2024年シーズンは24戦中14戦が終了、残りは10戦です。

ここ数戦における序列では、予選はレッドブルとマクラーレンが僅差の戦い、メルセデスはレースになると差を縮めてきます。

レッドブルは2022年から続く圧倒的な優位性を失っており、空力ハンデキャップがようやく効いてきた印象を受けています。

各マシンに何が起こっているのか?私的な見解を語っていきます。

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レッドブルの空力重視ベースラインに黄色信号

ベースラインとは、フロントアクスル(フロントタイヤ中心線)とリアアクスルの位置とホイールベースの事です。

レッドブルはフロントアクスル位置を一番前(モノコック先端ライン)に設定しており、ホイールベースの中心線(下画像の赤線)がコクピット背面より前になっています。

 

フロントタイヤ乱流を遠ざける処置ですが、2年5ヶ月が経過、その空力優位性が失われています。

このベースの短所は縁石でフロントが跳ねると、重心位置(エンジンなど)より離れすぎている為にバウンスが増加してしまうところにあります。

 

ベースとしてのアンダーステア発生もあり、フロント周辺のダウンフォースを増やすことで低中速ターンの改善は果たしたものの、強引に空力で抑え込んでいる感じになっており、セッティングが非常にシビアになっています。

マクラーレンとメルセデスの猛追とフェラーリの失速

マクラーレンのベ―スラインは中間に位置しており、空力の大幅な改善によって程よいバランスを実現しています。

メルセデスは2024年よりこのベースラインを変更、フロアはレッドブルやマクレーレンの形状に近づいている、全般的な空力の改善と相まって劇的な改善を示している。

 

フェラーリはベース的には良いですが、フロア感度が高いトンネル設計の為(フロアの中心付近に強力な負圧の発生ポイントがある)、未だに高速域バウンシングに悩まされている。

このフロアは2023年ですが、2024年もほぼ同一なのが確認出来ています。

 

レッドブルやマクラーレンのフロアの形を模倣できればいいのだが、現時点で遠く離れている為、来年もこのままの可能性が高い。

残念なフェラーリのフロアだと思っています。

ターンインが鋭く、縁石を大きく使う市街地サーキットでは強く、シンガポールなどでは勝てるかもしれない。

レースペースの差は無くなった!?

レッドブル、マクラーレン、メルセデスのレースペースは、ほぼほぼ同等となった夏休み前です。

 

乱流の影響が大きく、2秒以内に近づくとペースが乱れタイヤへの負担が大きくなる。

如何にして、乱流を避けペースを維持するかが重要な要素となっている。

 

フレッシュエアーを武器に奇襲的な1ストップが功を奏する事もある。

ハード方向のタイヤを如何にして残し、戦略の幅を広げるか?相手に対して戦略をわからなくする事も重要な要素になっています。

 

メルセデスがここ4戦において、非常に上手な戦略を実行している。

元々、戦略に長けたチームであり、マシンが走るようになってから、戦略が面白いように決まっている。

 

 

レッドブルはフェルスタッペンが孤軍奮闘であり、戦略の幅が少なく勝てない事が多くなってきた。

ペレスが近い所にて相手を翻弄できればいいのだけど・・・。

 

マクラーレンは速さはあるものの、トップ争い自体が十年数年振りの事であり、チーム自体がそれに対応出来ていない。

もっと貪欲に勝ちに拘る戦略を実行する必要があるだろう。

 

レッドブルがマシン的に停滞している今だからチャンスがある。