2017年のF1プレシーズンテストの1回目(2月27日~3月2日)が終了しました。マシンのレギュレーションが大きく変わり、そのデザインには新たなトレンドが生まれています。

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Tウィング、シャークフィンといったものが登場して、その見た目の悪さにより「なんでこうなった?今年はカッコよくなるって言ってましたよね?」と思う人も相当数いると思います。事実私もその一人です。

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シャークフィンの効果

インダクションポッドの後ろにある薄い壁状のフィンは、空気の整流に効果のあるパーツです。今年リアウィングの全高が下がり前方から見るとリアウィングの大部分がインダクションポッドに隠れてしまっています。

 

インダクションポッドから離れた空気は、乱流を作り出してしまいますので、きれいに空気をリアウィングに導くために、このようなフィンで整流してダウンフォースを安定させるのが狙いです。

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レッドブルのデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイは、過去にこのシャークフィンの効果はあまりないとの発言していますが、レッドブルにも装着されていることからも効果はあると断定できます。

 

そのレッドブルの代表であるクリスチャン・ホーナーは見た目が悪いなどの理由で、禁止にしようと提案したそうですが、他チームの賛同は得られなったようです。

 

Tウィングの効果

Tウィングは新マシン発表当初から、フェラーリが装着させています。その形状を見ると水平版のようで単なる整流目的のパーツだと思っていましたが、テストになると各チームもこぞって新たなTウィングを登場させています。

 

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特に色々とやっているのが、メルセデスでダブルTウィングになっていました。このメルセデスのウィングの形状をみると湾曲していて整流目的よりも、このTウィング自体でダウンフォースを発生させようとしているのが見て取れます。

 

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ウィリアムズのTウィングは明らかに角度がついたウィング状の付け方をしています。上だけでなく下の方にも湾曲したウィング状のパーツを付けてテストしていて、何やらこのエリアの空力開発は熱くなりそうな予感ですw

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F1技術規則の抜け穴で生まれたTウィング

シャークフィンに限って言えば、F1マシンの全高規制内であれば設置できるのはわかりますが、Tウィングは技術規則をつくったFIAですら抜け穴に気づかずに施行してしまったために生まれた産物です。

リアウィング前方のあのエリアは、デザイン規制がかかっていない部分です。FIAが発行している技術規則(英語)を読み取る力は私には無いので詳しくお答えできませんが、そんな穴を見つけるためにチームは専門の人員を配置していると聞きます。

 

こんな大きな規則の抜け穴は、2009年のブラウンGP(元ホンダチーム)が採用したダブルディフューザー以来かと思うくらい記憶にないですね。

 

カッコイイF1のはずが、カッコ悪いなんて我慢できません。FIAは早急にこれに対処してもらいたい。フェラーリぐらいならまだしもメルセデスのダブルTウィングなんて言語道断で受け入れられない代物ですよね。