F1のギアボックスは8速規定で、年間通して固定ギア比となっています。そして2018年のレギュレーションでは変更不可となっています。
2017年マクラーレンホンダのストレートエンド速度が明らかに遅く、何でだろうと解析してみましたがドラッグだけでなく、かなりのクロスレシオだったことが判明。
昨年まとめた記事は下のリンクより。
マクラーレンが今年もクロスレシオだと2chまとめサイトで話題になっていたので、流行りに乗じてみますw
テレメトリーデータの表示消える
ギア比は今年開幕したら解析しよう思っていたら。リバティがやってくれた!オンボード映像のテレメトリーデータ表示がない。予選・決勝と国際映像オンボードには表示が無い。
多分これは未だにサービス開始できないF1 TVのせいだろうなと睨んでる。好きなドライバーのオンボードにチャンネルを合わせた時には表示されるんだろう。
海外のサービスには今も存在する機能だけど、日本にはないんです。DAZNのF1ゾーンには表示があるけど予選のアタックラップの状態がわからない。決勝のリフトアンドコーストしてる状態見てもねぇ・・追い込んだところが見たいのよ。
海外の動画アップ待ちだった訳で、現状全てが揃っていませんがとりあえず解析しました。
各ギアでの回転数と速度比較
2018 | ギア | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
メルセデス | rpm | 12,000 | 12,000 | 11,800 | 11,600 | 11,600 | 11,800 |
km/h | 158 | 193 | 227 | 258 | 289 | 326 | |
フェラーリ | rpm | 12,350 | 12,350 | 12,200 | 11,900 | 11,900 | 11,670 |
km/h | 159 | 191 | 225 | 256 | 292 | 325 | |
ルノー | rpm | 11,580 | 11,480 | 11,670 | 11,500 | 11,340 | 11,000 |
km/h | 148 | 189 | 225 | 261 | 295 | 316 | |
マクラーレン | rpm | 11,980 | 11,940 | 11,760 | 11,600 | 11,600 | 11,400 |
km/h | 149 | 184 | 210 | 247 | 282 | 316 | |
トロロッソ | rpm | 12,240 | 12,150 | 11,920 | 11,300 | 11,300 | 11,000 |
km/h | 163 | 199 | 237 | 256 | 290 | 319 | |
2017 | ギア | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
メルセデス | rpm | – | 12,600 | 12,200 | 11,700 | 12,000 | 11,500 |
km/h | – | 202 | 233 | 261 | 294 | 321 | |
フェラーリ | rpm | – | 11,900 | 11,900 | 11,900 | 11,700 | 11,500 |
km/h | – | 188 | 220 | 258 | 289 | 320 | |
レッドブル | rpm | – | 11,500 | 11,500 | 11,350 | 11,350 | 11,360 |
km/h | – | 190 | 227 | 260 | 292 | 326 | |
マクラーレン | rpm | – | 12,000 | 12,000 | 11,600 | 11,500 | 11,500 |
km/h | – | 184 | 215 | 247 | 278 | 315 |
参照動画は2018年バーレーンGPの予選アタック時、トロロッソのみ8速だけ中国GPフリー2でのLTデータ記録です。2017年はメキシコGPでのものになります。
8速以外はギアアップ時の最高回転数と速度です。まだまだデータとしては、動画が足りないのでご参考程度にして下さい。
マクラーレンのギアレシオ変更なし
上の表からも、まったく変わっていない事がわかると思います。今年もストレートエンドは厳しい戦いになりそうです。
しかしこれが間違いとも言えません。V8時代にはレッドブルがクロスレシオで4年連続チャンピオンになっています。
立ち上がり加速では勝てるし、またダウンフォースを大きく稼ぐレーキセッティングのため空気抵抗が多い、それを打ち消す意味でのものでしょう。
マシンの空力デザインは元レッドブルのプロドロモウ氏ですから・・あぁそういう事か空力だけでなくメカニカルコンセプトまで一緒なのね。
開幕から2戦、2台共に入賞は流石。レースでの安定した空力面などドライバーの乗りやすいセッティングを追求する姿勢は間違っていない。
ただ、高速ステージでいくらドラッグを削ろうとも出ないスピードは出ないって事です。
トロロッソと他チーム
トロロッソはレッドブルテクノロジー協力のもと、しっかりトップスピードが出るギアレシオになっていますね。
バーレーンでのスピードトラップで上はメルセデスPUとフェラーリPUだけでしたので当然と言えば当然の結果。
低速ギアだと回すなぁ~。(このデータはガスリースタート動画より)
メルセデスにはほぼ違いを感じられない。
そしてフェラーリが凄いです。昨年より明らかに回してますね、メルセデスに匹敵するパワーになったと言うのは本当でしょう。
まとめ
ギアボックスは基本的にパワーユニットとのセット、メルセデスとフォースインディアは同一、フェラーリとハースとザウバーは同一となります。
ルノーPUやホンダPUは各チーム独自開発です。そしてウィリアムスも独自開発です。
最下位争いしそうなウィリアムズはどうなの?
