2018年に向けてメルセデスはコンセプトを変更するとの情報がでています。
レッドブルやフェラーリと同じくレーキ角を高めてダウンフォースを稼ぐマシンへと変貌するとの噂。
メルセデスがこのレーキセッティングに頼らずにここ数年強かった訳は、ヒーブサスを油圧で制御して車高を変化させていたためです。
ブレーキング時にはフロントの車高が下がり、ウィングが路面に近づく事でダウンフォースが増加する。
加速しているときは逆にフロントが上がりリアが下がり空気抵抗を減らす。
電子制御アクティブサスペンションの様に完璧にはできませんけど、油圧でこれに近い制御を行なっていたが2017年初めにこれが禁止となってしまった。この事が今年のメルセデスを苦しめています。
私自身これらの空力関連については、あまり詳しい方ではありませんが、出来る限りわかりやすく分析してみます。
グラウンドエフェクト効果について
グラウンドエフェクト効果は、路面とフロアの間を流れる空気によって発生する。
フロアの面積が多いほど大きくなり、また空気の流れが速いほど大きくなる。路面へフロアを近づける事で空気は行き場を失い出口に向かって逃げようとするため流れは速くなる。
リアディフューザーは、フロア下の空気を速く抜き出す効果がある。速い空気の流れは圧力が低くなるため、車体が吸い寄せられる。
飛行機は逆に、翼の上面の流れが速く上向きに揚力が発生する。
メルセデスのレーキ角は0.9°
ドイツのサイトauto motor und sportにレーキ角などの数値に関して面白そうな記事がありました。
⇒https://www.auto-motor-und-sport.de/formel-1/mercedes-konzept-2018-mehr-anstellung-12755859.html
この記事によるとレーキ角はメルセデス0.9°、レッドブルとフェラーリは1.5°以上となっており、マシン後部の地上高はフェラーリ120mm、レッドブル123mm、メルセデスは86mmとなっているようです。
各チームのレーキ角一覧
高レーキ角の利点
- 主にはフロントウィングの位置を下げる事でメインプレートと路面の間で発生されるグラウンドエフェクト効果を狙ったもの。
- フロアがリアに向かって緩やかに上がっていくためディフューザーの効果を高め、主にフロアの前の流速を増すことができる。
高レーキ角の欠点
- フロントが下がり、リアに至ってはレッドブルはメルセデスより37mmも高い。これにより前面投影面積の増加に伴い空気抵抗となる圧力抗力と摩擦抗力が増える。
- フロアがリアに向かうほど路面から離れる、これにより空気がサイドから入り込もうとするためグランドエフェクト効果が減少する。
まとめ
メルセデスは空気抵抗を減らしフロア長くして、路面に近づけておくことでグラウンドエフェクト効果を増加させている。
マシンの上下動の影響が出やすいために、バンピーなコースや加減速が多いところでは安定度に欠ける。
フロアを長くするために、マシン重量が増加して前後重量配分はリア寄りになっていてリアタイヤが発熱しやすい。しかしながら型にはまれば圧倒的なスピードと安定度を発揮する。
対してフェラーリは高レーキ角で発生する空気抵抗を極力抑え、フロアサイドから入り込む空気を最小限にし、ディフューザーの効果を高めてダウンフォースを獲得する事に成功している。
リアの車高が高いためマシンの上下動に対してダウンフォースの変化が少ないが、空気抵抗が多くなる高速度域ではメルセデスにかなわない。
色々な情報を自分なりに理解して考察してみましたが、そろそろ頭が限界なのでやめます。
今回はこのぐらいで許してくださいw
ドラッキーなマクラーレンがレーキ角2.05℃で全チームトップ通過に苦笑ですわ。
※2018年4月に新たな考察をしました↓
高レーキ角にすると、後ろ方での地面からのスペースが増え、横からの乱気流が入りやすくなり、下面の空気の流速が減りダウンフォースが逆に減る恐れがあります。
そのため、空気が入らないようシールドする目的で色々なパーツが付けられています。例えばフロアの左右のスリッドや、フロントウィングでのボルテックスジェネレーター→ポッドウィング→サイドポッドへの力のある渦の導き等…
まあ、それが全てではありませんが、空力という物はどんな天才だろうと泥沼に落とし込む人知を超えた世界なので、コレに立ち向かう方々は尊敬しますね!
