトしてポジションアップ、タイヤ交換して後ろに来たガスリーを先行させるが、ソフトタイヤ勢は20周するころにブリスター発生に悩まされペースが上がらない。
SSでロングランするハートレーのペースは、ガスリーを上回る事になるがチームの作戦上前には出られなった。リタイア直前の55周目にはピッタリと背後を追走している。
ハートレーのコメント
「昨日の予選から空力バランスを変更したことで、今日はかなり乗りやすくなりました。レース序盤はザウバーの2台に苦しみましたが、周回が進んでタイヤが摩耗してもペースを失わず、より強さを発揮できたと思います。
ポイント獲得は難しかったかもしれませんが、競り合っていたエリクソン選手が9位に入っているので、完走できていればと残念に思っています。今日はタイヤマネジメントの部分で強みがあったのですが、マシンのリアで問題が起きてしまいました。
リアに振動があったので、最初はパンクかと思いましたが、原因ははっきりしていません。今晩それを突き止め、次戦のシルバーストンにはさらに強化して臨めればと願っています」
まとめ
何とも言えない消化不良とも言えるレースになってしまったオーストリアGP。
パワー差がでるサーキットであるが、予選結果と決勝の上位陣のリタイアを考慮すれば9位は確実なはず。すべては1周目の接触で失った車の本当の速さが関係するのか。
またまた1周目の接触でレースを落とすとは・・そろそろ終わりにしませんか?
トロロッソの車体開発は順調では無い、少ない予算なのはわかるが全体最適化が出来ていない状況での新パーツの投入はどうなんだろう。ダウンフォースとドラッグのバランスを見いだせない状況を打開してもらいたい。
ホンダにしてもパワー面で劣る事は確か、せっかくのスペック2がトラブルにより遅れ、詰めがまだまだ甘い。トロロッソにしてもポテンシャルがそろそろ見えてきた。突貫工事シャシーの修正できない部分が出てきたかも。
全ての妥協を許さない次戦シルバーストンでは、本当の課題がわかるだろう。
シルバーストンは2台とも無事故完走を目指して欲しいです。ホンダは来年に向けてパワーと信頼性の向上に努めて欲しい。
ハートレーは今後、Q1敗退したら強制的に戦略的PU交換していきましょう
メルセデスが示した通り、新PUの導入にはその補器類との融合も大きいものだと痛感。
ホンダのスペック2でもそんな部分の解決に力が分散し、パフォーマンス改善に完全に集中できていないように感じます。
ハートレーは丸っと2基あるから大丈夫!次のスペック3まではいらないはずです。多分・・・・
純粋にPU由来の本戦リタイアは、初戦のガスリーの縁石乗り上げからのMGU-Hトラブルのみで、今回のサーキットも縁石をガンガン乗り上げていたにも関わらず(今回の縁石の方が酷くないですか?)、PU関連は根をあげなかった事を考慮すると、ホンダ側が言っていた通りかなり信頼性を確保(担保)する方へ努力しているんでしょうね。ただガスリーがカナダGPのFP3でPUに問題が発生し、予選で旧PU(スペック1)に載せ換えたにも関わらず、また本戦のためと次戦(フランスGP)のために新PU(スペック2)に載せ換えたりと完全ではないようですが。
結局…FP3のあれ(トラブル)は何が問題だったのでしょうか?。
本当のトロ・ロッソのマシンの問題点は、今までルノーやフェラーリのPU(ICEは大きくてコンプレッサーもターボ用のタービンも後方)を積んでいたものから、急造したホンダPU(コンプレッサーが前の小さめのICE)用の車体にあるのだと思います。
ホンダのPU(メルセデス型)がコンプレッサーが前にあり、搭載位置が今までのPU(ルノー&フェラーリ)に比べ少し後ろになるために後輪の荷重が増え(過ぎ)るはずと予想して、エンジニアは少し前方に(ホンダPUや補機類を)積んだのだと思います。
が…思ったより後輪荷重が掛からない。
