フォードがRBPTと提携して、2026年よりレッドブルのエンジン名称がフォードになる事が2023年2月4日に発表されました。

アメリカ企業のF1進出が相次ぐ中で復帰を決めたフォード、レッドブルと言う勝てるチームと組む幸運に恵まれた。

 

フォードのF1参戦はこれまで通り自らが開発するものではありません。(過去の開発者はコスワース)

資金提供者でありネーミングライツの権利を取得、各分野の開発支援をする予定との事です。

 

株式の交換は無く、商業的、技術的共有と言う簡単な契約となる。

Sponsored link

RBPT

RBPT(レッドブル・パワートレインズ)は、ホンダの撤退を受けてレッドブルが創ったエンジン部門です。

当初は、ホンダの知的財産貸与により生産する予定でしたが準備が間に合わず断念、現状はHRCに委託しています。

 

2025年まで使われるパワーユニットは撤退したホンダ(本田技研工業)が名を変えて開発と製造を行っているのです。

 

 

2026年の新規定パワーユニットに向けては、新規製造者としてFIAに登録されています。

ホンダの研究データや設計図を入手する事はできません。全てのコンポーネントを一から研究開発して製造します。

※専門的知見がある数多くのエンジニアが居るため新規製造者特権は受けられなくなった。

 

 

F1レース用のモーターとバッテリー開発で他社より遅れる可能性があるRBPT。

フォードとの提携によって、そのリソースの一部でも使えるなら少しは助けになるでしょう。

 

 

RBPTは現状で総勢500名体制と言われています。

元メルセデスHPPのベン・ホジキンソンを責任者に迎え、数多くのエンジニアを他社から引き抜き本気で開発している。

ホンダからも数名は新規PUの開発に携わる人材が転籍しているだろう。

RedBullとFord

※1995 Sauber C14 Ford (フレンツェン)

レッドブルとフォードの文字がマシンに並ぶのは30年振り、レッドブルがスポンサードしていた1996年ザウバー・フォードにまで遡ります。

 

フォードの名前が最後に参戦していたのは1999年のスチュワート・フォードで27年振りのF1復帰となる。

スチュワートを買収して、2004年まではジャガー・レーシングの出資者としてF1に関わっていたが、レッドブルにチームを売却しています。

 

レッドブル・レーシングの母体となったミルトンキーンズのチームに深く関わっていたフォード、長い年月を経て両社が協力して行く。

レッドブルとフォードの提携は過去の歴史を振り返ってみると、さも必然だったように思えるから不思議ですね。

Hondaの今後は?

2022年日本GPよりレッドブルのエンジンカウルにHONDAのロゴが復活していました。

これはホンダが金銭的なスポンサードをしたと言う事です。

 

2023年からはRBPTのネーミングライツの一部を取得して、Honda-RBPTとしてエントリーしています。

(3,000万ドルぐらいはしそうな・・・委託料と差し引きして±0になるんじゃないか?)

 

2026年の新規定PUに向けては、HRCでFIAに製造者登録しています。

  • アルピーヌ・レーシング
  • アウディ
  • フェラーリ
  • ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)
  • メルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズ
  • レッドブル・フォード

これは参戦する訳では無く、細かいレギュレーションを作っていく会議に出席する為のものとなっています。

研究の為に、最前線から遅れない為の登録なのです。

 

 

2026年から再度F1の表舞台に立とうと考えるなら、勝てるレッドブルと言うチームを逃した代償は大きなものです。

残るチームは、マクラーレンか、ウィリアムズか、新規チームになってしまう。

 

他の自動車ブランドと名前が連なる事はホンダとしては絶対に避けたいはず。

(2022年からのRBPTとの契約では他ブランドのバッジネームをつけない事が条件だった)

 

まさか、アンドレッティ・キャデラック・ホンダとはならないだろう。

そこまでして参戦したいのか?ホンダに残された道は少ないです。