リア周りのすべての設計に関わるギアボックスはマシンの骨格となる部分、ギアレシオやそのものの長さ(ホイールベースに影響)など、PUメーカーに合わせることが今後必衰となりそうだ。
ハースやザウバーはフェラーリに合わせる事で戦闘力を上げている。
ウィリアムズはこれができないための低迷なのかもしれない。
「ギア比が変だよマクラーレン!」このフレーズなんか好きなんですよねw
来年パート3があるのかどうかは、乞うご期待!
ギヤ比変更不可ってルール、知りませんでした。てっきりサーキットの特性に合わせて細かく変えてきてるかと思っていたので意外でした。今時のF1はいろいろ大変ですねえ。
PUの開発方針を定めてからギヤ比を決める必要があるので、PUとギヤボックスを一体で供給してもらっているチームは合理性がありますね。ハースやフォースインディアが安定してるのも分かる気がします。ウィリアムズもそうすればよかったのに。
きっと、ホンダPUからルノーPUへ換装する事に大変だったので、ギアボックスとの取付や振動対策には気を配っていたがギア比(レッドブルやワークスルノーがどんなギア比か)までは何も考えていなかったのでは?…それはそれでお粗末な話ですが。
市販の高級車や今やロードバイクでさえ多段化しているのですから、F1も多段化(10速以上)もしくは無段変速を採用してもいいような。
もしくは、市販されている自動車の大半がATの時代、ATを採用したら…F1コンストラクターがどんな創意工夫した(変わった)ATを搭載してくるのか興味津々なので、採用してもらいたいなぁ。
開幕前トロロッソは、レッドブルのギアを流用して
外側をホンダPUに合わせて自社で制作って記事が出てました。
レッドブルもレシオを同じにした方が比較できて有利ですからね。
なるほど、内側はレッドブルだ!の意味はレシオまで一緒だったんですね。
となると空力コンセプトもどんどん似ていく訳ですね。
ここ数戦のアップデートがどんな変化をもたらすのか、楽しみがふえますね^^)
F1のギヤボックスの歴史では、パドルシフトセミオートマが1989年にフェラーリが採用
フルオートマ(ダウン時はワンボタン)は1993年にマクラーレンが採用
ウィリアムズが無段変速CVTをテストしていたら日の目を見ることなく禁止
2005年にホンダがシームレスシフトを採用
大きな変革で言えばこんな感じでしょうか。
現状はパドルシフトで手動な部分を残して、ちょっとだけシフトミスの可能性を残している規定ですね。
無段変速のCVTが禁止なのは残念ですね。
マクラーレンは市販の4輪駆動車に付いている様な、トランスファーのL&Hを付けるなんてアイディアは駄目なんでしょうね…。
バーレーンGPの様なサーキットはH。モナコGPの様な低速サーキットはLにするだけで、減速比が変わるから便利だと思うのですが…。
2014年のPU導入時にギアレシオの変更が禁止に、毎戦ギアレシオを変更する事はコストがかかるとの理由です。
7速規定だったものを、低速~高速コースに合わせるのは大変だという事で8速になった。
基本的に8速は高速コースとDRS時の使用を想定していたが、チームはそれを最大限に利用してショート化しているのが今の状況ですかね。
そんな中でマクラーレンは突出していると言う事です。
教えて頂いて、ありがとうございます。
ギア比の変更が不可でしたらファイナルギアも当然変更不可なんでしょうか?
そうなると”ここのコース特性はうちに合っている”等のレーサーのコメントの意味がよくわかるような気がします。
(ギア比以外の車両特性ももちろんあるとおもいますけど・・)
コメントありがとうございます。
ギアはすべて変更不可になります。現在のF1は10,500~12,000rpmが大体のパワーバンドになります。
300km/h以上でこれを外すと膨大なドラッグにより加速は難しいとなってしまう。