↓
ので…リアサスペンションが働かない。
↓
その分…タイヤに負担が掛からないから優しい。
↓
だが…そのためにタイヤもすぐに温まらない。
↓
路面温度が高い時は…温まりやすい。
↓
が…スタート時にタイヤが温まらないのでダッシュ出来ず、ポジション落とす。
↓
慌ててポジションを戻そうとインに突っ込むと…ぶつけられる(ぶつかる)。
↓
の…繰り返しでは?。
リアサス・フロアが破損していても8番手まで持ってこれるガスリーや、タイヤさえ温まってくればいいペースで追い上げてくるハートレー。新人にしては頑張ってますよ…(と思いたい)。
リア荷重を増やしてみたら?…と、ホンダの関係者は見ていてくれないかなぁ。
あとは管理人さんの思って(考えて)いらっしゃるとおり、アクティブサス導入なら前後の重量バランスも簡単に最適化しやすいので…解決なんですがねぇ。
カナダの多分MGU-Hのトラブルは?これはシーズンオフまで出てこないですね。
ガスリーのもう大丈夫とのコメントがあるようですが何がが無い。口止されてますw
(品質管理がどうのこうの・・)
ホンダPUは小さい⇒剛性不足⇒接続アーム補強⇒縁石も大丈夫になった。
こんな流れもありそうな気がする。
後輪の荷重に関してですが、
ホンダ製エンジン「RA618H」はルノーのそれと比べて非常に軽量とレッドブルのマルコ氏がコメントしています。
昨年までマクラーレンも、ホンダエンジンのメリットとしてエンジンが軽量でバラストによる調整幅が大きいことを謳っていたのを記憶しています。
前後の重量配分はF1の技術規定の中での決められた調整幅の中でバラスト調整するわけなので、エンジンの積載位置に起因しているとうよりは、むしろ今年のマシンに関する理解が未だ不十分であることを裏づけているのではないでしょうか?
トロロッソの2台とも、プラクティスからトラブルやクラッシュでセッティングがきちんとハマらない状態で予選、決勝で苦戦
更に決勝ではほぼ毎レース1周目で何らかのダメージを負う展開
ルノーからホンダにシフトした事、ドライバーが2人とも変わっている事で、昨年迄のセッティングデータも余りアテにならない状態でしょうから、プラクティスを逃すとその影響は他チームより遥かに大きいのでしょう
バーレーンのトラブルフリーだったガスリーと、プラクティスからトラブルに襲われたハートレーの結果からも、如何にクリーンに3日間を過ごせるかがマシンPU開発と並んでトロロッソには他チーム以上に重要だと思います
チーム規模を考えると、空力レギュレーションが変わる来季へどれくらいリソースを振るか、そろそろ決断もしなければならなくなってくるでしょうし、アップデートも減る事は十分予想できますので、今のパッケージをどこまで最適化できるかも今後の課題になってくるでしょうか
ホンダの新スペックPUトラブルは、今の所ファクトリーでの品質管理の問題でPU自体がどうのと言う訳ではなさそうですが、もう4年目
こんな事でトラブルはもう出していられないですよ!
今レース「FINALでは中団としてですがPU競争力まずまずの印象」
エンジン全開率は66%とスパやモンツァに匹敵するほどのパワーコース系との事で、決勝に関しては中団での競争力はまずまずという印象でした。また、空気濃度関係で冷却にも優しくない中で“レース中の信頼性”という点では合格という印象でした。
cf. F1速報。レッドブル車体開発部門を統括ピエール・ワシェ氏へのインタビュー記事に、
Q,純粋なパフォーマンスでもルノーにはまだ追いつけていないのでは? A,いや、そうは思わないね。詳細はコメントできないが、われわれはそう考えている。
この言葉を参考にするとGPSデータ解析上、PUの競争性(パワー面⁉︎)が、
HONDA ≒ Renault もしかして極僅かでもHONDA ≧ Renaultなのでしょうか!?。