2017年開幕に向けて8日間のテストが終わりました。日本のF1ファンから特に期待されているマクラーレンホンダですが、その船出は最悪といっていいです。

走行距離は最下位、タイムシートでもほぼ最下位となっています。

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テストでの問題点

マクラーレンホンダのテストにおいて問題となっていた部分(公表された情報)は以下です。

  1. オイルタンクの問題
  2. エンジン内部の破損
  3. 電装系の不具合

1.オイルタンクの問題

オイルタンクの問題は実走行しての振動や主に走行Gによる偏りが発生して、エンジン本体にオイルが供給できなくなったとの事。アロンソに素人レベルのミスだと苦言される。

2.エンジン内部の破損

エンジン内部の破損は2日目バンドーンが走行中に発生し、内部はズタズタとの事、エンジンは開封されずにそのまま研究所SAKURAへ搬送された。

3.電装系の不具合

電装系の不具合によるシャットダウン現象、回数も頻繁でどうしようもないといった感じ、かなり深刻な問題。

それらの原因

  1. オイルタンク問題は偏りが発生しないように内部にバッフルを組み込み対応していますが、今回新しいパワーユニットの設計により大幅に形状を変えています。
    このために今までのデータが使用できずに、完全な予測のもとに設計していたために引き起こされたのが原因です。アロンソ曰く素人レベルだと・・。
  2. エンジン内部破損については原因不明でホンダの研究所SAKURAで究明中との事、憶測ではピストンの破損ではないかと言われています。製造レベルにおいて何か問題があったと思われる。
    今年から燃焼技術で新しい試みをしているホンダエンジンですので、ピストンの強度が不足している可能性も否定できないでしょう。
  3. 電装系のシャットダウン現象についても原因不明・・。車が停止している状態では問題ない訳で走行中に起こる。ホンダのパワーユニットが何らかの電流エラーを検知して停止、車体側の何らかのエラーを検知して停止している2つの可能性がある。
    このどちらも多大な電気エネルギーを蓄えているF1マシンからドライバーを守るためのものなので、停止しているのは良い事なのですが、漏電しているという事ではなく検知エラーの可能性が大きい。走行中に縁石に車体をヒットさせたら停止したと言う事実が判明していて、車体側に問題があったとの見解もでている。
https://www.formula1.com/

どちらにしてもマクラーレンホンダのこのメディア対応はすこぶる悪い、ホンダの長谷川さんの発言はまだ許せるが、マクラーレン側の対応は首をかしげるぐらい悪いですね。

各メディアも憶測記事が乱立していて本質がまったく見えない状態です。そんな中で私も色々な情報を元に信憑性のある情報だけを元に書いている状態ですので、鵜呑みにしないようお願い致します。

ホンダ側の事前準備の悪さが露呈

今回のテストの問題は、主にホンダ側の事前準備の悪さが主な原因でしょう。ベンチテスト段階でマクラーレンとの協力体制ができていないのが悪い。ベンチテストにおいてマクラーレンのパーツを用いてのテストがどうもされていなかった様です。

パワーユニットを固定する部品との連携、実装される電装部品との連携、冷却パーツとの連携など実走行前確認が、ほとんど行われていなかったとの事です。これには開いた口が塞がらないですね。

開発の遅れによりぶっつけ本番でテストするしかなかったと言うのが実情でしょう。

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本来テストでやるべき事は?

よく言われる事ですが「テストは問題を洗い出すために行われる。」という文言ですが、これはF1の世界では当てはまらない事はフリークなら常識だと思います。10数年前のテスト制限がなかった頃はテストチームが存在しテストに明け暮れていた実情がありますが、予算削減のため厳密に決められました。

実走行データが重要な訳

現代のF1において実走行テストは開幕前8日間、シーズン中2日間、シーズン後2日間しかありません。このためテストではまず走れる事が大前提になってきます。そしてテストでやる事はシュミュレーションデータとの相関性を確認する事に重点が置かれます。実走行ができない分はシュミュレータによってテストされており、この相関性が整っていないと今後の開発に支障をきたします。

特に空力面ではこのシュミュレータによるテストが重要で、風洞施設でのテストデータがシュミュレータに連動されて走行テストを行い、改善されていればパーツを製造してその後、実走行テスト(フリー走行などで)を行います。

新パーツはシュミュレーション上の力を発揮できない事が多々ありますので、トライ&エラーを繰り返し行います。実走行とシュミュレータの誤差が少なければこのエラーを少なくできます。こういった側面から実走行がいかに大事かがわかります。

https://www.formula1.com/

テストで確認できなかったと思われる項目

パワーユニットの耐久性

パワーユニットに関しては電装系のトラブルにより、交換が多く発生して本来の耐久テストができていない。年間4基規制があるので、各グランプリで600kmは走りたい少なくとも1基3,000kmは必要になってきます。

タイヤへの理解度

昨年シーズン中にタイヤテストを行ってきたトップ3チームとの差はテスト前からついている。テストではそのグリップレベルはもちろんロングラン性能そしてサスペンションとの相関性などやるべき事は多い。

速く走るためにはタイヤに車体を合わせる事が一番の近道です。ロングランが出来ていない事で一番差がつく部分でもある。

空力パーツの確認

シュミュレーション上のダウンフォースは発生しているか、ドラッグの影響や冷却の問題など、連続走行によってわかることがやはり多い。今年はどのチームもダウンフォース量が増加していますので単純に去年との比較は意味がない。走行できていればおのずと劣っている部分が見えてくる。

セッティング変更によるマシンの動き

セッティング変更による車の変化の確認がほとんど取れていません。他チームは低速サーキットや高速サーキットを想定したセッティングテストも行っている。特にシュミュレータとの相関性に重要なポイントでもある。

 

最後に

今回テストでまったく走れていない状態のマクラーレンホンダは、相当なハンデがあるという事です。開幕戦はまず絶望的で走り切れる保証はどこにもありません。私自身ここまで悪いとは予想しておらず、かなり失望しています。

マクラーレンホンダ体制面の問題点を解析した記事はこちらです⇒マクラーレンホンダはなぜ遅い?現状の問題点を解析します。