https://www.autosport.com/

ウィリアムズFW45と言えば直線番長、ドラッグが少なくダウンフォースが少ないマシンです。

カナダGPでサイドポッドを中心にアップデートを投入しています。

 

アルボンは圧倒的なストレートスピードを武器に、DRSを使う後続を完璧に抑えきり7位入賞。

アップデートはどのような効果を狙ったものだったのか?解析してきます。

Sponsored link

ウィリアムズFW45のサイドポッド

サイドポッドの横幅に変更は無い、スライダーがディフューザーの上昇ラインまで伸びています。

 

 

サイドポッドの高い部分が低くくなり、前後に綺麗に流れるラインを描いている。

 

 

スライダーの流れをリアまでしっかりと固定化する狙いがあるだろう。

アンダーカットラインの変更

レッドブルやアストンがアンダーカットを使って空気を下に横に導くのに対して、ドラッグを抑え直線的に流すだけだった旧型。

 

 

新型では少しだけ早めに空気を横に移動させている。

 

これによって、サイドエアロシールの為に使われる空気量が少し増加するでしょう。

サイドポッド上面の正圧中心の変更

ダウンウォッシュ型サイドポッドとディフューザー上昇ラインの交わる凹みのような部分に、上面正圧中心が出来ます。

 

新型ではその位置を少し前に移動させている。

フロアの負圧中心に近づけた事でダウンフォース最大値が少し増えるはずです。

ウィリアムズFW45のフロア

シンプル イズ ベスト と言えば 聞こえがいいかもしれないフロアです。

 

一応、ダブルベンチュリートンネルを使っているが、レッドブルに比べて中間トンネルは狭い、フェンスで発生するボルテックスを導く溝のような形状が見えます。

そのラインはサイド側に寄っており、中心負圧が弱くなるだろう、メルセデスのフロアに似た感じです。

 

 

内側フェンスは前方が路面から離れており、前方からボルテックス用の空気を供給して後方は閉じていくようなスタイルです。

リア側に導く空気量が少ない為、トンネルの体積は減る。

 

バランスは良いが、リアがどうしても弱くなる。

スロットルオンでリアが抜けやすいのは、荷重移動によってリアが沈みこんでからダウンフォースが発生する為に起こります。

 

新しいサイドポッドによってダウンフォースの発生位置が少し前に移動、リアの安定性を少しだけ上げたかもしれません。

ただ、フロアの全体的なダウンフォース量は変わっていないだろう。

 

 

ドラッグを増やす事無く、リアの安定性を少しだけ上げる、不確実な冒険はしない。

予算の少ない下位チームで出来る事を貫く姿勢は立派だと思う。

 

圧倒的なストレートスピードを武器に、特定のサーキットで大量ポイントを獲得するスタイルは、面白く夢のあるマシンです。