コメントありがとうございます。
これを初めて考えたニューウェイ先生が凄すぎる。
フェラーリは今年やっとコピーに成功したみたいですし、来年のメルセデスはどうだろう?
馬鹿の一つ覚えですいませんが、ゴルフボールのディンプル形状は整流作用があります。これを応用して空力の抵抗が増してしまう部分に取り入れれば、風の抵抗が低くなり流れが速くなるのではないでしょうか?間違っていたらすいません。この場合は、凹の形状で考えてみてください。
たびたびすいません。ディンプル形状を車体の底面に取り入れれば空気の流れが速くなるのではないでしょうか?というのが言いたかったです。間違っていたらすいません。
たしか意図的な凸凹なボディーワークは禁止されているはずです。効果絶大ですから。
乱流摩擦抵抗低減技術の
Ribletの形状に近い方法をメルセデスが採用している様に見えますね。
将来的にはプラズマアクチュエーターをF1に導入して
整流を制御できる様になるのではとも思っています。
ホンダジェトの技術もっとF1に取り入れて欲しいですね!
その昔、F1マンガでスイッチ入れると(通電だっけな?)空気抵抗が減るペイントってフィクションがありましたね〜
枕の空力ってレッドブルの暖簾分けみたいなモノだけど、師匠の勘所をどれだけ掴んでいるのか・・・素人には焼き直しの味付け濃い目にしか見えないけど、ここ数年出来がどうこう言える状況ではなくてちょっと気の毒。
漫画Fですね懐かしいな。
来年のマクラーレンにはある意味期待しちゃいます。
「McRALENレーキ角最大は…」
単純に、コーナリング重視・ストレートのスピード抵抗チーム間最大セッティングという解答を導いたのですがOK?。
「2013年のRed Bullを例に難解複雑な空力系の記事」
~レギュレーションor技術進化の変更点あるでしょうが…~
(略)レッドブルがリアの地上高を上げているのも、ディヒューザーを高く跳ね上げると、ダウンフォースが増えるからである。
ただ、他のチームがレッドブルほど、レーキ角をつけられない理由も当然ある。まず一つにディヒューザーを高く跳ね上げると、周りから、特にリアタイヤが乱した遅い空気がディヒューザーの後ろに回り込みダウンフォースを減らす。だがレッドブルはこれをエキゾーストを吹き付けて、はじき出し、一種のシールドをすることで、防いでいる。 また後ろを高くすると、ブレーキング時にリアのダウンフォースが減少し、不安定になる。ではレッドブルはそれをどう回避しているのだろうか? これもエキゾーストブローで回避している。彼らはブレーキングする時に、リアブレーキの空気取り入れ口に設置されたウィング上のパーツに吹きかけて、減少するダウンフォースを補っている。…(略)
(現在は、オフスロットルのブロー数制限もあるとの事です。)
参照:http://blog.passion55.com/archives/805
+F1カータイヤ空気抵抗の目安(’80年代後半⁉︎):約45%(前輪約20%・後輪約25%)との事。参考:F1解剖学 後藤治(著)
これはまだリアタイヤ前にエキゾースト出口があった時のもので、今はギアボックスの上に1本あるだけですので関係ないですね。
空力を考える時は圧力差を想像すると理解しやすいかと思います。
空気を正面から受けるとその部分の圧力が高くなる、一方その後ろは圧力が低くくなる、結果圧力の低い方に引き寄せられる。
ダウンフォースはこれを上下で考えるもので、空気抵抗では前後で考える。
マクラーレンの後方の低圧ゾーンが他チームより大きい可能性は高いです。
ダウンフォースは、メルセデスがリアウイング寄り
レッドブルは、車体寄りでセッティングしている感じですね。
レーキ角、リアウイングの角度、ボディ形状を比較するとまるで違うアプローチで興味深く面白いです。
ただ、サスペンションとキャンバーも絡んでくるので、管理人様、次回はそのあたりの比較もいかがですか?
フェラーリの足回りのセッティング、キャンバー角が最近、気になります。