https://twitter.com/F1

2019年のフェラーリSF90は、今年一番のストレートスピードを誇っている。その大部分は低ドラッグによるものだが、パワーユニットの特にエンジンパワーに熱い視線が注がれている。

ハミルトン曰く「ジェット・モード」が予選で使われていると言うのだ。

V6シングルターボ1,600ccエンジンは、現在ピークパワー値で約840psを発生し、MGU-K(モーター)の163psと合わせて1,000psにもなると言われています。

メルセデスはフェラーリとストレート区間で40kw(55ps)の差があると何度も発言している。しかしこの数値はフルスロットル区間タイム差を単純に馬力換算したものであり、ドラッグは考慮されていない。それでもパワーでフェラーリが勝っているのは紛れもない事実です。

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Ferrari 064 Power Unit

https://www.auto-motor-und-sport.de/

エキゾーストはホンダより確実に太いです。ウェイストゲートパイプは太めの1本出し。

2019年フェラーリPUは大改革、エンジン上部にマウントしていたインタークーラーを前部に搭載してきた。このレイアウトには度肝を抜かれました。インダクションポッドが小さくなりリアウィングへの気流を綺麗に確保、重心の低下に貢献している。

エンジン上部の黄色の蓋がされている部分がエアフィルターで左右にあります。MGU-HはVバンクの間に収まっている。

燃料とオイルのレギュレーション

エネルギー保存の法則の観点から考えれば、エンジンパワーとMGU-Hの発電エネルギーはすべて燃料から得られるものです。フェラーリPUの謎を紐解くためには、燃料とオイルの規制を先ず知っておく必要があります。

ちょっと長くなりますが、わかりやすく解説していくのでお付き合い下さい。

燃料流量計と高圧燃料ポンプ

燃料には単位時間あたりの流量規制があり、エンジン回転数10,500rpm以上では100kg/hです。これはFIA指定の流量計によって測定されリアルタイムに監視されます。

https://www.racecar-engineering.com/(2019年F1燃料流量計)

この流量計を通った燃料は、アキュムレーターを介して高圧ポンプに送られます。この高圧ポンプの先にインジェクターがあります。

https://www.f1technical.net/(HONDA-RA619Hの高圧ポンプ)

2019年、流量計から高圧ポンプまでの間に許される燃料は0.2ℓ(内アキュムレーターは0.1ℓ)です。この規制が入る数年前はなんと1ℓも許されていたんです。数年前は予選において、単純に燃料を多く燃やしていたって事です。

現在のこの0.2ℓは約156g、流量100kg/hは約28g/sなので約5.5秒分、仮に+10kg/hを作り出すなら約55秒相当の燃料ですが、パイプ内の燃料を使い切ればエンジンブローの危険性が伴うところ、アキュムレーターは急激な燃圧の上昇に対応するためのものであり、使えるのはアキュムレーター0.1ℓ内のわずかな量となる。

仮に0.05ℓを使ったとして大きな差を作り出すのは困難です。

エンジンオイルとサブタンク(AOT)

  • 100kmあたり0.6ℓの使用制限(決勝)
  • 技術規則第7条 ⇒オイル噴射:PUのいかなる部分とエンジン吸気との間に、アクティブ制御弁を使用することは禁じられている。
  • 予選において補充の禁止、サブタンク(AOT)は空

エンジンオイルは2018年からのアクティブ制御弁の禁止で、吸気行程に流入させる事が困難になった。これによりメルセデスのパワーは減少したと思う。あとはオイルの使用量もサブタンクが空になった事で、使える量が減った事が主な要因になるのかな。

 

オイル噴射:PUのいかなる部分とエンジン吸気との間に、アクティブ制御弁を使用する事は禁止と言う項目がある限り、隙間から流入させるオイル量を調整できません。調整できなければマッピングと同調できずに燃焼制御できない事になります。

 

インタークーラーが油冷でそこから?!

フェラーリPUの新たに噂になっている油冷インタークーラーを使ったオイルの流入について。

ラジエーター用に使っているオイルには使用量制限が無い!目からウロコが出たよ(笑)

まず、油の熱伝導率が水より悪い事が気がかりである。油冷だけでは加圧された空気は冷やせない。よってこの場合、水冷+補助油冷システムである事が条件となります。しかしですよ大問題がひとつ!

 

オイル噴射:PUのいかなる部分とエンジン吸気との間に、アクティブ制御弁を使用する事は禁止!!

これがある限り、緻密な制御弁が無い状態なのです。さてどうするか、リークさせる隙間があって油冷用の油圧ポンプで高圧力をかけて流失させる?こんな事しか思いつかなかった。そんな方法で必要な量をしっかり調整できるのか謎だなぁ。

 

昨年、噂に上がった可変吸気エアファンネルの動きを利用してエンジンオイルを流入させる方が合理的です。

使用量制限の無い冷却用オイルに着目したのは良い考えだと思うが、利用できる可動させていいパーツが見当たらないんですよねぇ。

 

ジェットモードの謎に迫る・・・迫れる訳もなく撃沈であります。

とりあえず今の規制はわかって頂いたと思います、皆様の柔軟なコメントお待ちしております。

2020年からの燃料・オイル追加規則

2020年からはオイルと燃料には新たな規制が加わる。

  • サバイバルセル外に存在が許される燃料が2リットルから0.25リットル
  • 補助オイルタンクは一つ、エンジンオイルはすべての容量が2.5ℓを超えてはならない

燃料はタンクからインジェクターまで0.25ℓとなる、今年の規制をを加味すれば流量計までは約0.05ℓになるという事です。

エンジンオイルは現在の0.6ℓ/100km⇒0.3ℓ/100kmになるとの噂があります。

今回のソースは以下です。

https://www.auto-motor-und-sport.de/formel-1/fia-schliesst-schlupfloecher-motoren-trickser-ohne-chance/

https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-2020-clutch-changes-to-make-starts-more-driver-dependent/4379683/

追記19.10.6:違反じゃなく発明だ!

フェラーリPUのパワーは謎であり発明である。燃料を増加させる方法・オイルを燃焼に使う方法はあるが、規則はどんどん洗練されつつある。違反を疑う事はやめた方がいい、これはあくまで規定の範囲内で行われている発明の対決なのです。それがたとえグレーゾーンで有ったとしても。

もっとも優れていると思われるデプロイの増加に関しては、大型なバッテリー、大型なMGU-Kなどから察すれば冷却に優れているとも思います。ボディカウル内でもフェラーリはボルテックスを利用するようなフィンが多く取り付けられており、バーレーンで冷却しすぎてトラブルを引き起こしている事でもそれは証明されています。

電気エネルギーの大敵は熱です。発熱を抑えれば電気エネルギーロスは減る。決して小さく作れない訳でも無いに大型なバッテリーを使用している訳、バッテリー内セルの使い方、HとKの入出力など、エネルギーロスを減らす方法はまだまだ存在するのでしょう。

私のような電気音痴には解明できる謎ではないかもしれない、それでも考えずにはいられない素晴らしい技術開発の世界である。

色々な意見を取り入れ、個体概念を捨て、より柔軟な発想や考えを導き出す事が求められる。規則に縛られない子供的な発想が案外正解だったりするものです。

フェラーリPUは素晴らしい、素直にそう思う事が一番大切な事だと思います。