F1ホンダパワーユニットの外観がわかる画像、序盤に問題となったオイルタンクの形状、コンプレッサーの位置、振動の問題などを解説した面白い海外記事を発見したので思いっきり引用していきます。
http://www.f1i.fr/magazine/magazine-technique/technique/moteur-honda-f1-a-t-casse-souvent-2017/
ホンダパワーユニットの全貌
ホンダは2015年から2016年に向けてMGU-Hの回生パワーを上げるために、ターボチャージャーを拡大したが重心が高くなってしまった。2017年は全く新しい設計でエンジンを作り上げた。
コンプレッサーの位置
メルセデス同様に前方に位置しているコンプレッサー、Vバンク内からだす事でそのサイズを拡大している。
オイルタンクの形状変更
コンプレッサーを2016年のオイルタンクのあった位置に移動したため、オイルタンクの形状が変化している。これがプレシーズンテストでオイルの悪循環をもたらした元凶となるデザインだった。
大きいオシレーション(振動)の問題
タイヤに取り付けられ、サスペンションを装備したシングルシーターは、地面に固定されたモーターベンチよりもはるかに剛性が低く、共振現象に非常に敏感です。
メルセデス、フェラーリ、レッドブル、ルノーにAVLダイナミックテストベンチ(エンジンがトランスミッションに結合され、サスペンションに搭載されたシャーシに取り付けられている)が装備されているのはこのためです。実際の振動レベルを測定します。
ホンダはエンジンブロックを再設計して剛性を強化して振動問題を解決した。
まとめ
この記事で興味深いのは、AVLダイナミックテストベンチの存在ですね。ホンダはおそらくこれを持っていないのでしょう。ギアボックスやサスペンションを取付けられた実際の走行状態でテストできるようです。
ベンチテストシミュレータの軟弱性はホンダ自身も認めていた事。私もこの問題点については一番の懸念事項として取り上げた事もありました。
2018年に向けてこの点はレッドブルアドバンステクロジーの協力のもと解決されるものと思っています。
また、MGU-Hの位置は画像から推測でき、Vバンク内のかなり低い位置にありますね。タービンと共に交換している事実からもタービンと直結である事は間違いなさそうです。コンプレッサー側にあると言うマイケル・シュミットの記事は一体なんだったのか。
こうして全貌がわかる画像を見ていると非常に美しいと感じます。さすがに何百億円も投資されているだけの事はありますわ。
エンジン好きには、たまらない画像ですね、コンパクトに設計されています。これでは、簡単にMGU-Hだけ取り換えられないのがよくわかります。コンプレッサーが写っている画像から、考えていた以上にサイズが大きかった事とVバンク内MGU-Hが装着されている事が確認できました。おそらく、コンプレッサのすぐ後ろにあるのでは?また、シャシーにマウントする際にはルノーより重心位置が数センチ後方にずれるのでは?STR13は今シーズンの改良バージョンとするとバランスを取る工夫が必要になりますが、ロングホイールベース化するのでしょうか?
トロロッソのロングホイールベース化は無いと思っています。ヘイローのせいで重量クリアが難しいため、そちらに開発リソースが当てられるでしょう。