2019年中国GP予選ではメルセデスがフェラーリに0.3秒も差をつけている。レッドブルはQ3ラストアタックが出来ていればフェラーリと同等なタイムが出ていただろう。

バーレーンと比較すると逆転現象となった訳ですが、ある意味予想通りな展開に内心ニヤッとなりました。

トップ3チームであるボッタス、ベッテル、フェルスタッペンそしてガスリーの比較となります。

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中国GP予選ベストラップセクタータイム

POS ドライバー S1 S2 S3 Time Gap Int
1 BOT 24.047 27.051 40.449 1:31.547
3 VET 23.933 27.195 40.720 1:31.848 0.301 0.301
5 VER 24.079 27.374 40.636 1:32.089 0.542 0.241
6 GAS 24.353 27.723 40.854 1:32.930 1.383 0.841
https://www.formula1.com/

最高速度・ボトムスピード・セクター速度

POS ドライバー F T1 T2 T3 S1 T6 T6 T8 T8 T9 S2 T11 T11 T14 T14 T16 T16 S3
1 BOT 269 318 98 96 284 288 86 275 179 122 281 287 99 320 71 260 181 271
3 VET 272 324 97 92 286 291 78 277 182 117 281 287 85 328 64 262 170 275
5 VER 269 313 103 96 281 287 81 275 184 122 277 283 94 318 69 257 172 269
6 GAS 266 312 102 93 280 285 80 274 174 117 275 280 90 318 65 256 168 266

中国GP予選データ分析

予選ではS(C4)タイヤを何処にピークを持って行くかが重要となった。予選ベストラップのセクタータイムとベストデータでは明らかに違います。全セクターベストはハミルトンですが、ポールはボッタスである事でそれがわかると思います。

よくベストセクタータイムを繋げたら、誰かの方が速いとの考えがあるようですが、それは間違いです。タイヤのおいしい部分をより効果的に使えたドライバーやマシンが速いとの考えが正解です。

ボッタスのポールラップ⇩

ボッタスはセクター1を抑えて、セクター2で自己ベスト、セクター3では最終コーナーが異様に速いです。上海で唯一の高速と呼べるターン8では抑えているのがわかります。

上海サーキットの特徴

  • フロントリミテッド(特に左フロント)
  • 路面は普通より荒め
  • ストレート区間の先には低速コーナー多し

メルセデスやレッドブルはストレート区間の先の低速コーナーが速い、対してフェラーリはストレートは速いが低速コーナーが遅い。ダウンフォースが他より少ないからですが、なぜダウンフォースを付けられないのか?

  • 低速コーナーが遅い
  • ターンインが遅い
  • フロントのグリップ不足
  • フロントタイヤが適正温度にならない
  • ストレートではフロントタイヤが冷える
  • ブレーキングでの発熱量が足りない
  • フロントのダウンフォース不足

フロントのダウンフォース不足により、バランスをとらなければならないリア側も少なくなる。

よってストレートが速いんですね、パワーにより速いとの見解ももちろんあるでしょう。だったら何故パワーを犠牲にしてダウンフォースによりコーナーを速く走らないのか?上海はコーナーを速く走る事、特に低速コーナーを速く走る事がタイム短縮に繋がる。

トップ3マシンのフロント周りに注目しておこう⇩

フェラーリは変わらず、メルセデスとレッドブルはタイヤ前のメインフラップと路面の間の空間を広げてきている。上面フラップの翼端板近くは3車3様となっている。

サイドウォッシュが少なくなり、空気をマシンの真ん中に多く取り入れるメルセデスの細いノーズの利点が大きい可能性もありますね。

 

レッドブルは高レーキ角セッティングで、ドラッグが多いわりに得意だった低速コーナーでメルセデスに負けている。ストレートではホンダパワーがまだ追いついてないが、それでも0.5秒差にいる事からも今後の改良によるの伸びしろには期待できるでしょう。

 

フェルスタッペンとガスリーの差は大きいですね。同じ速度で突っ込んでいけてない、これはコーナー中間で荷重を後ろに移行する時にリアを信じ切れていないからです。

かと言ってフェラーリのようにスローインに走りを変えたとして、レッドブルはそのようには出来ていないのでタイムは出ない。

私はガスリー擁護の立場を貫いていますが、早くレッドブルのマシン特性に慣れなければ先が無いのは事実です。とにかく頑張ってほしい、昨年のような活躍を期待しています。

そして、あの屈託のない笑顔を再び見たいものです。

 

※色々な考察ができるのですが、今日はこの辺でやめておきます。データはご自由にお使い下さい。