フェラーリが違法エンジンマッピングとエキゾーストブローイングで何かやっている問題?そもそもこんな説明だけでF1の歴史を知らない人はわからないですよね。
火のないところに煙は立たないって事はあるでしょうけど、発信元がゴシップ上等なMARCA(スペイン)だからなぁ・・。
http://www.marca.com/motor/formula1/gp-europa/2018/04/24/5adf4c0022601d1a358b4631.html
問題視されているのは、アクセルOFF時の排気の発生についてです。昨年まであったモンキーシートは排気を利用してリアウィングの効率を上げようってのが狙い。
今年禁止された事でルノーは規定いっぱいまでエキゾースト角度を上方に向けリアウィング下面に当てている。それによりリアウィングの効率がアップする。
じゃあ排気が出ていないアクセルOFF時はどうなの?エンジンマッピングをいじってアクセルOFF時も排気しちゃえば良いよって事で解決、でもこれ燃料使うんですよね。
とりあえずF1エキゾーストシステムの歴史をちょっとだけ振り返ります。
F1エキゾーストの歴史
排気出口は90年代はリア周りの空気を乱す邪魔者扱いだった、ディフューザー付近に大体設置されていた。ディフーザーの中に出したり、上面に出したり、下の画像のように突き出したりしている。
上方排気
アクセルを開けた時に、ディフューザーの中にあった排気で空気が乱れるため、1998年シーズン途中でフェラーリが上方排気を採用すると他チームも真似していった。
この上方排気は色々な形や位置が微妙に変化していったが、2009年までは全車この手法を用いている。
ブロウンディフューザー
ブロウンディフューザーは2010年レッドブルのニューウェイが排気をディフューザー上面に戻し、排気を利用して主にリアタイヤで発生する乱流を吹き飛ばしディフューザーで発生する負圧を守るもの。
更に排気をアクセルOFF時も排出するオフスロットル・ブローイング(ラリーカーで言うところのミスファイヤリングシステム)により、ブレーキングからアクセルONまでの間も空力を安定させていた。
これを良しとしないFIAは2012年より排気の場所をサイドポンツーン後端の一部のエリアに限定し、そしてエンジンマッピングの監視によりオフスロットル・ブローイングを禁止した。
それでもアクセルON時の恩恵があるため上画像のような手法を2013年まで続けた。
ミスファイヤリングシステム(アンチラグシステム)
ミスファイヤリングシステムはスバルのラリーカーに導入されていたシステム名でターボラグを防ぐもの。世界的にはアンチラグシステムと言います。
タービンは排気が無いと回らない、よってコンプレッサーも回らないとなるとアクセルの踏み出しではパワーが出ない。アクセルOFF時に排気出してターボラグを減らそう、どうするの?
色々な手法があるが超簡単に説明すると、燃料と空気が混ざった混合気を、ピストンシリンダーから出た瞬間に点火してエキゾーストで燃やします。
だからパワーを出さずに排気だけ出せる。
以下の動画はブレーキングしてアクセルOFFなのに排気音が聞こえるわかりやすいものです。
ターボラリーカーがパンパンパンうるさいのはこれのせいです。
2011年モンツァF1でのオフスロットル・ブローイングサウンド。
NAエンジンで回転数が高いのでパンパンと言うよりはバリバリ系ですね。
ターボハイブリットであるF1での利用価値は?
2014年よりターボにはMGU-Hとコンプレッサーが直結していて、ターボラグ解消にはMGU-Hでタービンを回すEブーストが行われています。
オフスロットル・ブローイングは燃費が厳しい今のF1にとっては、利用価値が無いはずなんです。加えてFIAによるテレメトリーの監視やエンジンマッピングの監視が行われており抜け道はないはず。
ベッテル車にだけあるとされるレバーの存在
手動式であることからワイヤーなどが接続し何かを開閉させるのか?仮にアクセルOFF時にスロットルバルブを操作したとして点火はどうするのか?隠しマッピングが発動?
エキゾーストに点火プラグを配置したアンチラグシステムがあったけど、F1では間違いなく規則違反。
フェラーリが今年いっぱい出場停止になりそうな危ない橋わたる訳がない。
まったくもって意味不明な疑いですよね・・。私の想像力ではここまでが限界です。
以上、まとめられないので終わります。
スロットルoffさせたとしても、ターボチャージャーのコンプレッサーのシールに意図的に “リーク ” させてあり、事前に計算された量の油が燃焼室に入ってくるのですから、油と空気が混ざった混合気を、ピストンシリンダーから出た瞬間に点火してエキゾーストで燃やす『隠しマッピング』なら、ガソリンを燃やす訳ではないので燃費的にはokなのでは。
なるほどリークオイルは常に入っているからできる技ですね。
問題は点火マップなんですが、レギュレーションがわかりません。多少のオフスロットルブローイングは許されるはずなんですが、上限いっぱいまでやるのがF1流儀。
ルノーしかりですが色々な憶測が飛び交いますね。
私の考えですが、添加剤目的のオイルではエキゾーストブローイング効果をもたらす程の排気量が得られるのかという点と、FIAの言う「適切でないエンジンモードの禁止」にスロットルOFF時の点火のタイミング操作が抵触する可能性が高い点から、フェラーリがポイントはく奪のリスクを冒す冒険はやらないのではと思います。
とは言いつつ、フェラーリが何かやっている感はプンプンしますよね。
シーズン初めは規則違反ギリの行為であれば是正勧告程度で済むので、色々試してくる事は他のチームも含めてやりそうですね。
エンジンオイルと添加剤の効果に関しては、添加の種類によって効果や効能は様々ですけど、一般的には「燃費向上」「エンジン内部潤滑の促進」「エンジン保護」「エンジン内部の洗浄」など。
例えば洗浄効果は『パーツ&ブレーキ クリーナー』などと同等の成分で…脱脂に使う灯油よりも発揮性も高く引火性も高いので、レース系(CRとかTM)キャブ仕様のバイクがチョークを引いてセルまたはキックで始動しない時などは、『パーツ&ブレーキ クリーナー』をエアファンネルから吸わせてからの始動なら、かなり確実にエンジンがかかるほどの可燃性も備えています。ですので…添加目的のリークオイルとはいえ充分な可燃性がある(よく燃えないと本来の目的?であるパワーアップに使えない)はずなので、エキゾーストブローイング効果に必要な排気ガスの…(爆発と脈動効果よる)流速と(外気温度よりも燃焼効果で高くなる)温度差は、リークオイルでもまかなえると思います。
中国GPのコーナー毎に異なるサウンドを発していたとするフェラーリのPUのエンジンマップの問題は、「走行中にエンジンマップを変更することを禁止」「競技中のプログラミング禁止」にあたるのかどうかなのでは。
隠し点火マップではなく、通常の点火マップの中にある仕様であれば…フェラーリなら合法になるんでしょうね。
私は化学系弱いんで、ありがたい知識ですね。
本当にオフスロットルブローイングだとしたらってところが焦点となりますね。
完全なoffスロットル中のブローイングなので、やっぱり無罪放免でしたね(笑)。
↑ off⇒onかな? FIA調査により違法性はないと証明された。
さすがマルカだな、盛りまくりで困った報道だ!
でも、のってみるのも意外と楽しいですねw
今回はF1 過去技術の確認にはなったと思います。